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コロナ患者が救急車の中で47時間も待機していた件 医療崩壊の大阪

▼2021年4月23日配信の読売新聞の記事に、大阪の具体的な医療崩壊の様子が書かれていた。適宜改行と太字。

〈【独自】コロナ入院先見つからず、救急車内に「1日半」…症状悪化し重症病床に〉4/23(金) 5:01配信

〈新型コロナウイルスに感染した大阪市内の男性の救急搬送先が見つからず、救急車内で1日半ほど待機していたことが、関係者への取材でわかった。救急隊員が酸素投与などの対応にあたり、最終的に市外の病院が受け入れた。男性の症状は悪化し、重症病床で治療を受けているという。

 医療関係者によると、20日朝、感染者の男性から大阪市消防局に救急要請があり、救急車が男性を収容した。入院先を調整する大阪府の「入院フォローアップセンター」が病院を探したが、複数の病院から「余裕がない」などと断られた。

 21日になっても入院先は決まらず、隊員が交代しながら徹夜で対応にあたり、同日に病床を増やした市外の病院への受け入れが決まった。男性が搬送されたのは午後5時頃。呼吸機能の状態を示す血中酸素濃度が低下しており、人工呼吸の処置が取られたという。

 府内の病床使用率は82・5%(22日)に達し、自宅療養者数は9202人(同)に上る。自宅療養中の患者が救急搬送を要請しても、入院先が見つからないケースが相次いでいる。〉

▼この記事を読んで、最初は〈コロナ患者が救急車で1日半も待機していた件 医療崩壊の大阪〉というタイトルにしようと思った。しかし、さらにひどい実態をNHKが報道していた。

新型コロナ患者 救急搬送 最長で47時間 大阪市消防局調べ 2021年4月23日 22時09分〉

〈今月、大阪市内で新型コロナウイルスに感染した患者が、自宅療養中に容体が悪化し救急搬送された際、受け入れ先の病院が決まるまで、丸2日近くかかっていたことが分かりました。大阪市消防局は、長時間の搬送が続けば、救える命が救えなくなる危険性があるとしています。

大阪市消防局が今月19日と20日の新型コロナウイルスに感染した患者の搬送状況を調べたところ、患者のもとに到着してから受け入れ先の病院が決まって出発するまで、24時間を超えたケースが3件あったということです。

最も長いケースでは丸2日近い、およそ47時間かかっていました。

その間、救急隊員らが患者の健康観察を行い、必要に応じて酸素吸入などをしながら受け入れ先が決まるのを待ったということです。

感染拡大に伴い、大阪市内の新型コロナウイルスの患者に関する出動件数は急増していて、感染が落ち着いていた3月1日からの1週間は23件だったのが、先週は491件と21倍になっています。

こうした事態に対応するため、消防局では69ある救急隊を最大で6つ増やすことにしています。〉

▼さらに共同通信によると(4/23(金) 20:24配信)、正確には46時間53分だった。4月12日から18日の1週間で、6時間以上かかった例が20件。

▼こうした報道の場合、救える命が救えなくなるおそれがある、とよく言われるが、すでに、救える命が救えなくなっているのではないか。医療崩壊している、ととらえるのか、まだ医療崩壊していない、ととらえるのかの、認識の差だ。

▼大阪や東京は、病院が多いから、受け入れ先を探す余地がある。

地方都市の場合、受け入れ先を探す余地はない。なぜなら、救急車から何本も電話をかけるほど病院の数がないからだ。

第4波で最も深刻な事態は、地方都市での感染増加だ。救える命が救えなくなるおそれがある、という言い方は、地方都市で感染急増した場合は通用しない。

(2021年4月24日)

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