日本社会に「QOL(生活の質)」という名の優生思想が浸透しつつある件(2)

▼前号で紹介した、共同通信の記事の続き。

▼「安楽死」という言葉をめぐるイメージが、日本と海外とでは異なる、という。オランダやベルギーでは、知的障害、精神障害、発達障害のある人に対しても、安楽死が行われている。

〈さらに、医療や司法が延命停止を決定する「無益な治療」論も進む。英国では近年、重い障害のある乳幼児の生命維持が裁判所命令で中止され始めた。〉

▼前号で触れた、子どもの子宮摘出も、乳房

もっとみる

日本社会に「QOL(生活の質)」という名の優生思想が浸透しつつある件(1)

▼メモを、1日に1つ書くのではなく、1カ月に1つ書くとしたら、どの話題だろう、と思い、このひと月で筆者の目にとまった新聞記事を整理してみた。

▼2019年9月2日付の琉球新報に、共同通信の宮城良平記者による「共生の実相 命の線引きを問う」という記事が載った。

〈「どうせ」が響く世界(5) 「無益な治療」論広がる〉

▼2016年に、神奈川県相模原市の障害者施設で入所者19人が殺されたが、あの時

もっとみる

終戦記念日の新聞を読む2019(8)~妹と母を手にかけてしまった体験

▼2019年8月15日付の県紙に、村上敏明氏の戦争体験が載っていた。筆者は四国新聞や琉球新報で見た。おそらく共同通信の記事だろう。

数年前、村上氏の告白を新聞で知った。知る人は知っているが、その数は少ない。知らない人は知らないから、繰り返して報道することにも価値がある。見出しは、

〈終戦から74年/11歳、毒で母と妹あやめた/満洲引き揚げ時、心に傷〉

〈あやめた〉というのは、〈殺した〉という

もっとみる

「新聞」は「旧聞」が大切な件 靖国神社の異常事態

▼定期的に「新聞」は、じつは「旧聞」が大事だ、ということを書いているが、今回は靖国神社について。

2019年8月13日に共同通信が配信した記事。「新聞」を知るには「旧聞」が必要であることがよくわかる記事だ。適宜改行。

〈宮内庁、靖国の陛下参拝要請断る 創立150年で昨秋〉

〈靖国神社が昨秋、当時の天皇陛下(現上皇さま)に2019年の神社創立150年に合わせた参拝を求める極めて異例の「行幸請願

もっとみる

感情論は論理ではない件(1)日韓両政府の面子(めんつ)問題

▼よく「それは感情論だよ」とか言うが、厳密にいうと、「感情論」は「論理」ではない。「感情論」はただの「感情」である。

2019年8月14日付の各紙に載った、共同通信の記事。

〈日韓輸出規制/報復合戦で消耗戦に/企業不安視、打開策なく〉

〈輸出規制を巡り、日韓両国が報復合戦の様相となってきた。韓国で輸出管理上の優遇国から外されることに日本側は平静を装うが、出口の見えない消耗戦を企業は不安視。さ

もっとみる

日本は優生思想に寛容である件(2)感情ポルノにふける人たち

▼優生思想はさまざまな形で噴出する。日本では3年前に、神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者19人が植松聖被告によって殺された。

最近では、「ひきこもりは殺してもいい」という意見が公然とSNSで書き込まれるようになった。

▼共同通信が配信した「扉を開けて ルポひきこもり」続編「波紋」(1)。筆者は琉球新報の2019年7月9日付で読んだ。

今から2カ月ほど前に起きた、2

もっとみる

人気ラッパーが大麻産業に参入する件(日本じゃないよ)

▼たまたま山梨日日新聞を読んだら、小さいが面白い記事が載っていた。2019年7月12日付。共同通信配信の記事だ。

〈米人気ラッパー ジェイ・Zさん 大麻産業参入へ〉

〈【ロサンゼルス共同】米人気男性ラッパーで実業家でも知られるジェイ・Zさん(49)が10日までに西部カリフォルニア州の企業と提携し、大麻産業に参入すると明らかにした。米国では同州など11州で嗜好品(しこうひん)としての大麻使用が合

もっとみる

ますます広がる『障がい格差社会』への懸念

【障がい者の中に存在する差別】

あなたは、『障がい者』と表現されている 障がいと共に生きる人々の中に、『差別』が存在していることをご存知でしょうか?

参院選に出馬し当選したお二人。
重い障がいと共に生きる国会議員の登場に、私は複雑な心境で毎日を過ごしています。
 
障がい者の中でも差別が存在する現状を、ご理解いただけないまま
お二人が訴えている部分だけにスポットが当たり、重度障がい者に対する支

もっとみる
嬉しいです♪
8

ハンセン病の安倍総理謝罪を「同情の論理」で終わらせるな(3)

▼ハンセン病の患者、元患者の家族が国を訴えた裁判について、共同通信編集委員の中川克史氏による解説記事を紹介したい。

筆者が読んだのは2019年7月17日付の琉球新報。

見出しは

〈ハンセン病家族勝訴確定 政府だけの責任ではない〉

▼「砂の器」を見たり原作を読んだりしたことのある人は、あの中に出て来る患者家族の姿が思い浮かぶことと思う。

〈(ハンセン病患者や元患者の)家族らの置かれている環

もっとみる