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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿251


第250回から続く


第251回寄稿

特筆すべき話


アウトライヤー第190回寄稿以来の特筆すべき話を本日はします。
そのくらい大事な話です、僕にとっては。
今日の話は、解説、説明、表面的な話ではありません。
もっと根幹にかかわる話、今、実際に、現実に、”何が”マーケットを動かしているのか?という話です。このことは、よく見ておいた方がいいと、僕は思います。

”何が”マーケットを動かしているのか?


なんで株下がるんですか?
なんで、8月頭から8月先週まで株下がって、月曜日に戻りを入れて、それでまた下がって?

金利や経済、要人発言や業績発表も、もちろん大事ですが、”何が”実際にマーケットを動かしている要因なのですか、今?
まさに、今?何が大事なんですか?
何が起こっているんですか?
この8月なにを見ておかなければいけないんですか?

僕は、自分が自分のお金をマーケットに置いた時、マーケットが上がるのか下がるのか?それ以外はどうでもいいわ、となります(笑)。

利益が伸びるのか縮むのか?のるかそるかの時。その時、なんの話をしている人の話を、”一番に、いちばんに、イチバンに”、聞きたいと思うのか?

金利の話ですか?米経済の話ですか?ソフトランディングの話ですか?ハードランディングの話ですか?

僕は、第248回寄稿で~”株はスムースに上昇しにくくなっていると思いますが、ちまたでいわれるほど、シビアな下落につながるかと言われれば、それはそうでもないかな~って思ったり”と述べました。


最も大事なこと~「デュレーション」


今、そこにある最も大事なこと~それは、「デュレーション」です。
人によっては、聞きなれない言葉かもしれませんが、これがマーケットを動かしているのです。
過去のこの寄稿でずっと述べ続けてきた言葉、デュレーション。
そして、この寄稿で、8月から、向こう2,3か月が米国債大量発行の鍵になる期間となりますね、とも述べてきました。

*デュレーション~(金利の変化に対する債券もしくはポートフォリオの価格感応度を示す値(単位:年)・債券を保有することによって利子および元本(=キャッシュフロー)を受け取ることのできるまでの期間を加重平均したもの)


デュレーションとは?


デュレーションとは

僕は今、マーケットについての説明をアメリカの専門家から聞く時、金利、経済の話ばかりで、この話をしていない人の話、それを聞くことはありません。だって、この話をしていないのであれば、ホントのポイントがずれている、たぶんさほど密接にマーケットを見ているわけではないんだろうなあ、テキトーに言いたいことだけ言っているのかなあ、自分のためにはあまりならんなあ~と、個人的に思いますからです。

第248回寄稿~”株はスムースに上昇しにくくなっていると思いますが、ちまたでいわれるほど、シビアな下落につながるかと言われれば、それはそうでもないかな~って思ったり”~略~”イエレンさんが、デュレーション長めの債券の発行するとなれば、今回みたいにリスクアセットが売られるわけでしょ。こういうの買う人たちって、キャッシュ使って買うか、お金借りて買うか、持っているアセット売って買うか、でしょうから。リスクマネジメントしながらやっているわけですから”

僕は春先以前から、TGA(Treasury General Account)(一般勘定会計口座、アメリカ合衆国の当座預金口座)の再構築について述べ続け、この8月を意識してきました。
他の多くの専門家同様、これについての見立てや予想そのものは、この寄稿で、すでに明確に認めました通り、外れました。外れたのです。
でも、8月のこの相場では儲けることができました。

市場は、1兆ドル規模のT-Bills(米財務省短期証券)の供給をすんなりと受け入れ、それを消化できているわけですね。ただ、先々を見てそれを織り込んでいく市場、そしてその市場への投資家が、今、”一番、いちばん、イチバン”、意識していることは、これから、向こう先、デュレーションが長めの米国債の発行増。それに際してのリスクアセット売り、です。これがマーケットを動かしているのです。
この動きが8月に、先々を織り込む形で、出ている。だから、株、下がるのです。これまでのように、そうスムースに上がれない、この動きが止まないと。


ステルスのQEのような作用を生み出している


過去のこの寄稿でたくさん述べていますが、3月にシリコンバレー銀行その他の件で銀行問題が発生した時、FRBが何をしたことによって、金融市場は落ち着いたのですか?ご記憶にも新しいところであると思います。2つの制度、連銀窓口貸出制度とBTFP(FRBによる緊急の新しいプログラム)。

過去のこの寄稿で何度も述べていますが、BTFPはQEではありません。と同時に、このプログラムの肝、これは、デュレーションリスクを除去しているのです。デュレーションの長いところから短いところへと。短いところへとリスクを除去しているのです。過去の寄稿をご参照ください。

これは、QEではないのですが、このプログラムによって、FRBがデュレーションリスクを除去していることが、ステルスのQEのような作用を生み出しているのです。ここの解釈は、しっかり、間違えないようにしましょうね、と、何度か、過去の寄稿で述べました。

向こう2,3か月が鍵


これを踏まえて、米国債の大量発行においては、向こう2,3か月が鍵で、長めのデュレーションの発行増ということになる、と市場、市場への投資家は、すでに前もって知っているので、リスクアセットを売った、売っている、のです。だからマーケット下がるのです。

その上で、僕がここのところしている議論は、その下げが、5%なのか、7%なのか、8~9%なのか、という事であり、僕は、まあ、5%取れればおんのじです、という行動を実際にとりました。
そして、ノーポジになった後、この議論を続けています。


マーケットが何を好み、何を嫌がるのか


これから先を見ていく上でも、今日の話は大事です。
マーケットが何を好み、何を嫌がるのか。そこを見ませんとね。

大変申し訳ございません。今週は今日まで寄稿させていただきましたが、個人的所用により、明日24日、25日は先週申し上げました通り、寄稿はお休みとさせていただきます。次回の寄稿はできれば、26日、26日にできなければ、その分27日に寄稿させていただきたいと考えております。

どうぞよろしくお願い致します。







第252回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。

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