見出し画像

スポーツと肩関節障害


”青春は密なので”


仙台育英高野球部の須江航監督がコロナ明けの2022年甲子園優勝のさいのインタビューでおっしゃっていた言葉です。
スポーツ動作、特にオーバーヘッドスポーツにおいて、肩関節の障害はその疼痛などからパフォーマンスの低下に直結してきます。ある程度の安静による疼痛軽減を見込めても、復帰後に再発してしまい長期的な治療が必要な人も多いです。肩関節疾患で通院する学生も多いと思います。肩の怪我の治療と予防に尽力することはそういった密な青春を送る学生の力にもなるかもしれませんね。

スポーツ動作と肩関節についてまとめました。




投球動作

オーバーヘッドスポーツでは、特に投球動作において肩の疼痛を誘発することが多いです。投球動作は、一連の動作をいくつかの層に分けて考えることが多いです。

・アーリーコッキング期
・レイトコッキング期
・アクセラレーション期
・フォロースルー期


村木孝行監修, 甲斐義浩編集. 肩関節理学療法マネジメント機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く. メジカルビュー社, 2019.


アーリーコッキング期

肩関節は外転、肩甲骨は内転・上方回旋する。また肩関節の大きな水平外転と内旋から次のレイトコッキング期へ移行していく。

考えられる障害
・肩関節前方の伸長痛(三角筋前〜中部、関節包靱帯)
・(テイクバック時の外転、伸展での)肩峰下インピンジメント(棘上筋付着部と肩峰)


レイトコッキング期

肩関節は外転を継続し、最大外旋する。

考えられる障害
・インターナルインピンジメント(関節唇後上方と棘上筋付着部)
・胸郭出口症候群


アクセラレーション期

肩関節は最大外旋を継続、胸椎伸展からボールのリリースを行う。

考えられる障害
・(骨端線閉鎖前の選手での)上腕骨近位骨端離開(肩関節外旋・内旋動作の反復による骨端線の捻り)


フォロースルー期


肩関節の水平内転、内旋

考えられる障害
・肩峰下インピンジメント症候群もしくは前上方でのインターナルインピンジメント症候群(過剰な水平内転及び内旋による)
・Benett骨棘、SLAP損傷(過剰な前方への牽引に伴う関節窩後方の三角筋付着部の牽引性骨棘、関節内の上腕二頭筋長頭長頭腱への牽引ストレスから関節唇損傷)


インピンジメントに関してはこちら

各投球動作のフェーズで特徴的な動作とその障害が見つかりましたね。今回記載したのは肩関節に注目した場合です。全身に対する介入がスポーツ現場では必要となりそうですね。

ではでは。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?