ラリー遠田

作家・お笑い評論家。『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』『教養としての平成お笑い…

ラリー遠田

作家・お笑い評論家。『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』『教養としての平成お笑い史』『とんねるずと『めちゃイケ』の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』など著書15冊。『AERA dot.』『文春オンライン』『東洋経済オンライン』などで執筆。

マガジン

  • 『M-1グランプリ2023』3回戦おすすめ芸人

    『M-1グランプリ2023』3回戦で惜しくも敗れてしまった芸人の中から、個人的なおすすめを紹介しています。

  • サウナと私

    サウナに対する個人的な考えをまとめています。

  • お笑い賞レース感想

    お笑い賞レースの感想記事をまとめました。

最近の記事

  • 固定された記事

ラリー遠田プロフィール

ラリー遠田(らりー・とおだ) 作家・ライター、お笑い評論家。 1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は哲学。 テレビ番組制作会社勤務を経て、フリーライターに。在野のお笑い評論家として、テレビやお笑いに関する取材、執筆、イベント主催など、多岐にわたる活動を行っている。 お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。 『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと『めち

    • トイレットペーパー交換必須残量問題

      公衆トイレなどを利用したとき、用を足した後でトイレットペーパーの残りがわずかになっていたら、そのまま放置するのではなく、残り少ないトイレットペーパーを取り外して、新しいものに付け替えておくことがマナーだとされている、と言われることがあります。 このマナーに関して、そうするべきだというのは大筋では賛成なんだけど、どのぐらいの残量だったら替えるべきなのか、というのは個人差があるような気がしていて。そこが悩ましいなあといつも思っています。 たとえば、残り5cmしかない。これはも

      • ノンスタ石田のR-1コンサル

        NON STYLEの石田明さんが、自身のYouTubeチャンネルでおいでやす小田さんと対談していました。 ここで興味深かったのが、石田さんが『R-1グランプリ』のスタッフから相談を受けていた、という話です。大会をどういうふうにしていけばいいのか、ということについて石田さんなりに意見を述べたそうです。 具体的にどこをどういうふうにした方がいいという話までは動画の中では触れられていませんでしたが、雰囲気から察する限り、相当踏み込んだ話をしているようでした。 『R-1グランプ

        • 『キングオブコント』でコントが変わった

          雑誌『SPA!』のかもめんたる・岩崎う大さんの連載が面白いので毎週読んでます。最新回で書かれていたのが『キングオブコント』という大会によってコントが変わった、ということです。詳しくは本文を読んでほしいですし、私もちゃんと理解しているかわからないのですが。 簡単に言うと『キングオブコント』以前は、ボケとツッコミのコントが一般的だった。でも、大会が始まって数年すると、それだけではないものが増えてきた、ということです。 私の感覚で言うと、昔のコントは「ごっこ遊び」だったと思うん

        • 固定された記事

        ラリー遠田プロフィール

        マガジン

        • 『M-1グランプリ2023』3回戦おすすめ芸人
          5本
        • サウナと私
          6本
        • お笑い賞レース感想
          3本

        記事

          オーシャンビュー

          プラス・マイナス岩橋さんについて。コンビを解散するのが残念だとか、やめてしまうのはもったいないといった声が多いですし、その気持ちはわかります。 でも、個人的には、そんなことよりもまず、健康的ではない状態に陥っているのは明らかなのでそこが心配ですし、そこが何とかならないものかな、と思っています。 何ともならないからこうなってしまったのだとも言えるわけですが、なってしまった以上はここから何とかするしかないので、何とかなるといいなあと祈っています。 この意見が一番説得力があり

          オーシャンビュー

          みんなすぐ慣れるけどそれをすぐ忘れる

          TwitterがXという名前に変更されるという発表があったとき、反対の意見が多く見受けられました。Twitterという呼び方が浸透しているし、個人的にも馴染んでいるから、Xという名前は定着しないと思うし、使いたくもない。 そんなふうに言っている人が多かったように記憶していますが、フタを開けてみれば、すっかりXという名前が定着しているし、みんなそれを使うことに抵抗がなくなったな、と思います。 こういうことが起こるたびに、だいたいみんなすぐに慣れるんだけど、すぐに慣れるという

          みんなすぐ慣れるけどそれをすぐ忘れる

          『ユリイカ』クレイジーキャッツの時代

          『ユリイカ』2024年2月号「特集=クレイジーキャッツの時代」を読みました。面白かったです。 私自身はクレージーキャッツ全盛期の1960年代には生まれてもいないわけですが、もちろん存在は知っていました。 あと、1990年頃に植木等さんのリバイバルブームのようなものがあって、小学生だった自分がなぜかそこに夢中になり、ブームのきっかけになったアルバム『スーダラ伝説』を聴いたりしていました。植木さんが1990年の紅白に出たときのことはうっすらと覚えています。 いま改めて大人に

          『ユリイカ』クレイジーキャッツの時代

          ナダルは学生お笑い出身芸人を恐れている

          コロコロチキチキペッパーズのYouTubeチャンネルの動画で「ナダルが正直ビビっている学生お笑い出身の芸人ベスト3」を発表していたのが面白かったです。 「とがっている」「かましてくる」「自分が一番おもろい感ある」「頭良すぎて何言ってるかわからん」など、学生芸人出身の芸人のどういうところにびびっているのかをナダルさんがじっくり語っていました。 ラランドのサーヤさんのまとっているオーラを『HUNTER×HUNTER』のネフェルピトーにたとえていたのはしっくりきました。 最近

          ナダルは学生お笑い出身芸人を恐れている

          世界の中心ではなく『小説すばる』でオダウエダ愛を叫ぶ

          集英社の文芸誌『小説すばる』で、好きなものに関するエッセイを依頼されたので、オダウエダについて書きました。 「偏愛体質」というコーナーで、自分の好きなものについて書くというテーマだったのですが、そう言われると何について書いたものやら、と結構悩みました。 そもそも私は、あんまり特定の人や物に思い入れがないタイプなんですよね。お笑いは好きなんですが、この人が特に好き、この番組が特に好き、みたいなのがあんまりなくて、ほとんどのものを横並びで全部好きみたいな感じがあります。お笑い

          世界の中心ではなく『小説すばる』でオダウエダ愛を叫ぶ

          ナダルはイジメとイジリの境界線を綱渡りする

          『アメトーーク!』の「ナダル・アンビリーバボー」面白かったです。芸人たちがナダルさんのおかしなところを指摘して、それに対するナダルさんの反応を楽しむ、というこの企画。はっきり言うと、いじめの構図に見えなくもない。 でも、受け手のナダルさんが終始だるそうにしていて、スカす、逆ギレする、イライラする、ウソをつく、といった名人芸を次々に繰り出すことで、いじめの構図を無効化して「そんなことよりナダルがヤバい」という方向に見る人の意識を持っていく。そこがたまらなく面白いです。 悪役

          ナダルはイジメとイジリの境界線を綱渡りする

          ばなな問題

          少し前の話ですが、関西テレビの番組のスタッフが、作家の吉本ばななさんにX上で引用の許可を求めたことが失礼だと批判されたというニュースがありました。 この件では、多くの人が「一般人にXで連絡を取るのはいいけど、吉本ばななさんにそれをやるのは失礼だろう」と思っているような感じがしたのですが、個人的にはその感覚はよくわからなかったです。「一般人」と「作家」や、「無名の人」と「有名な人」をそこまで区別するべきものなのでしょうか。 芸能事務所に所属しているタレントだったら話はわかる

          『街録ch』サブチャンネルにも出演しました

          YouTubeチャンネル『街録ch』のサブチャンネルである『街録chディレクター三谷の武道館への道』に出演しました。サムネイルがほぼ同じなので間違えやすいですが、こちらは2本目の動画です。 2回目の取材を受けることになった経緯を説明します。 先日、YouTubeチャンネル『街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜』に出演して、以下のような記事を書きました。 すると、このnoteの記事をご覧になった『街録ch』ディレクターの三谷さんから連絡が来まして「松本人志さんについてサ

          『街録ch』サブチャンネルにも出演しました

          酒の席で永野を論破したら10万円

          『酒の席で永野を論破したら10万円』を配信で見ました。最高に面白かったです。2/24まで見逃し視聴ができるので、とにかく見てほしいです。 次々に芸人が出てきて、さまざまなテーマで永野さんとディベート対決をする、というライブ。永野さんを論破できれば賞金10万円をゲットできる。 とにかく企画内容と永野さんのマッチングが最高なんですよね。永野さんの面白さが限界まで引き出される文句なしの舞台設定。 「流れ星☆たきうえさんが最近あった炎上騒動のことを語る」みたいなタイムリーな要素

          酒の席で永野を論破したら10万円

          しんいち審査員問題

          少し前に、『R-1グランプリ2024』準決勝の審査員をお見送り芸人しんいちさんが務めることに対して賛否両論の声が飛び交っていたことがありました。ZAZYさんやおいでやす小田さんもSNSで批判的な意見を述べていました。 個人的には、しんいちさんが審査員でも別にいいんじゃないかな、とは思います。当事者である芸人さんにはそれぞれの意見があるだろうけど、個人的には、しんいちさんに審査員の資格がないかというと、そんなことはないんじゃないかと思います。 しんいちさんが表向きにはふざけ

          しんいち審査員問題

          萩本欽一とドリフの視聴率戦争

          昨夜のゴールデンタイムに、日本テレビでは『欽ちゃん&香取慎吾の第99回全日本仮装大賞』が放送されました。3年ぶりに復活したこの番組に萩本欽一さんが出演。 同じ時間帯にフジテレビでは『ザ・ドリフターズ結成60周年 ドリフ大爆笑 国民が選ぶベストコント60』が放送されていました。なんと、令和の時代に、萩本欽一さんとドリフがゴールデンタイムに対峙するという珍しい状況になりました。 この2組はかつて激しい視聴率戦争を繰り広げていました。1968年にフジテレビで始まった『コント55

          萩本欽一とドリフの視聴率戦争

          『R-1グランプリ2024』決勝進出者発表

          『R-1グランプリ2024』の決勝進出者が発表されました。サツマカワRPG、ルシファー吉岡、トンツカタンお抹茶、吉住、真輝志、街裏ぴんく、どくさいスイッチ企画、kento fukaya、寺田寛明の9人でした。いくつかのトピックに分けて見どころを紹介します。 ルシファー吉岡、ベテラン常連組で唯一の返り咲き 今年は久々に芸歴制限が撤廃され、多くのベテラン芸人が参戦していました。おいでやす小田、ヒューマン中村、マツモトクラブといった複数回の決勝進出経験を持つ常連組も準決勝に挑んで

          『R-1グランプリ2024』決勝進出者発表