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アイスコーヒー派の私がホットを頼みたくなったわけ

3カ月間、週1回、仕事で
大井町(東京都)に通っていたとき

出会った素敵な喫茶店で
新たなコーヒーの楽しみ方を
教えてもらいました。


初めての訪問 少しずつ心身がゆるんでいく

仕事内容は、私にとって
チャレンジングなもので

うまくいかなくてがっかりしたり
思わぬうれしいことがあったりと
感情が激しく揺さぶられて
毎週くったくたでした。

そんな疲れた心身を癒してくれる
ゴキゲンなカフェ・喫茶店を
探し求めていたある日

駅の脇の小道で
ふと見つけた
喫茶店「P」さん。

忙しくなるのは
あまり歓迎していない感じなので
店名は一応伏せておきます。

お店のドアを開けると
いい香りと
静かなクラシックがお出迎え。

お客さんはちらほら。
全然いなくても気まずいし
混み過ぎていてもイヤだし。

すべてがちょうどいい感じ。

アイスコーヒーをこよなく愛する私は
お店でも、おうちでも
年中飲んでいます。

当然のようにアイスを注文しようと
カウンターのほうを見ると
並んでいるカップたちが
目に入ってきまして。

割とよくある風景ですが
何だかちょっと気になる顔ぶれ。

直に触れてみたくなり
ホットを頼んでみることに。

出してくれたのは、こちら。

上品で、かわいい。
客を見て選んでいるのでしょうか。
私の様子から、何を感じたのかな。

コーヒーは、お店のブレンド。
モカ系ですね。
濃すぎず、薄すぎず
ちょうどいいあんばい。

かわいいカップで
香りたつコーヒーを
ゆっくり口に含んでいると
少しずつ、心身がゆるんでいく。

お店は、年輩の女性が
ひとりでやっています。
決して愛想がいいとは
いえないのですが

お会計してもらうとき、
ちょっと声をかけてみました。
「素敵なカップですね」

すると、静かに
こう返事をしてくれました。
「気に入ってもらえましたか?」

私も静かに返します。
「はい、とっても」

媚びるでもなく
ひけらかすでもなく
過剰で余計な言葉のない会話。
これもまた、いい。

来週も来よう。

2度目の訪問 こういうのが欲しかったのか

あっという間の1週間。
先週ほどは疲れていないけれど
身体が何かを求めている。
またあのお店に行こう。

そんな私を迎えてくれたのは
こちらのカップ。

何だろう。
あざやかなんだけど
静かで落ち着く感じ。

いま、私が欲しているのは
こういうのか。

仕事は大詰め。
色と香りに包まれながら
じっくり今日を振り返って
今後のプランを練る。
やるべきことが見えてくる。

3度目の訪問 落ち着いて選んで欲しいから

翌週の仕事はお休み。
明けて次の週、自然と足が向く。

店内は満席で騒がしい。
お店の方、ちょっと不機嫌そう。

あぁ、やっぱり
のんびりやりたいのね。

お会計待ちの人がいたので
席が空きそうだったけれど
今回は遠慮しておく。

私もゆったり過ごしたいから。
そして、カップを
落ち着いて選んで欲しいから。

来週で
大井町の仕事はおしまい。
たぶん1年後まで来ないので
次は空いてるといいな。

ついに最終日 今の私にちょうどいい

仕事は、凸凹ありつつも
何とか気分よく終えることができました。

席が空いていることを願って
お店に向かいます。

期待を込めてドアを開けると
先客はひとりだけ。
あ~よかった。
今日はいい日だ。

今週はどんなカップか
楽しみに、待つ。

待つ時間も楽しい。
楽しみが増えるって
いいですね。

そして今回選ばれたのは

こうきたか。

深みがあって
でもちょっと明るくて。

大変だったけれど
終わってみれば楽しかった
仕事の余韻をゆっくり味わいつつ
これからに思いをはせる。

そんな時間を過ごすのに
ちょうどいい色あいです。

***

アイスコーヒー一辺倒だった私が
ホットを頼んでみようと思ったお店。

コーヒー時間の
新たな楽しみ方を教えてくれた
素敵なコーヒーカップたち。

また来年が楽しみです。

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