読書感想文『行動経済学が最高の学問である〜相良奈美香』

今読みたい本がココにありました!

僕の中では本と比べても断トツの良書・名著でした!!

タイトルだけを見ると漢字ばかりで少し敬遠してしまうこの本。
しかもなかなか厚い本で全365ページもある!
そして ”学問” て・・・
学生?大学院生みたいな勉強しなくちゃいけないの??

いやいや、めちゃくちゃ読みやすかった!
例えや過去の実例・実験などが各項目に散りばめれているので、イメージがつきやすかったし読み進めやすかった!

下記では僕が気になった箇所を中心に気付きや感じたことを混じえながら進めます。
あくまで読者僕なので、悪しからず…



大前提

本来の経済学は、人間は合理的に行動する生き物だという認識でさまざまな検証や研究がなされてきた。
その結果を元に施策などを整備してきたわけだが…

人間は本来、非・合理的な生き物だということを認識すべし!

言われてみると感覚ではめっちゃ理解できません?

・パチンコでこれ以上注ぎ込んでも見返りの期待が薄いのに、次座った人がもし1,000円で当たったりでもしたら悔しいから当たるまで座り続ける
・イチローならこの場面で打ってくれるだろうという期待値
(プロ野球選手でも10回に3回打てたらトッププレイヤー。イチローだって例外ではありません。人より少し打率が高いだけで通算は.322です)

ほんのすこ〜し冷静に考える時間さえあれば誰もが理解できるのに、脳は待ったしてくれない。

脳のことを理解する

まず私たちが知るべきことは、脳はどういった状況のときにどういった不合理な判断を下す可能性があるのか。
この本では大別で3つに分けてくれています。

①「認知のクセ」が人の意思決定に影響する

システム1=瞬間的な判断をするとき
システム2=熟考して判断をするとき
人間の脳はこの二つを使い分けているが、必ずしもその瞬間瞬間で下された判断が自分にとって正となるとは限らない。
冷静に考えたらまったく必要ないものをAmazonのセールだからと衝動的に買ってしまったり、、、
疲れている時や情報量が多い時というのはシステム1に判断を委ねてしまうクセがあるらしいので、要注意!

・埋没コスト=一度始めたものには、たとえ成果が出なくてもそこに使った時間・お金・労力を取り戻そうと継続してしまう不合理なバイアス

・フット イン ザ ドア=小さなお願い事からはじめよ

・身体的認知=暖かい飲み物を出してもらうとその人には暖かい印象を持つ、逆に冷たい飲み物を出されるとその人に冷たい印象を持つ。

・楽観バイアス=将来の計画に対する抽象的になってしまうバイアス
⇨めっちゃわかる!!w
この作業なら2時間くらい頑張れば余裕でしょと思って始めても、途中他  のことに気を取られたり、集中力も切れて計画の半分も終わってないみたいなのよくあるやつ!

他にもいろいろありますが、「あーこれってそういうことか!」って気付きがありました!

②「状況」が人の意思決定に影響する

実は自分が選択をしているようで、その時の状況や環境によって選択させらているという事実。。

・初頭効果=初めに得た情報がその後の選択にも強い影響を与える
・親近効果=一番最後に得た情報がその後の選択にも強い影響を与える
分かりやすいのは就職や転職面接ですね。
その日5人が面接に来たとしたら、どうしても最後に会ったあの人が印象に残ってしまうというあの感覚…

・情報オーバーロード=多すぎる情報は人を疲れさせ、意思決定の妨げになる。

・ナッジ理論=ナッジとは、、「nudge」は英語で「軽くひじ先でつつく、背中を押す」
例えば100種類のビールがあるBARで、何を頼もうかと悩んでしまうのが人間
そこで、”オススメ”や”本日のビール”などを作成して頼みやすい状況を作り出すことで人の行動を促す!
これがなかったらせっかく100種類でも「とりあえずスーパードライで」ってなりますよね…

・プライミング効果=ワインショップでBGMを流す・・・
フランスを連想させるBGM→フランスワインがよく売れる
ドイツを連想させるBGM→ドイツワインがよく売れる
無自覚に人はそれを自分で選んで買ったと認識しているようですよ。。

③「感情」が人の意思決定に影響する

・エモーション=はっきりとした感情
・アフェクト=淡い感情
人に影響を及ぼすのがアフェクト

例えばSNS、ポジティブな投稿ばかり見ていれば自分の気分もポジティブに引っ張られる。逆にネガティブな投稿ばかり見ているとネガティブに引っ張られる。アフェクトは伝染する。

人間は大抵のことを比較によって理解している。
比べてしまうことが人間のデフォルトなんです。
それによってネガティブに引っ張られてしまう場合は、悔しさをモチベーションに変えるや、比較の対象を変えることで対処することが大事。

・$20.00よりも20.00の方が売れる

・境界効果=薬パッケージデザインに枠があるか、ないか…
こんなで変わるの?!って思ったのは僕も同じw
境界を作ることによって自分自身でコントロールしているという感じが不安を持つ人には効果があるんですって!

まとめ

聞いたことがあるような用語もあれば、何それ!?みたいなものもあり、最後まで楽しんで読めた本でした!

なんで楽しく読めたのかを分析すると…

自分のことですら理解しているようで全然理解できていないことに気付く。
そこからさらに知りたいという欲求が増し増しにアドレナリンが出てくる。
少し知ったことによって、あの人のあの行動はこういう理由だなが分かって嬉しい。
もっと知りたい欲求が止まらない。

行動経済学という漢字5文字にビビらないで欲しい。
この5文字は僕たちが生きるちょっとした日常を理解するために必要な知識です。
自分の言動の全てがこれで表せられるとは思いませんが、人の脳や行動原理を知ることで、周りの人を少しでも幸せにできたりするかもしれない。
そうしたら少しずつ自分の生きる世界が幸せになり、自分も幸せに生きていくことができる。
そんなことを感じることができた本でした。
学問と語っているタイトルですが、僕はこう感じたのです。。

行動経済学はまだまだ歴史の浅い学問なので、今後さらなる研究結果や本などが世に出てくると思います。
一緒に勉強していきましょー!

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?