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さざんかさざんか咲いた道で、君と焚き火がしたい

「ねぇ、あれ山茶花じゃないの?」

君と散歩していた時、知らない人の家の庭に、山茶花の木が植わっているのを見かけた。

「さざんかさざんか咲いた道、焚き火だ焚き火だ、落葉焚き」と歌い出す君。

「ねぇ、道で落ち葉焚くのって大丈夫なのかな?」

次の歌詞が分からなくなったらしく、歌うのを早々にやめ、誤魔化すように突然そう言い出した君。

「どういうこと?」

「ほら、煙とかさ、クレーム来そうだよね」

何の話だ。

別にこれから山茶花の咲いた道で落ち葉を焚く予定なんてないだろうに。

「まぁ、いつか焚いてみたいよね、いつか」

山茶花を見ながらそう言った君は面倒くさがりなので、そのいつかはきっと来ないだろうなと思う。

「そうだね」

現実にならなくてもいい。

笑いながら答えた僕だって、さざんかさざんか咲いた道で、君と焚き火がしたい。


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