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なぜ産んだの?

母さん
命と引き換えにしてまで
なぜ
ボクを産んだの?

まだ見ぬ母さん
いつあえますか?

ボクの願いは
贅沢ですか?

母さん
ボクは生まれてすぐ
余命宣告されました
成人までは
生きられないでしょうって

なんのために
生まれたんでしょうね

母さんが
生きて暮らしたほうが
良かったのではないか
何度も考えます

母さん
ボクはとても寂しいです
母さんの手作りの
食事がしてみたいです

母さんに
娘とは気が合わないとか
娘と仲良しとか
どっちでもいいので
云われてみたいです

このまま死ぬんです
死んだら終わりでしょ?

ずっとそう思ってた
諦めてばかりでした

虐待にイジメに
疎外に
ずっと孤独で
無理解の中
命が尽きる

そう思ってた

環境のせいにして
状況のせいにして
恨み言ばかりいって

ひとのせいにしてた

どうせ死ぬじゃん
何やっても無駄
そう考えてた

檻も柵も無い
縛られても無い
なのに逃げられない

その恐怖

助けを求め
話しても
声をあげても
誰にも
気にも留められず

はたまた
聞こえても
我関せずを
きめこむオトナたち

勘違いでしょ
そんなはずない
イジメられる側に問題ある
虐待されてるんじゃないよ
躾だよ

無理解による放置
誰にも寄り添ってもらえない
恐怖は生きる意味を失う

どうせ死ぬんだから
どうでもいいか

はやく死にたい
イヤ
イジワルするひとたち
全員死ねばいい

話を聞いてくれない
オトナも
関わりたくない態度の
役人も
全部全部
無差別に死ねばいいのに

何度も考えた
何度も
生まれたことを
呪った

なぜ産んだんだろ
なんで
生まれてきちゃったんだろ

飲み物がないことも
服が無い事も
十分な医療が
受けられない事も
海外の事じゃない
ボク自身の事だった

何一つ忘れないぞ
記憶するんだ
ちゃんと見ておく

ボクを蹴った回数も
ボクを突き飛ばした日も

暴力も暴言も
家庭内における
継母のネグレクトと
虐待は
忘れることはできない

幼稚園での
仲間のイジメも
ちゃんと覚えてる

されたことは
鮮明に覚えてる

笑顔で
「あの時はごめんなさい」
何億回言われても
記憶から消去されない

恨みも嫉みも
感情は拭い去れても

記憶の中の
恐怖は繰り返し
夢にまで見る

死ぬために
生き続けるなんて
無意味だ

何度も何度も思った
学が無いから
教育を受けて無いから
それしか
わからなかった

母さん
ゾンビでもいいから
お墓から出てきてよ
どうしたらいいの?

母さんの親族が
迎え入れてくれた
あの日

残された母の部屋の
(庭先に在る蔵なのだが)

壁中の書棚から遺品の
「母の日記」や
「魔法の書」を
手にとって読み始めた

「死があるから
今を大切に生きようとする」

母の文字が
教えてくれる
何かをメモしたのか
走り書きだ

魔法の書のページ数も
隣に記されてた

その数々が
心に徐々に沁みわたり
母の広大無辺の慈悲が
ボクをいだくように
救いあげてくれた


死んだら終わりではない
死んだのち
別の世界も無い

死んでも
また
同じ境遇で産まれる

この境遇を抜け出すなら
いま
生きている今
自身で変革するしかない
逃げたら
また同じ繰り返し

無間地獄の繰り返し
それを変革するかしないか
自身で決められる

母さん

少しずつだけど
わかりかけてきた

母さんは
命のもつ
意味を大切にしたんだね

母さんは
自分の命か子供の命か
辛い選択をさせられたんだ

母さんも
怖かったね

母さんは
運命を変革したんだね
新しい人生を築いたんだね

命をかけて
自分を変革したんだね

ボクも引き継ぐよ
母さんの守った未来を

だから少し待ってて
そのうち
会えると思うんだ
その時にまた
次の未来の話をしようよ

次の未来でも
母さんの子供で生まれたい

その時は
ボクも何も病気もなくて
母さんはニコニコしてて
とてもキレイで
今度は父さんと最期まで
ずっと一緒に暮らしたいよ

どんな人にも
ボクの父さんと
母さんですって
笑顔で云いたい

大丈夫
絶対そうなる
ボクが世界を変えるから
平和な世界で
美しい地球で
いっしょに暮らす


大尊敬の母さん

母さんは凄いです
ボクが永遠と
未来永劫
母さんの凄さを
そのまま実践します
ボクの唯一無二の
人生の師匠です

「迫害は誉れ」

母さんが云う通り
正しいと妬まれる
素晴らしいと僻まれる
法理に照らせば
何も不思議はない

神様も迫害を受けた
仏様も同じ

偉人は迫害を
乗り越える

母さんの日記の通りだね

でもね
母さんごめんね
やっぱり
辛い時もある
淋しい時もある

母さん会いたいね
会ったら最初にきくよ

どうしてボクを産んだの?

















読了ありがとうございます 世界の片隅にいるキミに届くよう ボクの想いが次から次へと伝播していくこと願う 昨年のサポートは書籍と寄付に使用しています 心から感謝いたします たくさんのサポートありがとうございました