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同性愛者から見た「窮鼠はチーズの夢を見る」感想!

今日はどーしても見たくて見たくて仕方なかった
「窮鼠はチーズの夢を見る」の映画を見てきました😌✨

映画好きの私ですが、
これは見るべき映画だ‼︎っとビビッと反応しておりましたが、やはり見て良かった映画でした。

同性愛の苦しみを見事に表現してくれており、まさに私も大学時代リナに恋い焦がれて死にそうだった時、こんな感じでした。

大倉くん演じる大伴恭一はストレート。
成田凌くん演じる今ヶ瀬はゲイ。

まさに今ヶ瀬くんは当時の私じゃーーーん‼︎
ってほんと重なり合うところがありました。

ノンケ(ストレート)のモテる子を好きになるとまさにこんなかんじで沼にハマってしまいます。
どれだけ信じたくても、異性との浮気を何かにつけて疑ってしまうものです。
尚且つ、大伴恭一のような誰にでも優しくて、"寄ってくる愛の匂いを嗅ぎ回る"(作中で今ヶ瀬が恭一のことをそう表現してた)ような人間であれば、間違いなく異性にモテるし、本人もそれを受け入れて流されてしまうところがあるのならば、
終始穏やかな心でいられるわけがありません。
苦しくて苦しくて苦しくて苦しくて、
時々幸せで。

"心底好きすぎると自分の形を保っていられなくなる"

このセリフもありましたが、その通りです。

そして、セックス。
不安で仕方ないからセックスするんです。
愛に飢えてるからセックスするしかないんです。

言葉を交わす前に。
相手の本心を知る前に。
セックスだと好きな人の好きな人に勝てるって分かってるから。
同性同士のセックスは気持ちいいから。
だって、女の気持ちいいところ、男より女が分かるのは当然でしょう?
その逆も然り。

そして、"自分が気持ちよくなりたい"じゃなくて、"好きな人に気持ちよくなってもらいたい"って気持ちでセックスをするのです。

そうやって、心をこっちに向けようと、
私も当時は必死でした。

愛を求めて、愛を与える、
沼に沈むような深くて長い、長いセックスを。

リナはまさに大伴恭一のようなタイプでした。

そして私はほんと今ヶ瀬みたいな感じだったのです。

共感の嵐でございました。

そして、"世間の目"
同性の恋人がいるってことを隠したくなるのは、ストレートの人間。

元々、学生時代とかから自分がセクシャルマイノリティだと自覚している人は、
身近な人にカミングアウトすること、
また、周りにバレても全然大丈夫な人は多いです。
自分を受け入れているし、たくさん同じような人がいるって知っているから。

でも、ストレートの人って、周りにバレるのが怖いものです。

相当な覚悟がないと。
心底相手に惚れ込んで、未来を見つめる決断をしないと。

この物語では、
何度も恭一と今ヶ瀬が別れるシーンがありました。

別れては戻ってきて、別れては戻ってきて。

私も何度も本気で泣いて、本気で別れると言っては、戻るということを繰り返していたので、ひどく気持ちがわかりました。

結局2人の関係は、本気でふる行為を2回も行っているのに、よりを戻します。

そうして恭一の彼女には秘密で関係を続けるのですが、
彼女と別れて?と甘い声で頼む今ヶ瀬に対して、きっぱり「明日別れる」と答える恭一。

「一緒に暮らそう」

今ヶ瀬はひどく驚いた表情をします。
内心めちゃくちゃ嬉しいはず。

それなのに、翌朝、今ヶ瀬はそっと恭一の元を去っていったのでした。
唯一ずっとこれだけは置いておいてと頼んでいたお気に入りの灰皿までもゴミ箱に捨てられていました。

この時の今ヶ瀬の心理が痛いほど理解できました。
あぁ、私もそうするなぁ。って。

物語はここで終わった方がリアルだったのかもしれません。

その後、恭一は今ヶ瀬に言った通りに、彼女に別れを告げます。

「もう戻って来ないかもしれない。
でも、待ちたいんだ。」

ここで今ヶ瀬が戻ってこればハッピーエンドで終わるのかもしれません。
でも私は、今ヶ瀬はもう二度と戻って来ないだろうなって思いました。

私はそうしたから。

切なすぎる映画でした。


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