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木ノ戸久仁子個展『続・世界石化計画』

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人間が作ったものを未来の何かはどう見るのか?
本当にやきものは残るのか?


形あるものとして永久に残る可能性について、陶素材はとても有力です。
人間が作ったとは簡単に断定できないものが未来でどうやって処理をされるのか、考えるだけでワクワクします。
この共犯者のようなものに、もし誰かがなってくれたらその可能性はもっと広がります。

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大人になったら絶対に何かの研究をして暮らそうと思っていました。

学校から帰ると水のPHをはかったり、庭にはえてる草をすり潰して薬を作ったり、自分が入れる位の穴を掘って中に入って地層をみたりしていました。

石を好きになったのもその頃だったかと思います。
石には特に夢中になって、どれだけ眺めていても飽きませんでした。
特に色が重なっている様子や質感の違いが好きで、どうやって石ができたのかを想像して勝手に石が出来る過程を想像し、ノートに書き残して自分なりに地球が出来た様子を考えていました。

ちんぷんかんぷんでしたが、私は大真面目に何かを研究しているつもりでした。


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幼い頃の私は、その幼さゆえ社会にうまく迎合出来ず、どのように存在していれば良いのかわからなかったのだと思います。
自分なりの研究をする事で、何か確かな存在みたいなものを証明して安心していたのでしょう。
それは自分の為の研究だったんだと思います。

陶芸の技法で石を作って、今も同じ事をしています。
しかし今は自分の為だけに作ってるわけではありません。
人間の心底からの営みを、自分自身のものとして誰かに見せた時に、その気持ちを揺さぶることができるのではないかと信じて作っています。

自分が何をしているのか、だいぶ分かってきました。


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人間が、自然に存在しないものを自らの手で作り出すことは、その存在をこの世界に刻むことであり人間賛歌に他なりません。

人間が「石を作る」という行為こそが人間賛歌そのものなのです。

                      2021年9月 木ノ戸久仁子         


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~世界は石で作られる~
The world is made with stones.

白白庵 オンライン+アポイントメント企画
陶芸家・木ノ戸 久仁子 個展

『続・世界石化計画』

PAKUPAKUAN presents
Ceramic artist KINOTO Kuniko solo exhibition
A sequel to “The world petrification plan”

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【会期】
日時:2021年9月18日(土)午前11時~27日(月)午後7時
会場:白白庵オンラインショップ《PAKUPAKUAN.SHOP》内特設ページ
         白白庵(1階エントランスギャラリー&茶室)
    〒106-0072 東京都港区南青山二丁目17-14
    TEL&FAX 03-3402-3021
    www.pakupakuan.jp | info@pakupakuan.jp


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2020年2月、世界が新型コロナウィルスの猛威に包まれる前夜。
木ノ戸久仁子の記念すべき白白庵初個展は大きな反響を残して、盛況のうちに行われました。
それからわずか一ヶ月後に、白白庵はやむなく店舗営業を休止し、以後はオンラインへと発信の場を移していきます。

今なお去らないウィルスの脅威に直面しながらも、「石」に取り憑かれた作家は日々の仕事を止めることはありませんでした。
いつの世も、人々を魅了してやまない「石」を自らの手で生み出したい。
まるで錬金術のような夢を、木ノ戸久仁子は独自の研究によって実現しようと試み続けています。

地球という大きな生命体の胎動によって火山が吠え、熱いほとばしりが凝固し地表が地鳴りを立てて蠢き、砕け散ったプレートが風雨によって磨かれ
長い年月をかけて凝固した「石」。

対して、あまりにも短い一瞬の命を散らす人間が、自然という大きな存在に挑みながら全身全霊を震わせて産み落とす「稀晶石(きしょうせき)」。

人類の普遍的なロマンと祈りの対象として、新たな石の系譜がここに誕生します。


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【出展作家】Artist
木ノ戸 久仁子 KINOTO Kuniko
(陶芸家 / 滋賀県在住)
【略歴】
1976 滋賀県に生まれる
1995 登り窯窯元宗陶苑にて作陶を始める
    若手オブジェ集団「SEEDS」に参加
1998 ニュージーランドにて一年間作陶
2001 信楽窯業試験所釉薬科 修了
現在、比叡平(滋賀県)にて制作中
【受賞】
2008 「第19回秀明文化基金賞」

Ceramic artist / Resident in Shiga pref.
【Brief personal history】
1976 Born in Shiga Prefecture
1995 Started to make ceramics at Climbing Kiln Pottery Soutouen
    Joined the ceramic artist group “SEEDS”
1998 Made ceramics for 1 year in New Zealand
2001 Completed the Graze Course at Industrial Research Center of Shiga Prefecture
2011~ Established a kiln at Hieidaira, Shiga pref.
【Award】
2008 Selected, "The 19th Shumei Culture Foundation Prize"

【企画・ディレクション】Direction
石橋 圭吾 (白白庵) ISHIBASHI Keigo (PAKUPAKUAN)


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