お世話になっております。
パルシネマしんこうえんです！

今年の冬は大したことがないな！とかいっていたら恐ろしい寒波でゲンナリしております。映画館内はあったかくしておりますのでご心配なく！

さて『ロスバンド』&『エルヴィス』2本立て、朝パル/夜パルの『マーメイド・イン・パリ』それぞれ大変ご好評いただき嬉しい限り！そんな現在のプログラムも寂しいですがまもなく入れ替え、ということで次回のプログラムをご紹介しておきます！

二本立て①
目まぐるしいレストラン内での一夜攻防！
ただでさえの傑作を、ええっ！これ1カット！？
『ボイリング・ポイント 沸騰』

あらすじ：一年で最もにぎわうクリスマス前の金曜日。ロンドンにある人気高級レストランは、あまりの予約の多さとトラブルにスタッフたちは一触即発状態。そんな中、オーナーのライバルシェフが突然来店し、脅迫まがいの取引を持ちかけるが…。ロンドンの高級レストランを舞台に、オーナーシェフのスリリングなある一夜を、全編90分ワンショットで捉えた人間ドラマ。

何考えてんねん！？90分間カットなし！ワンカット映画！

いろいろな問題を抱える人気レストランの一夜を舞台に、スタッフVSスタッフ、スタッフVS客、支配人VSスタッフ、オーナーVSスタッフ…といったこの日までにゆっくり温度が上がっていた諸々が一気に沸騰する一夜、というのが物語の基本です。

そしてこの映画、ヤバいのがまさかの全編ノーカットの1発撮り！！長回しを多用しつつ、少ないシーンの切れ目もうまく加工して一発撮り風にする、という手法が近年流行りでもありますが、こちらはマジの一発撮りで…。

劇中では本当にいろんなことがおきます。それは前から綻びがあったことから、突発的な出来事まで様々。それも皆が落ち着いて一回話し合えば解決しそうなのに忙しさがそうはさせない。(そんな時ありますよね…。)そんな空気感を十二分に体感できます。マジで息継ぎさせて！アンディ壊れちゃう！

一発撮りも吹き飛ぶ、英国流「皮肉」の美学！

超絶一発撮りの今作ですが、誤解を恐れずに言うとその凄さは実はあんまり体感できないかも…？なぜならそもそもの物語がこれまた良くできている！結構たくさん登場人物もでてきますが、短いシーンながらそれぞれ見事にパンチを効かせては去っていく。そしてピリリと利かす「シニカル」。

イギリスの方に「イギリス人てどんな人」と聞くと一定数「皮肉屋」なんて答えが返ってくるそうですが、確かにイギリス産映画をみていると本当に皮肉っぽい！それはもう登場人物も、物語も。今作も例に漏れず！

言い合いの中でのほんっっとうに嫌味な表現から、ちょっとした「笑ってしまうシーン」まで本当にシニカル！　そう。この映画結構笑うところが多いんです。それも笑っていいのかわからないシーンで！

繰り返しになりますが、本当に本当にいろんな出来事が起きます。その中には結構たいへんなことが発覚したり、カミングアウトしたりと、ええ…となるシーンがちょくちょくあります。引いてしまいそうなシーンにこそこの映画はぶっ込んできます！いや笑ったけど笑ってよかったんか！でも、それもこれもみんな自分のことで手一杯目一杯だから…。

日本製「脅威のマジ1カット」松居大悟監督作『アイスと雨音』。
映画内外の様々な感情をまさに「閉じ込めた」傑作！
ん…？「松居大悟監督」？どこかで名前を…？

上映情報

タイトルや最後の顛末なんかをみると、ちょっと神話的なものを連想させたり。走り切ったラストの微笑ましいエンドロールなんもまたよかったり。確かに「企画した人どうかしてる！」レベルの超絶1発撮りが取り沙汰されやすいんですが、他にも魅力たっぷりなので、是非お見逃しなく！

12/6(火)〜9日間の上映となっております。
前半後半で微妙に時間が変わるのでお気をつけくださいね。

※二本立ての相方『わたしは最悪。』と朝/夜パル『ちょっと思い出しただけ』は、また後日お書きします！ 書いた際には、こちらにリンクをば。