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ごめんな, 友よ

おはようございます。


ここ二週間で沖縄, 名古屋, 三重と移動し、
来週は東京で用事、福島で旅行と、

一か月かけて
じんわり日本縦断していますatom.です。


今回の記事は、最近会ったある人への、

彼に宛てた手紙

にしたいと思います。


曲紹介

今回はBGMとして「旅立ちの日に」の
ピアノ演奏を聴きながらお読みください。


さて,話そうか


この前は話せてよかった。

お互い春に大学を卒業して、

僕は大学院に進学するけれど
君は就職して遠くに行く, と聞いて

どうしても最後に話したくて
1年ぶりに連絡したんだ。


昔はほとんど引きこもっていた僕が
最近では起業をして
学生団体にも入って、

沖縄だ, 名古屋だ, 東京だ, と
忙しなく動いているのを知って
結構ビックリしてたね。


小学生の頃から
僕を知っている君なら当然か。


友達は今でも少ないけど、

やっと胸を張って
僕は僕でよかったと
言えるようになったよ。


それもこれも君のおかげだって話を
最後にしたかったんだ。本当はね。

恥ずかしくなって
あんまり伝えられなかったけど。


これから書く文章でしか
15年分の感謝を伝えられない僕は
まだ大人になりきれていないのかもね。


思い出話でも


出会ったのは小学生の時だった。

もう最初に会ったときのことは
君も覚えてないだろう。


でも小学生の頃から共通点が
少なかったことだけは覚えてる。


引きこもりがちで
滅多に家を出なかった僕と、

電車が好きで、よく遠出をしては
写真を撮ってた君と。


友達が少なくて独りぼっちに
なることが多かった僕と、

コミュニケーションを上手にとって
仲の良い友人に囲まれてた君と。


高校に入学しても
勉強ばかりで殻に籠り始めた僕と、

楽しそうに過ごして
世界を広げていた君と。


心を許せる友人がいて、
良いなぁ。楽しそうだなぁって
ちょっと妬んだりもしたよ。


僕だってテスト終わりに
解けた問題を得意げに解説するより、

解けなかった問題に文句を言いながら
友達と盛り上がる方が好きだった。


でも勉強しないと自分には価値が無いって
自分の首を絞めてたから、

段々とそれが出来なくなった。
ほんとうは苦しかった。


こんな話をすることは無かったし、
君は気付いてなかったとも思うんだ。

僕は素直に, 君に頼ることが出来なかった。


首をかしげる


でも君は昨日、悩みを話してくれた。


就職先が嫌なわけでは無い。

でも本当にやりたかったことと
どこか離れている気がする。

薄々やりたいことに気付いていながらも
打席に立たなかったことを後悔している, と。


最近になって、
心からやりたいことを見つけた僕と、

就職が迫ってやりたいことを見失った君と。


昔とは立場が入れ替わったように
僕は感じてたよ。

それがちょっと寂しかった。


でも僕は、立ち止まって
手を差し伸べることはしないよ。

ああだこうだと干渉せずに、
自分に出来る最大限の準備だけして
ちょっと先で待ってる。


昔の僕は、君が我が道を歩く背中を
後ろからずっと見てた。

黙って背中を見せてくれたから、
今、やっと自分の道を歩けるように
なった気がしてる。



だから今度は僕が歩く番だ。


どうせ君は立ち上がるだろう。

そんな気がしてる。
15年の付き合いだから分かってる。


なんだかんだで居場所を見つけて
思ってたより楽しかったわ, って

きっとそう言うんだ。


あるいはスパッと転職でもして、
楽しく生きられる道を拓くのかもね。

うん、きっとそうだと思う。


すごい奴だ


話は変わるけどさ、

人間の器は移動距離で決まる

という理解されない信念を、
僕は持ってる。


他者の苦痛を理解できるのは、
同じように苦しい経験を
積んだ人だけだと思っていて、

自分も精神的に弱いから
余計にそんな気がしてる。


失敗や苦しみの経験をするには
安心して過ごせる場所から
ずっと遠くへ離れる必要があって、


それには不安や孤独が付きまとうから
なかなか出来る人はいなくて。


だからこそ移動距離を稼いでいる人は
人間的に大きく見えるような気がしてる。


だから、君は最強だよ。

自分の気持ちや好奇心に従って
いっぱい動いて、
いっぱい失敗してきただろう。


君はきっと弱い人の気持ちが
分かる人間だと思う。

弱い僕が言うんだから間違いない。


人間的な太さを
小さなころからずっと感じてるし、

今まで会ったどんな大人と比べても
負けてないくらい強く見えるよ。



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この前、会った別れ際に、
君はこう言ってくれた。

お前、やっぱり面白い, って


本当にそう思ってくれているなら、
その "面白い奴" が言う言葉も
信じてほしい。

お前の方が面白いよ。
だからきっと大丈夫だよ。


もうすぐ君は就職して
遠くへ行くだろう。

仕事も忙しいだろうし、
君の人生だから
僕は余計な干渉もしないよ。


一旦はここでお別れだね。


でも忘れないでほしい。

こんな文章を君に向けて書く
変わった友達がいるってことを。


僕は僕で頑張るよ。

やりたいことをやって
沢山力を付けてきたつもりだったけど

まだ友達ひとり救えない弱い奴だから。


だから…もう行かなくちゃ。

弱さを嘆いて立ち止まっても
誰も救えないままだから。


ごめんな, 友よ。
俺はもう行くよ。

僕も立ち止まってしまう日が来たら
その時はまた呑みにでも行こう。

atom. 



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