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食は感謝のかたまり

私たちが普段感じている当たり前、
それって全然当たり前じゃないよね。

先週末、私は勉強していた試験をを受験しに車を走らせていた。
何通りかの行き方があったけど私はあまり遠出をする人間ではないし、
田舎が大好きゆえに分かりやすい、まったり田舎道コースを行くことにした。

会場に向かう途中、ぶどう畑の間を走った。
冬だから当然実など1つもない、ただの木が道路を挟んで左右にズラーッと視界のほぼ全域に広がっていた。

そのたくさんの木を見た時私ははっとした。
この広大なぶどうの木をどれだけの人達が手を加え、
天候を気にしながら大切に育て、虫や野鳥からも守り、厳選し、私たち消費者へ届くのだろうか?
台風などが来たらこんな小さな細い木に成るぶどうの実たちはひとたまりもないだろう。
スーパーで私たちは「今年は○○が高い」とか簡単に口に出してしまうけれど、
当たり前に手に入るということはとても幸せなことで、この人たちの苦労がなければいくら大金を積もうとも手に入れることすらできないのだ。

むずむずした思いを噛み締めながら試験に臨み、
帰りにお腹が空きすぎた私は地元のチェーン店のうどん屋さんへ入った。

お昼時を過ぎているのに大賑わい。
妊娠中の私はまだつわりが微妙に残っている。
温かいものは食べられなさそうだったので、とろろと温玉が乗った冷たいうどんを注文した。
レジに並んでいるとイカ天とタケノコ天が目にとまり、天ぷら用の皿に乗せていった。

お金を払い、1人用の席に座り、待ちに待った食事の時間。
1口食べた私は思わず「わぁ、」と声を出してしまった。

美味しい、本当に美味しい。
コシのあるうどんは喉越しがツルツルと気持ちよくどんどん口に運ばれ、
うどんつゆもとろろと卵が合わさったお陰でしょっぱすぎず、最後に一気に飲み干してしまった。
そして何より、天ぷらの美味しいこと。
揚げたてのサクサクの衣は歯を入れる度にサクッといい音を立て、思わずにんまり。
天つゆにはつけずに、そのままを味わった。

最近はつわりの関係で「食べられるもの、とそうでないもの」としか食を分けられず、
「食事を楽しむ」からは程遠い生活をしていた。今回も「うどんだったら食べられそう」という理由でうどん屋を選んだだけだったのだ。

なのに夢中で食べてる自分がいる。
久々に「食べられるもの」ではなく「美味しい」を感じてつわりの終わりが近いことを感じた。
食べ物を美味しく食べれるってなんて幸せなんだろう、半泣きでうどんをすすっていた。

食べ終わり家に帰る最中、
「もっと味わって食べればよかった」
とプチ後悔。
食べ物を美味しく食べれただけで帰り道はずっとご機嫌で、その日の中で1番幸せな時間だった。

もっと食事を楽しむことを意識したい。
そのためには心身の健康も必要不可欠、
健康は食事から作られるというけれど、
食事を楽しむためには健康でなければならない。
自分を大事にしようと改めて感じた1日だった。
そして食に関わる全ての方々に感謝をしていきたい。

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