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小さなスナック

L字のカウンターだけの店だから扉を開けた途端、常連が揃ってこちらを一瞥…という店もある。

その「圧」は生半じゃない。
ここはお店なんだけど。

でも居心地はいいからそうなるんだろうな。スタバじゃこうはならない。ありえない。チェーン店の居酒屋でもそう。システム上、ありえない。

そう。

あたたかい「ゆりかご」のようなコミュニティほど、外から見れば、高い壁に覆われているものだ。

それも見えない「壁」。
だから厄介だ。
内側にいる人は気が付かない。ただ新参者だけが感じる

「壁」

しかも、誰かが意識して造ったものではない。
気がついたら「あった」という類のものだ。

人の「集まり」をつくろうとすると、サークルでもグループでも同じようなことが起こる。「うちは風通しがいいのよ」なんていうところでも、リーダーがはっきりしてところは「壁」ができやすい。

こういう「壁」は会社にもできることがある。
なんだろうね。「人の集まり」と仲がいい。少人数にできやすい。

常連さんは店にとってありがたい、安定的な収入源だ。でも、ある瞬間から新規のお客さんを拒む壁になる。

難しい。

人を集めようと思っている人にとって、永遠の課題でもある。

それに、まだ「正解」を持っている人はほとんどいないのかな。

ただ

結局は「人」だって気もする。そういう才能を持っている人はいると思う。でも、まだノウハウに仕立てられてはいないから、絶対のカリスマを持つ宗教法人も、その人が亡くなるとバラバラになっていくのだろう。

小さなスナックだってそうだよ。ママさん亡き後、常連さんを引き継げる人はほとんどいない。お店という「空間」は引き継げてもね。

壁も、また新しい壁ができるまでは無くなっちゃうんだ。

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