papa grayhair

美術館より街場の生活文化。音響の整ったホールより街かどで奏でられるバイオリンの音色。多…

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美術館より街場の生活文化。音響の整ったホールより街かどで奏でられるバイオリンの音色。多様な人々が行き交い様々な出会い、人々の暮らしが共振して街になる。大学は芸術学(観衆論)、大学院は公共政策学(創造都市)

マガジン

  • 創作

    短編小説/ショートストーリー/ショートショート なんて呼びましょう。

  • 読書と

    最近の読書。あらためて、また読んでみた読書。思い出した読書。

  • 世相

    時計の針が進む、そのスピード。20年前にはIPhineはなかった。つまり、この20年はただの20年じゃなかったんだ。どの世代だって、今に合わせて、自分の認識をアップデイトできているだろうか。

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    アートって何だ。デザインって何だ。ときどき音楽。考える。

  • 映画やドラマ 少し音楽

    素敵な作品たちと出会ってきた。そんな作品たちとの問わず語り。

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小さなスナック

L字のカウンターだけの店だから扉を開けた途端、常連が揃ってこちらを一瞥…という店もある。 その「圧」は生半じゃない。 ここはお店なんだけど。 でも居心地はいいからそうなるんだろうな。スタバじゃこうはならない。ありえない。チェーン店の居酒屋でもそう。システム上、ありえない。 そう。 あたたかい「ゆりかご」のようなコミュニティほど、外から見れば、高い壁に覆われているものだ。 それも見えない「壁」。 だから厄介だ。 内側にいる人は気が付かない。ただ新参者だけが感じる 「

    • ここに喫茶はあるか

      • 東京クレオール

        クレオールっていうのは、植民地で生まれたヨーロッパ人だったり、フランスでは逆に植民地の現地人でフランスの市民権を獲得した人のことをそういうこともある。いずれにせよ、その地に「生粋の人ではない」という意味だ。 うちの奥さんのご両親はともに宮城県ご出身だが、うちの奥さんが生まれ育ったのはヨコハマ郊外の住宅地。宮城県の人でもなければヨコハマの人でもないという、彼女はmなんだかクレオールな状態にある。 (ちなみに、うちの奥さんの味付けは関東以北な感じだけど、そのことも、ルイジアナ

        • スタバ、ドトールで提供されるのは「座席」までだ。お店との語らいはない。つまり「喫茶」の提供はない。店内を見回してみるといい、それぞれの「孤独」が塊になっているだけだ。

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        小さなスナック

        • ここに喫茶はあるか

        • 東京クレオール

        • スタバ、ドトールで提供されるのは「座席」までだ。お店との語らいはない。つまり「喫茶」の提供はない。店内を見回してみるといい、それぞれの「孤独」が塊になっているだけだ。

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        記事

          ノンマルト

          「ウルトラセブン」。その第42話に名作「ノンマルトの使者」がある。 ノンマルトとは、僕ら人類の誕生以前に隆盛を極めた「前・地球人」。彼らは、僕ら人類の祖先に追われて今は深海にひっそりと暮らしている。 ところが人類は、その深海をも開発しようとして彼らと衝突する。もう、人類は「前・地球人」を深海に追いやった経緯をすっかり忘れてしまっていて、ノンマルトは、ただの異星人。開発を邪魔だてする悪者。しかしM78星雲からやってきたウルトラセブンは、その「過去」を察し始め、ノンマルトを殲

          ノンマルト

          「商品」を買いたいだけなら「通販」でいいのかもしれないけれど、そのお店で過ごす「時間」については「通販」不可能なんだ。

          「商品」を買いたいだけなら「通販」でいいのかもしれないけれど、そのお店で過ごす「時間」については「通販」不可能なんだ。

          GWも終わり

          GWも終わり

          これ 自由が丘だな

          これ 自由が丘だな

          「カタカタ」

          福助湯を出ると、隣の日の出パンでコロッケパンを二つ買う。おじちゃんは、二つ買ったコロッケパンの一つにだけ包丁を入れてくれる。タケシが一つと半分を食べる。 おじちゃんの店では懐かしい瓶牛乳が飲める。 店先のベンチでハムカツパンをアテに、その牛乳を飲む。僕たちの夏の醍醐味だ。ここから我が家までは一直線に坂道。だらだらとした、でも長い坂。左手には電車の高架橋。街灯もまばらで薄暗く、それ故か人通りは少ない。二人には好都合な道だ。 ゆっくりと登ってく。 タケシはタオルを首に回して

          「カタカタ」

          じゃあインドなんか来なけりゃいい

          森まゆみさんの著作「用事のない旅」(産業編集センター・わたしの旅ブックス/2019年)からの一節。森さんのインド旅行からの雑感が綴られたところから。 この手のじれったさの経験、外国での経験ではないけれど、僕にも何度かある。学生さんを相手にしたワークショップとか。僕の場合、女子も男子もなかったけれど。 知らないことも多すぎる。社会学の専攻で「アイドル論」で卒論を書くといっていた学生が、小泉今日子さんが80年代はアイドルだったことを知らなかったり。ヨコハマの馬車道の「ガス灯」

          じゃあインドなんか来なけりゃいい

          少女がいない

          この本が実際にベストセラーとなった頃には、たかがタレント本と見向きもしなかった記憶がある。山口百恵さんの自伝本。1980年9月の初版。文庫化されてからでさえ、もう40年近くたっている本だ。僕が、この本を読んだのもしばらくたってからのことだ。 不可思議な読後感がある本だ。 たぶん編集を担当された方が手を入れていらっしゃるんだとは思。でも、この本、いわゆるゴースト・ライターの手に拠るものだとは思えない。妙に細部がリアルだ。だからといって、ホントにこれ、20歳そこそこの女の子が

          少女がいない

          職人気質

          蕎麦をたぐる。改めてそういう季節かな。 「せいろ」が似合う季節になってきた。 丘の上に二軒の蕎麦屋さん。 そのうちの一軒。 テーブル席が3つ、小上がり席が2つ。小さなお店です。すぐいっぱいになってしまうので、だいたい開店にあわせて行く。 この近くにある、もう一軒の蕎麦屋さんの方が美味しいという人もいる。曰く。この店は練りわさびではないと。でも、僕は、申し訳ないけれど、その蕎麦は、本を読んで打った蕎麦だなというのが感想。奥さんは、もっと直感的に、ただ残念な顔をする。 確

          江戸時代というLegacy

          「江戸は,特に後期になると、かなり近代社会の実質を持っていたといえると思う。だとすれば、明治国家は近代市民社会ができている上に国家をつくったということになるので成功する条件に恵まれていた事になる。これは結論を先取りすることになるが、今の日本で起きている事は,近代社会の遺産、つまり江戸の重要な遺産をほとんど全部食いつぶしてしまったことに拠るものではないかと思う。」 この文章は、もう40年近くも前のことになるが、大蔵省(当時)の財政金融研究所に設置されていた21世紀の経済・社会

          江戸時代というLegacy

          コミュニケーション

          僕は、「言ってくれなきゃ解らないじゃない」などといわれると「言わなきゃ解んない人には、言っても解らないから、言わない」と言って、友人などからウケをとる。 でも、これ、スケッチとしては、案外、正確なんじゃないかと思っている。 人間関係において、わが国は永く「お互いに察し合う」文化でやってきた。だから「言葉にされたら終わり」みたいな文化があって、正確に「察する」能力が求められた。 だから、相手に、言葉での明確な回答を求めて尋ねてもダメ。今は、そういうコミュニケーションのあり方

          コミュニケーション