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netenにおける実験活動 Vol.1

執筆:ラボラトリオ研究員 鴨 奢摩他(かものしゃまた)

本誌記事『意識をはかる』にも紹介されているように、neten株式会社では、ロゴストロン製品が人に対してどのような効果を及ぼすのかを検証するために、きむら博士に実験の実施をお願いし、調査を続けています。

記事にありますように、一番最初は、Nigiというロゴストロン製品を使って実験をおこない、計算能力の向上や、副交感神経優位のリラックス度合いが高まる傾向があるという調査結果になりました。

この実験を皮切りに、昨年には、ロゴストロン技術を使った実験的装置であるピラミッド装置と、BETTENというタブレット型のモデルを用いて、3週もしくは6週連続で体験してもらいながら、以下の状態がどのように変わるのかを調査しました。

(1)睡眠の質
(2)心理状態

(3)自律神経状態

そこで使われたツールと機械は、以下のようなものでした。


(1)睡眠の質をみる

ピッツバーグ睡眠質問票という国際的に研究者に最も多く利用されている
 調査票を使って実験前後の睡眠の質について評価しました。
ちなみにこちらのサイトにてオンラインで回答を入力して自己診断もできるようです。


質問票


(2)心理状態

気分・感情調査票 POMS2(Profile of Mood States 2nd ed.)を使用し、実験前後の気分・感情について評価しました。この調査票では、
【怒り-敵意】【混乱-当惑】【抑うつ-落ち込み】【疲労-無気力】
【緊張-不安】【活気-活力】【友好】の7つの尺度

と、ネガティブな気分状態を総合的に表す「TMD得点」というものから気分状態を評価します。

ペーパー

POMS2 日本語版 Profile of Mood States 2nd Edition
 


(3)自律神経状態
バイタルモニターVM500(簡易疲労・ストレス測定システム)を使って心拍 
 変動(心拍の1拍1拍の変化)を心電波、脈波の2つのデータから採取し解析を行う測定器のデータより自律神経の状態を評価しました。 

プロセス


VM500 の測定項目は以下の項目でデータは専用サーバーに保存されます。
・心拍数 (AVGHR, MINI, MAX)
・RR値(心拍間隔 心電図の鋭いピークであるR波の発生と一つ前のR波の発生の間隔)
・副交感神経値 (HF)
・交感神経値 (LF)
・自律神経バランス (L/H)
・自律神経活動量 (CCVTP)
・自律神経年齢 (A-AGE)
・総合判定

数値


個別の実験結果レポートのサンプルは、以下のようなフォーマットになります。

サンプル1

サンプル2


■睡眠の質

ピッツバーグ睡眠質問票回答から得点を割り出し、時系列でスコアをグラフ
 化します。

睡眠のポイント


■自律神経年齢

心電図測定による自律神経年齢分析は2000人(20~70歳)の健常者の心電図データを基に理化学研究所、大阪市立大学の研究グループにより開発されたアルゴリズムにより算出されます。

グラフ

■ストレス指数

副交感神経活動値と交感神経活動値の比を基本に算出される指数で、値が大きいほどストレスが大きくなります。
以下のグラフでみると、実験前後の比較で、1を基準値として、実験後のストレス指数が1より小さければストレスが軽減されていることになります。

ストレス指数


■自律神経活動指数
自律神経の活動量をあらわします。一般的に、健常者で若い方は数値が高
 く表示され、加齢によって徐々に低くなります。また、この数値は健康な
 方は高く、疲労・ストレスを抱える方は低くなります。

上記のグラフでみると、実験前後の比較で、自律神経活動指数が1より大き 
 
 ければ機能向上ということになります。


■総合判定(自律神経のバランス)
心電図データの結果から自律神経の状態が以下の1~16のカテゴリー領域に分けられます。横軸は自律神経バランスで縦軸は自律神経機能活性を反映しています。横軸、「自律神経バランス」は、14、10、6、2 のレンジが良好と判定され、それよりも低い、あるいは高い状態はバランスが乱れた状態と判定されます。
縦軸、「自律神経機能偏差判定」は高いほど活性状態にあり良好と判定されますで。したがって、14が最も良い状態で、次いで 10が良好な状態と判定されます。逆に、4、3 および 1 は改善が最も必要とされる状態のカテゴリーとなります。

方形


これらのツール類を使った実験データを集計し、解析した結果については、次回の記事にてお伝えしたいと思います。

(つづく)

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【鴨 奢摩他(かものしゃまた)プロフィール】

「方丈記」が好きなことと「止観」をあらわす「奢摩他(シャマタ/サマタ) 毘鉢舍那(ヴィパシャナ)」から自戒の意味を込めて「 鴨 奢摩他」と名乗る。
専門は、EMC(Electro-Magnetic Compatibility / 電磁波両立性)試験、品質法規全般。


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