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生活、さてはめちゃくちゃむずかしいな!?!?

婚活。
就活。
保活。
終活。

なんとかのための活動。

生きるための活動。

生活。

寝る、起きる、食べる、出す、清潔にする、病気にならないように、怪我をしないように今日を終わらせる。

子供と暮らすとその当たり前のことがめちゃくちゃむずかしいなとしみじみ思う。

何かを怠けるとちゃんと病気になる。心身を健全に保つには、生活に手を抜かないことが何よりも大切だと、子育て10年目にしてやっとわかりだしてきた。

この巨大な梅、和歌山の梅農家から直接購入してるのだけど、塩分が20ー25%くらいある白漬け状態で仕入れて、24時間お湯につけて、そのあと天日干し。好みの塩分になったら今度はシソで漬ける。

スーパーで買えない自分だけの梅干しをつくる。時間と引き換えに私が手に入れるのは、「ちゃんと生活してる感」だ。

それは私の機嫌をよくして、自己肯定感が1あがる。

梅だけじゃなくて、野菜全般も農家さんから直接購入する。
1回6キロという単位で農家さんにお願いすると、季節の野菜がランダムで送られてくる。いたまないように保存して、順番に料理して10日で食べきる。

ひとつもいたまず、きちんとたべきって、また自己肯定感1アップ。

むかしばなしをする。

夜通し泣き続ける子供をあやしていたら朝がきて、一睡もできないまま会社に行って、職場と保育所に(時にはわが子に)謝りながら帰ってきて、洗たく、掃除、離乳食、お風呂、トイレトレーニングに連絡帳。持ち帰ってきた仕事の山。喘息の投薬、保護者会。片づけたと思っていた台所で、子供が牛乳を1リットルさかさまにしている。なにかが気に入らないと泣いている。

もっと資格をとりたい。英語もできるようになりたい。同期に出世レースで負けたくない。司法試験に受かりたい。論文を書きたい。新しい法案を通読したい。認められたい。女だからってなめられたくない。劣化したっていわれたくない。産前の体型に戻したい。お願いだから早く寝て。私に時間をちょうだい。

当時一緒に暮らしていた夫は「でもみんなやってることでしょ?」と言った。「ちゃんとした飯食べさせないと、子供がかわいそうだよ」。
ノイローゼになりながら一汁三菜の暮らし。破綻前夜の唐揚げの味を一生わすれない。

むかしばなし、ここまで。

料理は苦痛だ。いまだって、野菜を切っていると、嫌なことばかり思い出す。出汁のにおいが部屋に充満してくると、耳の奥で乳児の泣き声が聞こえる。それを全部全部ひとつの鍋に押し込んで、ぐつぐつ煮沸していく。つくって、食べて、なくなる。そのくりかえし。

料理がテーブルに並ぶと、「どうだ」と思う。私にもできたぞ、と。最初からできるわけじゃない、すこしずつできるようになっていくだけだ。いろんなところで迷惑をかけたり、気をつかったりつかわれたりして、途方もない機会損失があって、でもそれを仕方ないと諦められるようになって、やっとワーキングマザーであり続けられる。

あきらめざるを得なかった何かのために、生活をちゃんとして、自分の機嫌をとる。


さてこのように、「育児と食事」系の話題になると必ずどこかからあらわれて以下のようなことを囁いていく妖怪がいる。

・子供がかわいそう
・インスタントものを食べさせるなんて
・ファーストフードなんて信じられない
・野菜足りてる?
・ちゃんと果物食べさせてる?
・肉や魚もたべさせたほうがいいんじゃない?
・彩りが足りないんじゃない?
・手作りじゃないと愛情が伝わらない

生活の事業主体と受益者は私であって、世間ではないはずなのに、私はこの妖怪の呪いをひとつひとつ真に受けて、いちいち落ち込んだり満足したりしています。

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