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この国は後ろ盾とコネがすべて!韓国映画【インサイダーズ/内部者たち】

イ・ビョンホンってキャリアが長くてずっとスターなので、時代ごとに評価が分かれたりすると思うんですが、2010年代以降の映画出演に関して言えば、まずハズレなしと言っていいんじゃないんでしょうか。
作品選びが上手いし(チームで熟考してる?)、役の幅が広くて善人も極悪人もやるし、何より演技が上手い!

今回は権力者に代わって悪事を行うチンピラで、子悪党というか小者なんだけど、大スターが演じるには難しそうな役もそつなくこなしてしまうのがスゴイ。この映画、韓国ではR指定作品として歴代最高の動員数を記録したそうです。2015年公開作品(日本は2016年)。

あらすじはこんな感じです。
財閥系の自動車会社であるミレ自動車のオ会長(キム・ホンパ)は大統領選挙を控えるチャン・ピル議員(イ・ギョンヨン)に裏金を流し、政界を牛耳ろうとしていた。その関係を裏で取り仕切るのは、新聞社祖国日報の主幹であるイ・ガンヒ(ペク・ユンシク)。ガンヒの元で悪事を代行するチンピラ、アン・サング(イ・ビョンホン)は裏金の証拠となるファイルを入手し議員を脅そうとするが失敗し、腕を切り落とされてしまう。一方、裏金の証拠を追っていた検事のウ・ジャンフン(チョ・スンウ)は証拠のファイルをサングに横取りされてしまい、自身も左遷される。サングがファイルのコピーを持っていることを確信するジャンフンはサングに復讐を持ちかけ、財界・政界・メディアを取り巻く大スキャンダルを暴こうとする。(Wikipediaより引用しました)

財閥、マスコミ、政治のトップの人間が権力を盾にやりたい放題やっていて、マスコミのトップ、イ・ガンヒ(ペク・ユンシク)の小間使いだったアン・サング(イ・ビョンホン)は、財閥と政治の悪い奴をゆすろうとするも失敗。一方、元警察官の検事、ウ・ジャンフン(チョ・スンウ)は、正攻法で彼らの不正を暴こうとするも、こちらもなかなかうまくいかず…。

韓国映画ばっかり観ていると、韓国の権力者はほんと極悪人しかいないんじゃないかって錯覚してしまいます。特に今回の奴らは本当にヒドイ。性接待のシーンが出てくるんですが、役者さん達、よくこの仕事受けたなって思うほど悪趣味で、嫌悪感が半端ないのです。こんな奴らに国を牛耳らせてはいけない!って心底思ってしまいます。

イビョンホンは返り討ちにあって片腕を切り落とされるし、チョ・スンウ演じる検事は左遷させられるし、権力を牛耳っている奴らは結託していて、どうやっても牙城を崩すことなんてできそうもない…。チョ・スンウの上司が言った「この国は後ろ盾とコネがすべて」という言葉が胸に刺さります。

何の後ろ盾のない人間が、この腐った社会にメスを入れることができるのか…。彼らの綱渡り状態に終始ヒヤヒヤし、絶体絶命でも果敢に挑む姿に心底「がんばれー」とエールを送りながらも最後の最後で意表を突かれて…。サスペンスとしてかなり楽しめる作品だと思います。

極私的スキ度 ★★★★★★★(7)


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