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短歌読もうぜ

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好きな歌集や短歌を挙げて、なんで好きなのかって理由をつらつらと述べていきます 評というほど高尚じゃないけど、感想よりも一歩前へいきたい
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【お風呂で短歌読もうぜ #1】「イマジナシオン」(toron*)、「オールアラウンドユー」(木下龍也)、「渡辺のわたし」(斉藤斎藤)

【お風呂で短歌読もうぜ #1】「イマジナシオン」(toron*)、「オールアラウンドユー」(木下龍也)、「渡辺のわたし」(斉藤斎藤)

 ふと思い立って、お風呂で歌集を読んでみた。

 ぬるめのお湯に半身を浸しながら、ぼんやりした湯気と読む短歌は、いつも以上にひとつひとつの歌が沁みてくる。ぶっちゃけ、歌集ってどこでどんな心持ちで読めばいいのかいまいちわからないままだったから、自分にとっての最適解を見つけた気がする。

 ページをめくる音、ふせんを剥がす音、好きな歌のそばに貼りつける音、静かな浴室に響いて、ASMRみたいだと思う。あ

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御糸さち「ふらわーぽっとと」を読む

御糸さち「ふらわーぽっとと」を読む

 さちさんの短歌は、生活を切り取った短歌である。決して難しくなく、平易な言葉で切り取るのが上手い。その目線は鋭く、なのにユーモアたっぷりであるから、説教くさくなく読み手の心に残る。今回いただいた歌集「ふらわーぽっとと」は、詠まれた時期がここ数年という最近の時期であることから、時世を詠んだものも多く収録されているが、生活者として、女性として、また母としての日常が、さちさんの解釈でリアルに記されている

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塩谷風月「月は見ている」を読む

塩谷風月「月は見ている」を読む

 塩谷風月さんに初めてお会いしたのは、千原こはぎさん主催の歌会「鳥歌会」でのことだった。リアルな場で人の短歌を評すこと・自分の短歌を評されることは初めてだったんだけど、それまでTwitterで壁打ちのようにやってたのとは違って、「短歌を読む」ことの世界が広がった気がした。歌会初参加の人が多かった中で、塩谷さんは結社に所属され、歌会の雰囲気に慣れておられた印象だった。評の言葉遣いも洗練されていて、歌

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柴田葵「母の愛、僕のラブ」を読む

柴田葵「母の愛、僕のラブ」を読む

 タイトルが強烈で、一度聞いたら二度と忘れない。「母の愛」はものすごい正しさを秘めていて、それに対する「僕」はきっと同じ愛を持たない。「僕」が抱くのは「ラブ」、それは「母の愛」ほど正しくも美しくもないかもしれないけど、「僕」になくてはならないもの。そんな主体の決意めいたものを、このタイトルから感じた。

恋人はふたりで勝てばいいと言う プリキュア我らはきっとプリキュア
 連作「ぺらぺらなおでん」よ

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