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考えるべきこと、考えても仕方ないこと

半年の間の抗がん剤治療も、11月の頭にひとまず終わった。
先週は、MRI、エコー、それから心臓や肺機能の検査(これまでの化学療法の副作用の影響を調べるため)を受け、11/22に結果を聞いてきた。
元は2.8cmあった乳がんは、MRIの画像上はほぼ分からない状態とのこと。小さくなってくれていた。ひとまずはグッドニュース!(とはいえ、切ってみないと完全奏功なのかどうかはまだ分からない)
心配していた心臓や肺への影響についても問題はないとのことで、ほっとした。乳がんの治療がひと段落したら、ジョギングでもなんでもスポーツして問題ないと言ってもらえた。(肺活量も知りたかったけれど、教えてもらえなかった)

治療の山場である手術は、もう12/4と決まっている。
さて、手術はどうするか。
先生は、「私は部分摘出でいいと思っているが」とおっしゃるが、全摘した方がいいのじゃないかと思っている自分がいる。
もともとこの日は検査結果だけを聞いて、翌週に手術の希望を伝えることにして、検査日程も一週間前倒しで済ませてきていたが、やはり先生は覚えていない様子で「どうしますか?」と聞いてきた。外来患者は本当に多いだろうから仕方ない。
なんとなく雰囲気が今一つになってしまったが、「すみません」と、一週間時間を貰って帰ってきた。最後のギリギリまで思い切りの悪い自分だなと思う。

手術について確認できたことは概ね以下のとおり。

  • 部分摘出であっても全摘であっても、生存率は変わらない。

  • 生存率は変わらないが、部分摘出の場合は、同じ乳房内での再発のリスクがある(10年間で5-10%)。また、新しく別の乳がんが発生するリスクがある(乳がん罹患者は乳がんを発症するリスクが未罹患者よりも高い)。

  • 部分摘出の場合の入院は3日程度、全摘の場合は10日程度で、身体の負担は当然ながら部分摘出の方が少ない。

  • 部分摘出の場合は、手術後に放射線治療(20回)が必要となる。

  • 部分摘出であっても全摘であっても、手術後の身体の運動能力などに違いが出る心配はあまりしなくてよい。(心配が必要となる場合は、いずれの方式であってもリンパ節を切除した場合)

運動能力の違いを気にする必要がないと確認できたことは大きかった。
放射線治療も、できれば受けたくない。
これからの人生でジョギングや登山ができなくなってしまうとしたらきっと辛いと思うだろうが、胸がなくなったとしても、以前と同じような生活が続けられるのだとしたら、再発や新たながんの発症のリスクがない方が安心して過ごせる気がする。少なくとも、右の胸については、また治療をしなくてはならなくなることや、その時間を取られてしまうことなどを考えなくてもよい。
手術の後の10日間の時間とリハビリを頑張ればいいだけだ(のはずだ)。

周りにはこの辺りのことを相談できる人は残念ながらおらず、嬉しい意味での “賛同” を得られないことでちょっと不安になるけれど、ただ自分の身体のことを自分で決めるだけのこと。最後にちょっとだけじっくり考えて、思い切りよく決めてしまえ。

◇ ◇ ◇

来週は麻酔科の医師との面談がある。
面談に向けて一読しておいてくださいと渡された資料を、家に帰って読んでみた。
手術そのものよりも全身麻酔にビビっていた自分だったが、資料には気管挿管をすると書いてある。しかも、抜管は麻酔が覚めた後、意識を確認してかららしい!
つまり、目が覚めた時は、まだ口の中に管があり声が出せない、という状態らしい。はっきり言って、恐怖しかない。

父も入院の時に散々気管挿管されているし、医療ドラマでも気管挿管のシーンは何度も見ているが、いざ自分の身にやられるとなるとなぜにこんなにも拒絶感しかないのだろう。人というのはつくづく身勝手なものだと思う。
超絶ビビっていて逃げ出したい気分だけれど、これについてはもう考えても仕方がない。
ここまで来たら、もうまな板の上のなんとやら・・・なのだろう。煮るなり焼くなり、ではなく、眠らすなり切るなり、どーんとやっちゃってください、と思うしかない。

手術まであと二週間、頑張るぞ。

◇ ◇ ◇

病院から渡されて、化学療法を始めてから付け始めた「治療日記」も、ちょうど最後のページを迎えた。半年分の冊子になっていて、最後の日づけは “day 175” 。
手術後のキートルーダからは、また新しい冊子でスタートになる。

スタートは5/31。病院をバックにおじいさんが孫と遊んでいる表紙のイラストが楽しくなくて、イラストが隠れるように、ちょっと楽しい気持ちになれそうなシールを貼って使っていた。
最後のページは、“day 175”。我ながらお疲れ様でした。
看護師の皆さん、薬剤師の皆さんも、ありがとうございました。


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