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考えたこと、読んだこと

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  • エッセイ的随筆

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エントリーシートから

「心に残る新しい価値の創造」私の夢だ。 マックでエントリーシートを書いている女の人がいたので、覗き見したらそう書いてあった。 けれど(彼女含め)この地上の誰ひとり、それが彼女の本当の夢だなんて思わないだろう。エントリーシートの目的は、文字通り“エントリー”する“ため”のものであって、自身の信念を表現する形式ではないからだ。 ここで彼女が「夢」と書いているものは、エントリーをするために建前上そう言わざるをえなかった「欲望」の別名だと思う。 一人の女性がやわらかな光のなかで

    • エッセイ的随筆

      枕草子から、 「心ときめきするもの、雀の子飼ひ。乳児遊ばする所の前渡る。よき薫き物たきて、一人臥したる…」 「心がドキドキするもの」というテーマで始めて、「雀のヒナを育てること」「赤ちゃんの前を横切ること」までは一般的な類推だが、次に「よいお香をたいて一人、横になる」という自身の秘めやかな愉しみを連ねる、清少納言の感性は千年の時を経てもなお、独創的で鮮やかだと思う。 そんな枕草子は日本で最古の「随筆」だとされている。随筆とは「気のむくまま筆に任せて見聞・体験・感想などを

      • 言葉

        このところ、やたら文章を書いている。 仕事でも文章を書くし、修論でも書くし、雑誌を作ろうと思い立ってしまって、それでも書く。雑誌の執筆とは違って、雑誌のコンセプトだとか連絡とか、あまり本質的でないところで書く。 もともと文章を書くのが好きだから、たぶん普通の人よりはしんどくないけれど、わりとしんどい。こんなふうにただ適当に、気持ちの赴くがままキーボードを叩いているのが一番好きだ。 小説なんかも書きたいと思って、書いているけれど、こちらはこちらでしんどさがある。小説のしん

        • noteをはじめてみた

          noteというのはブログとは少し違うらしい。 もともとブログを書くのは好きだし、随分と長く書いてきたけど、瞬発的だったり感情的に書いてしまうことが多くて(それはそれでよいのだけど)、もう少しちゃんとした形で考えたことや感じたことを「公開」したいと思って、noteを始めてみた。 ほんとは枕草子のようにエッセイやただの連想、見たことや聞いたことをただただ羅列したいんだけど、それだとなかなか人に読んでもらえないし、伝わらないからnoteは少しだけ読んで下さる方々に向けて書こうと

        エントリーシートから

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