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大学講師がオンライン授業に役立つツールをまとめてみた

新型コロナウイルスが蔓延したことによって,大学は,5月頃からオンライン授業を実施する事態になっています。オンライン授業になったことで,授業準備に時間がかかっている大学教員の先生方も多いのではないでしょうか?

この記事では,コロナ禍で大学で授業を行っている身として,独断と偏見によるオンライン授業に役立つツールをご紹介しています。記事の内容が私と同じような立場の方に役立つと幸いです。


オンライン授業の課題

デジタル・ナレッジは,同社が運営するeラーニング戦略研究所にて,全国の大学の教職員100名を対象に,オンライン授業の実施状況についてのアンケート調査を行っています。その調査の結果,オンライン授業については以下のような課題が浮き彫りになったそうです。

1. 学生のICT環境不足
2. 教員のオンライン授業への対応力
3. 新しい大学教育の在り方

この調査結果を踏まえると,学生のネット環境を整えることと,教員のオンライン授業の運営方法を考えることが急務であると言えるでしょう。そこで,この記事では,オンライン授業を運営する上で,必要なスキルを考えて,記録したいと思います。


オンライン授業の形式

上記のネット記事によると,オンライン授業の形式は,「授業録画配信」(オンデマンド型)が77.3%,「ライブ授業配信」(リアルタイム型)が76.3%,「資料配信」が62.9%,「Web会議システムを使ったディスカッション」が36.1%,「チャット/掲示板などで質問や議論を行う」が24.7%、「自習中心」が17.5%だそうです。大学では,ほとんどの授業が「授業録画配信」(オンデマンド型)あるいは,「ライブ授業配信」(リアルタイム型)で行われていることのではないでしょうか?

実体験では「授業録画配信」で授業を行うことが多いですが,今後は「ライブ授業配信」も行う予定です。「ライブ授業配信」を行おうと思った理由は,下記のようなオンライン授業に対する学生の評価を見かけたからです。


オンライン授業に対する学生の評価

Twitterでは以下のようなツイートを見かけました。

上記のツイートに書かれていることはあながち間違いないだろうなと思いました。学生の感覚からすると,「授業録画配信」(オンデマンド型)よりも,「ライブ授業配信」(リアルタイム型)が,授業を受けている感覚になるのです。上記のツイートに対して,以下のようなリプがありました。

上記のツイートに書かれているように,学生にとっては,教員が「授業」に参加しているかどうかが重要なのでしょうか。もしそうであれば,「授業録画配信」を行う場合,教員が登場する工夫があれば,学生の授業満足度の評価が高まる可能性があると考えられます。大学教員の中には,「授業録画配信」で,教員自身の表情を登場させている方もいらっしゃるようです。

私の実体験では,「授業録画配信」や「資料配信」は準備時間がかかりましたが,学生の感覚すると,「大学教員が授業資料の作成にかけた時間」は見えないものなので,授業内容だけで「手抜き」かどうか評価されてしまうのでしょう。

プロセス」は評価されず,「結果」だけが評価されるのは,何も「オンライン授業」に限ったことではないと思います。ほとんどの「評価」は,「プロセス」ではなく「結果」を見ているのです。このような現実を考えると,大学教員自身が,「オンライン授業への対応力」を磨くしかないなと思います。そのために,オンライン授業に役立つツールを紹介します。


オンライン授業が講義形式の場合

まず,講義形式の授業をオンラインで行う際に,役立つツールをご紹介します。

Zoom

ZoomはアメリカのZoom Video Communicationsが開発したビデオ会議サービスです。Zoomでは,URLとパスワードを参加者に伝えるだけでオンライン会議を始めることができ,大人数で接続していても比較的に安定した通信ができますし,オンライン会議の映像と音声を録画できる機能もついています。Zoomは,ビジネスの場で使われることが多いシステムでしたが,日本でも,教育機関への無料提供が始まったことを機に,一気に採用するところが増えてきたようです。


Microsoft Teams

Microsoft Teamsでは,教員と学生が一つの「チーム」を作り,その中で教材や資料などのファイルの共有,チャットやビデオ通話などを行うことができます。 筑波大学では,「Microsoft Teams」を使った遠隔授業が行われているようです。


Comment Screen

ZOOMやMicrosoft Teamsなどのオンライン会議ツールを使っていて,参加者の反応がいまいちわかりづらいと感じる人が多いのではないでしょうか?そんな方におすすめなのが「Comment Screen」です。

Comment Screenとは,簡単に言えば,コメントを打ち込むと「ニコニコ動画」のように画面に流れてくるというアプリです。


オンライン授業が実習・演習形式の授業の場合

次に,実習・演習形式の授業をオンラインで行う際に,役立つツールをご紹介します。

Slack

Slackは,ビジネス向けチャットツールとして使われていますが,大学の研究室でも使われていると聞いたことがあります。Slackは,大学でのゼミや,少人数の実習や演習でも活用できると思います。

上記のサイトによれば,Slackには以下のような特徴があります。

・チームでも1対1でも,ストレスのないリアルタイムのコミュニケーションができる
・パソコン,スマホ,タブレットなど,閲覧環境を選ばずサクサク使える
・過去のやりとりの中であとで参照したいものを保存でき,検索も簡単
・画像を含めたどんな種類のファイルでも,手軽に共有できる
・業務で使用している他のサービスと連携させ,仕事を効率化することができる
・オリジナルの絵文字を作ったり,カスタマイズして楽しめる


DISCORD

DISCORDは,もともとゲーム実況などに使われているもので,ゲーマーの学生たちにとってはなじみ深いと思われます。DISCORDでオンライン授業をやるのは,例えば,ニコニコ動画でレクチャーをするようなものでしょう。

DISCORDでは,バーチャルな教室にいるような空間を演出できると思います。


Remo

Remoは,会議をオンラインで行うツールです。 Remoを利用するとブラウザ上に大きな会議室が作成されます。Remoでは,バーチャルな会議室を用意して,プレゼンテーションを行ったり,チャットをしたりすることなどが可能です。Remoを利用すると,実習や演習の授業,または学会などが開催できると考えられます。


オンライン授業への対応力

今後,大学教員には,さまざまなツールを駆使して,オンライン授業を行う「対応力」が求められるかもしれません。「対応力」と言っても,何もすごいオンライン授業をする必要はないと思います。大切なのは,「オンライン授業に活かせるツールを知っていて,そのツールを使ってオンライン授業を行えるかどうか」です。教員は,ツールを使いこなすことが,第一に必要なスキルだと思います。

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