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映画『ガタカ』 SF版リプリー。こちとら抜け毛の多い年齢じゃ(ネタバレ感想文 )

監督:アンドリュー・ニコル/1997 米

20数年前に観て以来の再鑑賞。
実は最初に観た際も(そして今回も)TV画面だったので、いつか映画館で観たいと思っている作品。
シュボボボー!って花火みたいに打ち上がるロケットを大画面で眺めたい。

今回改めて観て、これは『リプリー』(1999年)なんだと気付きました。
まあ、ジュード・ロウ繋がりで『リプリー』言うとりますが、要するに『太陽がいっぱい』(60年)。
持たざる者が恵まれた者に成りすます物語。

この話がSF(サイエンス・フィクション)として秀逸なのは、SF設定の根幹が物語の軸になっていることだと思います。
遺伝子操作をした「人工授精」と「自然妊娠」による、生まれながらの格差・差別。この壁を超えようともがく悲しい物語。
「遺伝子検査」という科学的な道具が映画の小道具として、そして物語の根幹に関わるんです。
ハードSF思考としては、舞台が宇宙であるだけで時代劇でも西部劇でも成り立つ『スター・ウオーズ』なんかSFとしては認めてないんですよ。
SFはスケールじゃない。本作は決してスケールは大きくないけど、秀逸なドラマです。

そうは言いながら、SFって、特に近未来を描いた作品って、すぐ古びちゃうんですよね。
いまこの映画を観ると、バカバカ煙草吸ってるしね。遺伝子の優劣より身体に悪いと思うぞ。それにジュード・ロウの脚だって、義足の技術も進化してると思うぞ。
とかね。
こんなエリートで肌がプリンプリンしてるユマ・サーマンがヤクザの情婦になった上に復讐鬼になっちゃうしね(<『パルプ・フィクション』(94年)と『キル・ビル』(2003年)の話をしていますが『パルプ・フィクション』の方が古いな)。
あとね、DNAブローカーが『名探偵モンク』だったよ。お前が事件を解決するんじゃないのかいっ!

SF関係なくなっちゃった。

(2023.12.02 CSにて再鑑賞 ★★★★☆)

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