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映画『マジック・マイク ラストダンス』 エンタメの原点と進化(ネタバレ感想文 )

監督:スティーブン・ソダーバーグ/2023年 米(日本公開2023年3月3日)

PG12?
R18級の超エロ映画ですよ(笑)

めっちゃ楽しい。
いや、どーでもいいツマラン話なんですけどね、終わってみたらめっちゃ楽しかった。
いきなり穿うがったことを言い出しますけど、ソダーバーグの狙いのような気がするんです。
これは、ストーリーよりも、ダンスの面白さで魅せる映画です。
あらすじ重視の映画は配信なんかで早送りで見られちゃうでしょ?ダンスの面白さは早送りじゃ分かりませんからね。わざとそうしてるんじゃないかってくらい、話はどーでもいい(笑)

実は私、ソダーバーグ大好きなんです。
もっとも、ソダーバーグ監督作を観たのは、一時引退宣言した後の復帰作『ローガン・ラッキー』(2017年)以来。だってその後の作品は、日本未公開か配信作なんだもん。
ソダーバーグの筆致みたいなものが好きなんです。
小説家で言うなら文体、絵で言うならタッチみたいなものですかね。
構図のとり方とかカットの長さとかつなぎ方とか、本当に気持ちがいい。
だから、この『マジック・マイク』シリーズもソダーバーグが監督じゃないから2作目は観てないしね(製作総指揮ではあったけど)。
私の中で、世界で一番画面えづらが心地良い監督。

でも、話はピンとこないことも多くて(笑)
正直、1作目『マジック・マイク』(12年)の時もそう。
なに?この、女子がワーキャー言いながら観るコメディ。何なの?と思ったもん。
私の中では、チャニング・テイタムというウヒウヒ見る役者を見つけた映画でもありましたけどね。ああ、あと、マシュー・マコノヒーをウヒウヒ見る映画。

今回の「ラストダンス」とやらも、「女性の解放」みたいなことを言い出しますが、取ってつけたようにしか見えないし、ソダーバーグの本気は感じられません。

でも、少し理解できた気はします。

ダンスを見てて楽しいんですよ。踊るって、エンタメの基本というか原点。
そして肉体回帰。
CGで何でも描ける時代に、ダンスで肉体を魅せる。
LGBTQだ!言うとる時代に、ずーっと「男と女」のエロ。
エロとダンスは人類の原点。

そういや『エロス』(2004年)って映画があったな。邦題は『愛の神、エロス』。オムニバス映画で、監督はウォン・カーウァイとスティーブン・ソダーバーグとミケランジェロ・アントニオーニ。
なんだ、ソダーバーグじゃん。

そういうわけでこの作品は、頭を空っぽにしてダンスを楽しむ映画。
往年のミュージカルと一緒。
チャニング・テイタムはジーン・ケリー。

そう考えると、ダンスって進化したなあって感心する。
私もダンスしたく・・・ならないけど、あの肉体は欲しいな。
腹筋でもするか。やらねーな。

(2023.03.04 新宿ピカデリーにて鑑賞 ★★★☆☆)

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