見出し画像

中小企業の後継経営者の右腕ポジションの魅力が伝わらず気になっている話。

ペルソナの鳴海です。
ペルソナの金曜どうでしょうをご覧いただき、ありがとうございます。

”経営者の高齢化によって、中小企業の後継経営者不足は深刻な問題だ”
という話を聞いたことがありますか?

中小企業の経営者の高齢化が進んでおり、経営者年齢のピークはこの20年間で50代から60~70代へと大きく上昇しています。

また、後継者の不在状況は深刻であり、近年増加する中小企業の廃業の大きな要因の一つです。このままでは日本経済・社会を支える貴重な雇用や技術が失われる可能性があります。

中小企業庁:財務サポート「事業承継」 (meti.go.jp)

中小企業庁のHPでは後継者不足の問題に触れられています。

また、中小企業庁がスポンサーとして、下記のような番組を提供しており、
現状や課題を様々な方法で発信していると感じています。

コラムを考えている年末年始に番組がアップされていたので、こちらの番組を紹介させていただきましたが、中小企業庁はいろいろなカタチで情報発信をしています。

中小企業業だけでなく、都道県なども本腰をいれ、中小企業の事業承継、後継経営者について情報を発信しています。

私自身コンサルタントとして、後継経営者の採用支援に携わることが多くなっており、中小企業の後継経営者不足は、今後も長く向き合っていかないといけない課題だと感じています。(後継経営者の採用について書いた以前のエントリーも参照ください)


一方で、少し忘れられがちなのは、

これまで経営者を支えてきた経営幹部
特に長く一緒に働いてきた右腕も高齢化している

という事実です。

前置きが少し長くなりましたが、中小企業の経営にはとても重要なことで、仕事としてのやりがいもあると感じています。

個人的にこれから注目されることになると考えている後継経営者の右腕という仕事についてお伝えしたいと思います。


中小企業の経営者を支える「右腕」という仕事


中小企業の定義は法律や制度、業種では異なりますが、社員数は数十~200名ほどの企業から後継経営者の採用のご相談をいただくことが多くなっています。

社員数がもっとすくなければ経営者が経営全般を1人でみていることも少なくありませんが、企業規模が大きくなれば経営幹部、その中でも右腕といわれる方が経営者をささえていることがあります。

例えば、

拡大戦略が好きな攻め型の経営者をフォローする守りが得意な管理部門役員

クセのある創業経営者を公私ともに支えてきたお番頭さん

はたまた、社歴50年以上経営者2代を支えてきた金庫番

など、
円滑な中小企業経営の裏側には、経営者の右腕がいらっしゃったということは少なくありません。

後継経営者のタイプによって異なる右腕の期待役割


経営者の右腕人材の必要性は企業によって様々ですが、
後継経営者の着任後に

「経営者と一緒に○○をしてくれる右腕人材を急遽探している」

という採用のご相談が増えています。

M&Aによる第3者承継も増えているため、後継経営者が着任後に経営者がカバーできないことを幅広く対応できる右腕人材を探すというケースです。

次の5年、10年を見据えたスムーズな経営幹部の世代交代、そして自身と一緒に会社を牽引する人材探しが、後継経営者の大事な最初の仕事になってい
ると感じます。

経営者の弱いところをカバーができるのが理想的なため、マーケティングや営業など業界の事業経験が豊富な後継経営者であれば、管理部門を任せることができる右腕が必要です。
また最近では、他業界から後継経営者を迎え入れる企業も増えていますので、業界を熟知した営業経験が豊富な右腕が必要とされる場合もあります。


60~70代の経営者から事業承継をする後継経営者の年代は40代後半~50代が多く、右腕も同世代の方々が求められます。

数年前までは、転職は35歳が限界説のような転職市場の通説がありましたが、事業承継を行う中小企業には40~50代で経営幹部として活躍できるフィールドが広がっています。

中小企業経営者の右腕として活躍する人材の特徴


必要なスキルセットは経営者のタイプ、企業規模によって異なりますが、
ここでは右腕人材として活躍する方の特徴を3つあげます。

1.小さなの仕事で素早く成果をだしていく(自分で信頼を勝ち取れる)

以前からいる社員全員が、右腕として入社した人材に対して良い印象をもつことはありません。お手並み拝見、というスタンスの方もいらっしゃいます。
環境に適応し、活躍をされている方はご自身で課題をみつけ、小さな仕事でも早い段階で成果を出し、社員からの信頼を勝ち取っています。

2.率先して組織横断で動く(課題を発見できる)

ご自身の職責の範囲はあるものの、組織を横断的に動かれている方は社員からの信頼もあつく、会社の課題が耳に入ってきたり、気がつく機会が増えます。
右腕として、経営者との距離感が近いことは必要ですが、社員や顧客の声など経営者に届かない声を課題として発見している方はご活躍されています。

3.曖昧な状況をストレスと感じない(変化・適応に慣れている)

事業承継後の1年ほどは、事業戦略や組織体制の再編で”走りながら考える”といわれるような状況が続きます。戦略を決めて、戦術を固めて、人員を割り当てて…というような仕事の進め方ができればよいのかもしれませんが、具体的な指示がない状況で物事を進めたり、検討材料が少ない中での意思決定が求められます。
こういった状況をストレスに感じる方は少なくないかもしれませんが、曖昧な状況をある意味楽しみながら、物事を進めていける方は活躍の場を広げています。

後継経営者の右腕としてキャリアの魅力


右腕として活躍する方の3つの特徴をあげましたが、
積み上げたご経験・スキルセットの強みを求められる中小企業(後継経営者)と出会うことができれば、右腕として企業経営、組織運営に携わっていただける方が、こういった機会に気づいていない、情報を提供しきれていないと感じています。

中小企業の後継経営者不足の課題は少しずつ認識されており、「事業承継の経営者ポジションに関心があります」というお声を転職相談でいただくことも増えてきました。

一方で事業承継する企業は後継経営者が1人で何でもできる規模感ではなく、一緒に経営をする右腕人材が必要なものの、転職市場には求人が流通することは多くなく、求人情報があったとしても右腕募集といったことが記載してあることは多くはありません。

転職コンサルタントとして、右腕という役割は、後継経営者ポジションと同じぐらい稀少性の高く、やりがいのある魅力ある仕事だと感じています。


事業承継フェーズの中小企業に入り込み、企業を牽引することは決して簡単なことではありませんが、こちらの記事をお読みいただき、経営者の右腕という仕事に興味がある方はご連絡をいただけますと幸いです!

ペルソナ株式会社
執行役員 鳴海 幸仁

鳴海への採用の相談を希望の方はこちらから
鳴海とのキャリア面談を希望の方はこちらから

フォロー・つながり申請大歓迎です!
鳴海のLinkedIn

▼鳴海が書きました
閉店する地元のお店に寂しさを感じた転職コンサルタントが後継者不在の中小企業の経営者候補には想像力が必要と考えたわけ。
個人の時代にチームで働くということ
スカウトメールを届ける相手を考え抜く中で紹介業について考えた話

▼人気記事
「働かないおじさん」と呼ばれないために
50歳女性、早期退職→地方でのセカンドライフとセカンドキャリア
広島の採用支援奮闘記~第一弾~

▼YouTubeはじめました
#1 ペルソナ創業の思いとこれまで
#2 ペルソナの事業や制度について
#3 若手社員から見たペルソナ
#4 業界のプロから見たペルソナ
#5【前編】エージェントになった感想
#5【中編】ペルソナのカルチャーと人
#5【後編】女性社員からみたペルソナ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?