文学フリマ東京の感想
昨日は、小此木君と二人で泊まるつもりで取った部屋を独り占めにしたが、シャワーを浴びている時に、遠くにいる時のソワソワとした不安感がなく、自宅にいるような落ち着いた心地になっているのに気づいた。旅慣れたということか。それよりも、自宅や所有物に対する執着が薄らいだのであろう。東京というものにも、新奇な目はなくなり、親しみが湧いても来たし、万事に対して焦りや苛立ちを抱かなくなった。これは私にとっては大きな成長であり、幸福である。
平野謙は「私小説の二律背反」といって、私小説を書く作