見出し画像

トラウマ出産レポ③「覚悟決めないと!お母さん!」

陣痛がきて、
ものすごく痛い時に助産師さんが手で子宮口を広げたり
いろいろやってくださって、ピーピー言いながらもお産は少しずつ進んでいく。
赤ちゃんの向き的に仰向けから横向きに変更。
もうその姿勢を変えるのすらつらい。

事前のグーグル先生調べでは姿勢によっては痛くなくなる、痛みが減る、なんてことが書いてあったけどあれはウソや。何がどうなっても痛いもんは痛い。

そんな中、夫登場。
「よっ、きたか」なんて言葉を交わすどころではなく一心不乱に叫ぶことに集中。この人の前でこんなに叫ぶとは思わなかった。
いきむ時の顔とか想像するだけで笑えるくらい本気で必死でしたがもう恥もへったくれもない(しっかり写真に撮られてたけど)。
立会いして引かれるとかそんなのどうでもいいくらいお産に集中していました。

「いきむ」時期に入りますます恐怖がつのっていきました。
いきむことがよくわからないのと産道をぐいぐい広げていく作業がリアルにわかり
「え、あと何回この痛いのを繰り返さなきゃダメなの?」でパニック。
なんとなく陣痛と共に赤ちゃんが自動的に押し出されてくるようなイメージでいたけど、そんなもんじゃなかった。
助産師さんが一生懸命伸ばしてくれたおかげで赤ちゃんの通り道が少しずつできてきてる感じ。

自動的にスルッと生まれる、なんて、自分の想像力のなさにショックを受けるくらい大変なものでした。
パニックな中、後どれくらいですか?と質問しても
「まだもうちょっとかかるかなぁ」と言われて、私のいきみ方が下手なのもあると思いますが、先が見えなくてパニック。
うんちするときに踏ん張る感じ!みたいにいわれたんですがさっぱりわからなかったです。

分娩台のレバーとか、脚を置く台があるんやけど、なんで使い方のレクチャーが妊婦健診とかで事前になかったのかと思うくらい力の入れどころ、入れ方が難しかった。
絶叫しながらいきんでいくけどなかなか進んでいかず、
お産がこんなに力がいることなのもこの時初めて知って、
すでに叫びまくり体力を消耗していたので「絶対無理やん・・・」と
泣きながら「もう無理だと思います」「産んであげられないと思います」とウダウダ言ってました。

が、まだこの時でも序の口でした。
産道を赤ちゃんが通るイメージをいきみながらしていましたが、手で広げてもらうたびに、硬くて痛いのにそんな狭いところ通るの無理でしょと気力を奪われていきました。
自分では毎回全力で頑張ってるつもりだったのに、なかなか進まずに泣き言ばかり言っていたら
「覚悟決めないと!お母さん!」
とあの丁寧な言葉遣いの優しい助産師さんにここでいわれました。
ちょっと、ニュアンスが違うかもしれませんが。
お、そろそろ助産師さんも苛立ち始めてるんかな、
なんてどこか冷静に思った記憶があります。

いきむ時に叫ばずに声を出さず息を止めていきむこと。
陣痛がきたら深呼吸をして、いきみたいタイミングがきた時に
1回目はわりと短く息を止めて踏ん張る、
2回目は結構長く、
3回目できそうなら長めにまたいく。
そのスタイルで進んでいきましたが、3回目を諦めてしまうことがありました。
もう身体中がワナワナと震えていました。

こんなに息を止めて手のところにあるバーを握りしめて、
血圧高いらしいけど大丈夫なん?と
心配で死ぬんちゃうかと思ってた。
頭の血管が切れて死んじゃうんじゃ?と。

息を止めて体に力を入れる作業なんて人生で経験したことがないから、
手だけに力を入れて足の力を抜く方法もなかなか掴めなかったし、
赤ちゃんが見える気配もないし、
毎回全力やし、気力と体力がどんどん奪われ、
尋常じゃない汗をかきながらとにかく毎回全力疾走していました。

「体力を消耗するって、こういうことか〜」と
陣痛の波が引くたびにぽ〜〜っと全身ぐったりする感覚を感じて、
脳みそも省エネモードでぼーっとしてました。

このとき「お産、なめてた」と心から思いました。

自分にはできない。
それも心の底から思って情けなくて、
一回いきむごとにあきらかに体力消耗していってるとわかったので
「股から産めない場合、どうなるのかな?」
「今から無痛分娩のできる病院に行くことできへんかな・・・」
「お産を途中で諦めた人っておらんのかな・・・」
なんて考えながらやってた気がします。(つづく)


サポート、励みになります🥹