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和泉式部の黒髪



黒髪の
乱れも知らず
うち伏せば
まづかきやりし
人ぞ恋しき      和泉式部


「こうやって黒髪が乱れているのも気にかけることなく横になっていると、私の髪をかき分けてくれた恋人のことを思い出します」

 だいたいこのような意味だと思います。新古今集の有名な和歌です。

 恋人との逢瀬の直後のことを歌ったものか。それとも、しばらく時間が経ってから思い出して歌ったものなのか。

 コトの直後だとすれば、相手の肉感もまだ体に残っているような感じで、生々しい。とてもエロい。精液さえ髪に飛んでいるのではないか?なんて考えてしまいます。

 しかし、逢瀬からしばらく時間が経ったときの状況を歌っているのならば、たまたま黒髪が風か何かで乱れてしまったときに、今は会えない恋人のことを思う切ない歌に聞こえます。

 まぁ、他にもいろいろ想像できますが、いずれにせよ、この和歌は好きなんですよね😊。
 
 「黒髪」と言えば、次の有名な和歌もあります。


ながからむ
心もしらず
くろ髪の
みだれて今朝は
ものをこそおもへ

         待賢門院堀川

「これから先もずっと愛してくれると約束したあなたの気持ちがわからないから、乱れてしまったこの黒髪のように、私の心は乱れてしまっています」

 だいたいこのような意味でしょうか?

 この和歌も好きですが、先ほどの和泉式部の和歌ほどには、想像をかきたてる和歌ではないような気もします。


助手席の
黒髪一本
誰のもの?
昨日の逢瀬
バレやせぬかと

         山根あきら


「久しぶりに車に乗せた茶髪のパートナーに、助手席に落ちていた一本の黒髪を発見されてしまった。落ち着け。考えろ!そうだ!スタンドで洗車したガソリンスタンドのスタッフの女性の髪の毛だということにしておこう」

だいたいこの和歌の意味はこんな感じの状況を歌ったものだと考えられるでしょう。モテる男の慌てふためく様子が伝わるような和歌なのだろう。。。

なんちゃって😊。



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