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1年ぶりに訪れた銀座「鮨 紀文」

ずっと行きたかったけど、コロナでお店を閉めていた「鮨 紀文」。約1年ぶりに行ってきました。コロナ禍で多くのお店が閉店時間を繰り上げなんとかお店をやっていたものの、ここ「鮨 紀文」ではそれすらも難しかったため、ずっとお店を閉めていたのです。銀座で1年間もお店を閉めたまま維持するのは相当大変だったはず――。そこにあった思いとは。

人の往来が戻り始めた銀座の街

「鮨 紀文」に時々くるようになったのは、2年ほど前。以前、友達のお父さんが店長をやっていたお店ということで、友達にとっては思い入れのあるお店なのです。今は、友達の友達が店長をやっていることもあって、時々お邪魔させてもらっています。お店があるのは、銀座。

銀座も、少し前まで夜はかなり暗かったし、人通りも少なかったのですが、緊急事態宣言があけてから、人の流れが徐々に戻りつつあります。訪れた日は12月ということもあり、街路樹にイルミネーションが飾られ、銀座の街を明るく照らしていました。

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クリスマスのイルミネーションが光り輝く銀座。

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前回来たのは2021年1月。あれから約1年ぶりになります。何度もお店のそばを通っていたこともあり、友達と「早く再開してほしいね」といっていました。実をいうと、お寿司が食べた過ぎてほかのお店に行こうとしたことも。「この近くに、グルメな妹の一押しのお寿司屋さんがあるらしいよ」という話を聞き、心はグラグラ。「とはいえ、もう少ししたら緊急事態宣言あけるし、そうなったら紀文も再開するかもしれないから、やっぱりもう少し待つ?」なんて話してました。

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そんなこんなでお店が開くのを待っていたら、前回訪れてから1年近くたっていたのです。だから、今日ここに来られて、本当に嬉しい。

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のれんをくぐった店内には、左右にカウンターが2つあります。お寿司を食べるときは、絶対にカウンターがおすすめ。というのも、店長さんや職人さんたちとネタについて話したり、目の前で握るのを見ているのは、とても楽しいので。カウンターでお寿司を食べる価値は、ここにもあります。

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店長の石井さん。この鮨紀文を紹介してくれた友達の友達。お寿司屋さんの店長というと、職人気質の人が多いなかで、石井店長はすごく話しやすくて、フレンドリーな方なので、話していて楽しいです。

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今日も築地市場直送の鮮度の良い魚介が並んでいます。この鮨紀文、親会社がまぐろの卸をやっていることもあり、まぐろは一番のおすすめ。お寿司はいつも店長のおまかせで握ってもらっています。

今日の一貫目はこちら。

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ヒラメのカラスミ。この組み合わせが最高に好きなんです。

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続いてはイワシ。脂ののったとろけるようなイワシをいただきました。

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スミイカとキャビア。ほんのり甘め。そして歯ごたえがありながらも、切込みがあるため食べやすくなっています。キャビアの塩気がきいていい感じ。

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目の前で石井店長が器用な手つきでキャビアを乗せてくれてます。

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中トロ。光り輝いてます!「紀文」の親会社がマグロの卸売りをしていることもあり、ここではとくにいいマグロが食べられるのです。去年、最後に来た時も天然ミナミマグロの赤身を出してくれました。

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白子ポン酢。白子の下にほんのすこしシャリがあり、混ぜて食べるととてもクリーミー。まるでリゾットのよう。ピンクのシソの花がとても良い香り。

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セイコガニとウニ。カニとウニの握りなんて、贅沢すぎる……!

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カニの外子と内子にある卵がシャリにまざって、噛むと口の中でプチプチ音を立てて、たまらない! 

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すだちのジュレと昆布巻き牡蠣。軽く酒蒸ししてあり、またこの香りがいい。

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酢橘のポン酢ジュレ。その場で削ったピンク岩塩をふりかけてもらい、いただきます。カウンター席だと、ライブでこういうのが見られて楽しいんですよね。だからカウンター席のあるお寿司屋さんが好きです。

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穴子のタレ焼き。垂らしたバターがほんのり良い香り。穴子がふわふわでたまらない。

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かつおの柚子胡椒。脂ののったかつおにピリッとした胡椒がいいアクセントになって、さっぱりいい感じ。以前は、あぶったブリをいただき、こちもおすすめ!

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香川のオリーブ牛の叩きトリュフのせ。オリーブの実を食べて育った牛、なんだかそれだけ聞いてもちょっと気分上がります。「紀文」の石井店長が握ってくれるものは、いつも組合せが楽しい。次は何が出てくるんだろうと、食べるのが楽しみになるんです。握りが出てくるのを待っている時間も含めて、楽しめるお店です。

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牡丹海老。プリップリのボタンエビに、青白い卵。この色の組み合わせも心惹かれる。食事って、味はもちろんのこと見た目もすごく大事なんですよね。「食べてみたい!」そんな好奇心を刺激する握りがたくさん出てくるから、ついまた「紀文」に来たくなっちゃいます。

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エシャレットととろたく。一緒に来た友達が大好きで、いつも握ってもらってます。トロタクのタクは、トロとたくわんの刻んだものを混ぜた巻物。エシャレットはシャキシャキ感があって、このトロタクとエシャレットを交互に食べるのが好きです。

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これはサバですね。友達が頼んだもの。私はもうさすがにおなかいっぱいになりすぎて食べられなかった(笑)

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玉。1つは白身と黄身、両方使ったもの。もう1つは、白身だけ使った珍しいもの。お正月のおせちに入れたい(笑)。贅沢すぎるかな?

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りんごのコンポートとなるときんときの自家製羊羹。石井店長、いつも最後にデザートを出してくれるんです。ちなみに、前回は、ロマネスクのムースいちごソースかけでした!「ロマネスクってなに?」と思ったんですが、ブロッコリーとカリフラワーをかけあわせたような野菜で、それを茹でてマッシュして、イチゴのジュレをかけたものを出してくれました。握りもデザートも創作意欲があふれ出ています(笑)

「40年間続いたこのお店だけは守りたい」

鮨「紀文」で石井店長が握ってくれるお寿司は、いつも目を見張るものばかり。築地から直送で届く高級な天然ミナミマグロをはじめ、穴子のバタータレ焼きなど、人気の逸品とともに変わりダネも多く、遊び心を感じられるところが好きです。白く半透明に輝くイカの上に、青緑に輝くギャビアが乗っているなど、色のコントラストも、見ていて楽しい。

そんな素敵なお寿司を握ってくれる紀文ですが、この2年間は本当に大変だったと思います。コロナでお店を閉めざるを得なくなり、それでもランニングコストはかかってくる。40年間守り続けてきたお店を手放すことだけはしたくない。従業員やその家族もまもらなければいけない。お店を続けるというのは、本当に大変なことだと思います。

1年ぶりに訪れることができた「鮨 紀文」。そんな大変さもみじんもかんじさせない笑顔で迎え、相変わらずの絶品握りを出してくれる石井店長がいて、とても安心しました。現在、ランチはやっていなくて、夜のみ営業。深夜まで営業しているので、銀座で飲んだあとに寄ってみるのもいいかもしれませんね。

店名:鮨 紀文
住所:東京都中央区銀座8-5-13 銀座STビル 1F
連絡先:03-3571-4481
営業時間:17時~3時(ラストオーダー2時30分)
定休日:日曜、祝日
最寄り駅:JR新橋駅徒歩1分、銀座徒歩7、8分




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