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持つべきものは「自分を向上させてくれる」友だち

小学校の授業で印象に残っている授業が4つあります。

一つ目。
小学校2年生くらいだったか学年は定かではないけれど
「赤いろうそく」という新美南吉の話がありました。
赤いろうそくを爆弾(花火)だと思ってしまう動物たちの話でした。
新美南吉には「ごんぎつね」「でんでんむしのかなしみ」
「手袋を買いに」などの有名な著作がたくさんあります。
僕は南吉の作品が大好きで生家を訪ねたり記念館に行ったりしました。

二つ目。
小学校4年生くらいでしょうか。
「とびこめ」という作品です。
作者はレフ・トルストイという外国の人です。
船のマストに登ってしまい降りることができなくなってしまった少年に
父親が「とびこめ」と言うのです。
すごい緊張感。名作です。
僕が新採の頃はまだ教科書に載っていましたがもうありません。
残念です。

三つ目。
宮沢賢治の「風の又三郎」です。
これは体育館で映画を見ました。白黒映画でした。
「どうどどどどお~」という風の音が今でも耳に響きます。
その後、新しい映画が作られました。

四つ目。
椋鳩十の「月の輪熊」です。
椋鳩十は言わずと知れた動物作家です。
「大造じいさんとガン」と言えば、ああ、そうかと誰でもわかると
思います。
ツキノワグマの勇敢な行動と愛情に感動しました。

こう書くといかにも昔から本を読んだようですが、そうではありません。
少年時代はむしろ「少年マガジン」と「少年キング」「少年サンデー」が
愛読書でした。
しかしオヤジのお土産は大抵、プラモデルか本だったのを覚えています。
「頭を使え、手先を使え」と無意識に教えてくれていたのだと思います。
買ってきてくれた「リビングストン」(伝記)が懐かしいです。

中学時代、友達の家に遊びに行ったら本棚に「ヘッセ」や「スタンダール」「室生犀星」がありました。
僕の知らない世界でした。
アインシュタインのブルーバック「わかりやすい相対性理論」もありました。
そしてそこから文学や科学の世界が素晴らしいことを知りました。

持つべきものは友です。
「自分を向上させてくれる」友達です。

高校生になり、友達と「図書館の本を全部読もう、競争だぞ」と変な競争を始めました。
もちろん途中で挫折したのですが「本が好き」と言う基礎は友達のおかげです。

そして大学生になり太宰治に狂うことになるのですが(また別の機会に)
小中高とだんだん読むようになるのが一番いいのではないかと思います。


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