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鬱病pizzaが救われた曲④BURN/THE YELLOW MONKEY

母の影響で、物心ついたときから完全に90年代ROCKが流れる環境で育った私。


THE YELLOW MONKEY、通称イエモンも、その音楽の中にあった。


当時小学生だった私は、車の中で聴いていた、「猫もつれていこう」って言ってくれる『楽園』がすきだった。発想が完全に小学生だが、今も印象にあるのだから理由なんて子どもらしくていいのだ。


その後の、彼らの解散などについては全く知らず(L'Arc-en-Cielに夢中だった)、私は社会人までを過ごしてきた。

しかし、大人になっても、聴いて育った90年代(私は特に後半)のROCKは、流れてくると血が騒ぐものだ。まだ子どもだったにも関わらず、あの時代を私の音楽の青春と位置付けている。

ちなみに、当時の実生活は特に青春っぽいことは何もなく、中学の頃に入った吹奏楽部もつらすぎて思いだしたくない。同じ”音楽”だったのに。音は、楽しまなければ”音楽”ではない。




社会人6年目で心身を崩壊し、鬱病の治療をしていた私。



「イエモンが再結成」。


、、、、、、このニュースは、私にポジティブに届いた。


あの時代を彩ったバンドが、ひとつ帰ってくる。

解散したバンドも多い中で、ここで復活とは。


なんだか、深いファンではないけれど、すごくたのしみ。


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働けずの数年。

減ってくる貯金の中から、私は、タワレコのポイントを使い、880円でこのシングルを買うことにした。

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なんとこれ、『砂の塔』、『ALRIGHT』という新曲とともに、

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、、、、、、過去の曲がたくさん入っているのだ(LIVE ver.)。


14曲で、880円はお得すぎる。

これは素敵な買い物だった。





当時の私は、鬱病の特徴にもよく挙げられる

”お風呂に入ることができない”、という状況。

入ろうとするけれど、脳の指令がうまくいかず、体が動かない。それに焦って苦しくて、とてつもなく具合が悪くなる。朝の洗顔も、ときどき心と身体が向かないことがあった。

ただ、私は最低でも2日に1度は入ることができた。もっと長い期間入れないひともいるし、着替えることも無理なひともいる。



なんと。


このCDにも入っている『BURN』という曲が、20年ほどのときを経て、そんな私を動かしてくれることになった。

※公式のサイトに歌詞が掲載されていることを知って驚いた。



シンプルなのだが、


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

せめて身体だけはキレイに

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



、、、、、、この言葉。


全体からこの言葉だけ抜粋したところで、何の説得力もないのだが、、、、、、


もちろん、この歌詞だけでなく、曲全体が刺さるから、この部分も刺さって、

”よし、吉井さんが言うなら、お風呂入ってくるか、、、、、、”

と、なるわけである。




その、刺さるところ。

あげたらきりがない。



歌詞全体をみると、この主人公は孤独。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

あの日を殺したくて閉じたパンドラ

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


、、、、、、どうやら、殺したいほどの”あの日”があるようだ。


と、思っていたら。

ネットでは、このとき殺したいのは過去の”思い出”のことだという説が有力だった。”BURN”は、そのしあわせだった思い出を燃やしてしまって、生まれ変わって進んでいくという意味での言葉だと。


そうだったのか、、、、、、?


私は、仕事で苦しんだ、必死だった、そして耐えられなくて倒れてしまった当時の自分に、”あの日”を重ね合わせて勝手に聴いていた。

本当に、思い出したくなかったから。パンドラの箱に詰めて、永久に、なかったことにして。

、、、、、、というか、思い出すことができなかった。一気に記憶が蘇ってきて。


正しい解釈は私はできないが、自分の感じたままを書いていくことにする。



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

限りない喜びは遥か遠く

前に進むだけで精一杯

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


そう、、、、、、本当にそうなの、、、、、、、、、、


希望が、未来が、見えなかった私。

これ、今の私の歌だ、、、、、、と、勝手に思い込んで、ひたすら聴いた。発売から20年ほど経っているが、いい音楽は時を超える。


励ます曲もあるけれど、こういう、一緒に苦しんでくれる曲も本当に必要で。作り手、歌い手が、少なくともこういう思いと対峙した経験がないと、苦しみに寄り添う曲は生まれない。”私だけじゃなかったんだ”、と思えるだけでも、本当に心は救われるものだ。

(作詞作曲、vocal全て吉井和哉さん)



そして、これ以上に深く刺さって泣きそうになるのが、



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

飛べない鳥はとり残されて

胸や背中は大人だけれど

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



もぉぉぉぉぉぉぉぉ、これは、、、、、、、、


自分は鬱病で、家で身動きが取れないまま、歳だけ取って、これから先、将来、どうなっていくのか分からない、全治○年なんてない、、、、、、

そして、周りはもう結婚出産、ほとんどの友人が家庭を持って、人生を次のステージへと進めていて。


そんな、自分だけが置いてけぼりな状況に対して寂しくて、悲しくて、もどかしくて、悔しくて、、、、、、


まさに、体、年齢だけは大人にはなっていくのに、何もできずに取り残されていく、私の現状がこの歌詞だったのだ。



今も、この部分で胸が熱くてたまらなくなる。





私はきっと、この先、みんなに追いつくことなんてない。

これから私は、私だけの生き方をしていくしかないのだ。

鬱病になったからこそできる、自分の生き方を。



だって、子育ての話なんか、ついていけるわけがない。置いていかれているように感じるけれど、もう、道はつながっていない。誰かについていくわけじゃない。誰も、同じ道なんて歩いていない。最初からそうだったんだ。


、、、、、、なんてことに、書きながら気づいてしまった。



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

赤く燃える孤独な道を

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


きっと、誰もが行く。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

やわらかな思い出は心にしまって

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

"BURN"

して進むひともいるだろうし、


私のように、闘っている苦しみや過去のトラウマを

”BURN”

して進むひともいるだろう。


思い出や、苦しみを燃料にして燃やして、その力で進んでいく。


ラストサビの

”BURN” 

は、19回も繰り返される。

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吉井さん自体はどういう意図でこの曲を届けているかは分からないけれど、解釈は聴いたひとそれぞれで、私にとってはたいせつな、本当にここまで自分を進めてくれた曲なので、思いをつづってみた。


力強い、地の底からエネルギーを湧かせてくれるような音楽。


小学生の頃には分からなかったこの曲の素晴らしさに気づけて、私はしあわせだ。

音楽は色褪せないって本当だし、大人にならないと分からない感情なんてたくさんある。



もし、心の病、とくに鬱病で苦しんでいるひと、この曲は本当におススメです。

この曲がすきになったら、つらかったお風呂に入れるようになるかもしれません。私はなりました。



秋って、また鬱症状が出やすくなるので、同病の方、無理せず行きましょう。




イエモンありがとう!また、集まってくれて。

お金が稼げるようになったら、LIVEに行きたいです、本当に。

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音楽に助けてもらいながら、苦しみを燃料にして、進め、自分。



誰かに、この曲の力が届きますように。

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