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This is ANFIELD

ここに立ちたい。
アンフィールドのピッチでゲームを迎えたい。
どんなに幸せか。考えただけでも身震いがしますね。
ゲーム前の選手の感情を考えるだけでも色んな想像が芽生えます。

CL 大一番 リヴァプール VS ナポリ
どちらもグループリーグを賭けた重要なゲーム。
どちらがグループリーグ突破に相応しいのか?

スターティングラインナップ

ホーム リヴァプールは強力3TOPの4-3-3
               (hexagon + 4DF)
    ナポリは2TOPはインシーニェ&メルテンスの4-4-2
    (4人の2ライン+2TOP)

理屈じゃないねー コアにあるのは意地と意地のぶつかり合い。
最後は気持ちでという考え方もあるけど、

最初に気持ちでしょ‼ 気持ちは前提条件

やられたらやり返す カウンターにはカウンターを合わせる。


リヴァプール 組織的攻撃(右ハーフスペース徹底攻撃)
             VS
      ナポリ 組織的守備 (2TOPで中を締めて外で奪いたい?)

個人的にはここが前回の対戦時と変化が生まれている(生まれてしまっている)ような気がする。

リヴァプールの2CB+アンカーの出口プレーに対してナポリ2TOPで消しにかかる。しかし、ヘンダーソンを上手く消すことができず、ナポリ2MFが引きずり出されてしまうことが多かった。ワイナルドゥム&ミルナーはHSに落ちてボールを引き出す動きも狙って更に外にナポリMFをおびき出し、フェルへのパスラインを確保しようとしる。フェルはCBの前ではなく、ナポリの2ボランチの裏に立ち、2MFを絞らせた。空いたスペースにはミルナーも運動量を活かして侵入を試みている。ミルナーはマネとの関係性をかなり意識して保つ。マネと隣り合うレーンでプレーすること多い。そこを基点にフェルミーノが開けたスペースを突いて、ゴール前に侵入していく。運動量もさることながらインテリジェンスに溢れたOFFの動きを見せていて、ナポリからする本当に厄介な存在。


ナポリ守備 なんだか緩い気が・・・
SMFだけでなくSBまでもHSを明け渡してしまっている
サラーはずっといるよ。
このゲーム左の2人がウィングレーンに早く出過ぎている。
サラーが・・・

ナポリのサイドの選手を外に引き寄せ、中の選手を絞らせると・・・

サラーのいるハーフスペースが空いてしまう


ナポリの左MFファビアン・ルイスと左SBマリオ・ルイが左ウイングレーンに早く出て行ってしまって左CBのクリバリの負担が大きすぎる。リヴァプールもこれはチャンスとばかりに右のハーフスペースのサラーを目指して攻撃を仕掛けていたように感じる。

実際にリヴァプールの得点シーン。

実際にここを徹底して狙ったリヴァプールが先制点を挙げた。
ナポリは2TOPで外に追い出すまでは良かったが、追い出してからの守備がまずかった。特に左サイドの守備が非常に甘く、サラーのいる左ハーフスペースのコースをがら空きにしてしまった。失点シーンでも左SBルイのマークの置き方、体の向きが悪く簡単にスペースを明け渡してしまった。

マネにミルナーが合わせて隣り合うレーンでプレーに関与していく。ゴール前にはDFの視野のから侵入。相手の守備の流れ、視野の取り方の盲点を理解してゴールで仕事をしている。
この時もサラーのコースをルイスが絞り切れていない。コンセプトにもよるがボールとゴールの中心を結んだ線上をチームで消すというゾーンディフェンスの原則の意識が薄いのではないか。

前回の対戦の時からナポリのサイドの守備が早く外に出て行ってしまう傾向があったのと、ナポリの2CMFがリヴァプールのMFに厳しくチェックしていたことを考慮して、
リヴァプールはナポリのCMFとSMFを分断して、HSにボールがあるときにHSのライン間へのパスルートが生み出せると計画して相手の傾向をより強くさせようとしたのではないか。

リヴァプールは後方から中央3レーンに絞った3TOPへのパスラインを確保するためにSBで幅を取り、SMFを外へおびき寄せフェルミーノのポジショニングで2MFを中へ絞らせ、HSにいるサラーへのパスラインを作り出していた。
得点シーンに関してはミルナーのタッチラインに向かう動きによってハムシクも外につり出すことでより中央の守備を薄くさせた。

ナポリはリヴァプールに「コンパクトさ」を奪われてしまった。


リヴァプール ネガティブトランジッション(pentagonの圧縮)
               VS
      ナポリ ポジティブトランジッション(逆サイドへ)

リヴァプールはZ3&Z2でボールロストが起こるとhexagonを圧縮(FW3ーMF3)+同サイドSBでスペースを圧縮し、ボール奪取or前進させない。
このゲームは攻撃時に高い位置でやりきりことが多く、インテンシティの高い前への圧力でトランジッションのプレーは成功で終わることがほとんどであった。

ナポリの組織的守備で奪ってカウンター。
リヴァプールは攻撃時に両SBが高い位置を取るので2CBのみなっている。
素早く突いてクロスからゴールへ。リヴァプールのカウンタープレスはhexagonをぶつけること。超えられてしまうと深い位置へ侵入されてマイナスのクロスを上げられてしまうとスペースが空く。前半早々のカウンターでも狙いを持って出していたシーンが観られた。しかし、組織的守備の局面がうまくいっていないため、効果的なボール奪取ができていない。意図的な誘導から奪取を行えないと再現性のあるカウンターを仕掛けることは難しい。


ナポリ 組織的攻撃 (hexagonの中で引きつけてライン間を狙う)
             VS 
          リヴァプール 組織的守備(hexagonをぶつけた守備)

ナポリは左SBがマリオ・ルイがサラーとアーノルドの間に入る右はカジェホンがマネとロバートソンの間にポジショニングし幅を取る。右SBマクシモビッチが内側に絞り、hexagonの中へハムシクとアランが入る。出口プレーは3-2で行っていた。前回の対戦時はリヴァプールのマネとサラーの位置が高く、ハムシクとアランへのチェックが甘かったためにhexagonの中の2人がルーズになり、尚且つサラーの裏のスペースをナポリに利用され前進されることが多く、ライン間にいるインシーニェ&ファビアン・ルイスへのチェックも甘くなってしまう傾向があった。
hexagonの中のチェックに行ききれない原因はウイングの裏のスペースを埋める役目をCMFが行うというタスクが見られるためナポリのハムシク&アランに強く行ってしまうMFの後ろでリヴァプールSBが数的不利な状況になってしまうことが挙げられる。

前回の対戦時

ハムシク&アランの管理を強めるために今回の対戦ではリヴァプールは両ウイングの位置を少し下げ、MFがhexagonの中のハムシクとアランに対してのチェックを厳しくすることができる状況を生み出した。それによりナポリの前進に対して高いインテンシティを保って対応した。


ナポリに対して良い状態で前進されることが少なくが、サイドに誘導した状態でプレッシングを行えていた。
それでもZ2で前を向けたときにはリヴァプールのhexagonがサイドに寄ることから逆サイドの高い位置にボールを運びクロスからゴールに迫る。


リヴァプール ポジティブトランジッション
            (HS → 逆のHS → 逆のポケット)
             VS
               ナポリ ネガティブトランジッション

リヴァプールはボールを奪ってから素早く、サイドに展開しクロスからゴールに向かうことができていた。

カウンター時 HS→逆のHS→ファーへのクロス
相手の視野の外からゴール前に侵入する。
HS → HSであれば時間も短く、それでいてゴールに向かいやすく視野も外しやすい。

ナポリはネガティブトランジッションが起きるときにお互いの距離が遠く、ボールに強くアタックできず、ボールを即時奪還できることが少ない。
組織的守備移行していくが・・・

組織的守備の局面(リヴァプールは組織的攻撃)から始まって4局面の構造が回っていると思うので、このフェーズの改善が必要だったのではないか?

まとめ

リヴァプールの組織的攻撃時の計画的なプレーによって深い位置でプレーを完結することが多く、ネガティブトランジッション時に最も自分たちが得意な状態を作り出すことができていた。
ナポリの守備の組織を壊すことで残りの局面でも優位性を保つことが適った。

いわゆる「ストーミング」はトランジッションを支配する。支配するには計画的に「ボールを失う」必要がある。そのためにもマイボール時に計画的に攻撃を行い、意図したところで「ボールを失う」。ネガティブトランジッションでインテンシティを高めるためには相手コートの深い位置にボールを運ばなければならい。どれだけプレッシングを行いやすいいい状態(場所・味方同士の距離感)で「ボールを失う」ことができるのか?
逆の発想で行けばその状態で「ボールを得る」ことは果たして得ることになりうるのか?
どこでどの状態でボールを失うのか?

「ストーミング」 対 「ポジショナルプレー」が話題になるが
「ストーミング」 = 「ポジショナルプレー」なのかなと感じる。

オスピナ アリソン

後半の両GKの活躍はこのゲームのハイライトの1つ。GKが活躍するゲームはエンターテイメント性が高まります。

そして、ミルナー。このレベルであそこまで走りきる。高強度高頻度の鬼。走ることができるだけではなく、非常にインテリジェンスを感じます。


This is anfield  とんでもないところです。


プレミアリーグでも首位に立った。リヴァプール。ダイナミックで大胆で情熱的なサッカーを展開するチームですが、中身は非常に繊細な計画が隠されているのではないでしょうか?
多くのプレー原則が潜んでいるのではないかと思うのですが、判断が共有されているのでそういうチームは選手もやっていて楽しいはず。


プレーモデル(ビジョン)こそがリーダーシップ

全体から細部へ。細部は全体があるときに初めて意味をなすのでないでしょうか。自分たちがどこへ進んで行くのか?サッカーをプレーするということの上ではプレーモデル(ビジョン)こそがリーダーシップを発揮しているのだと感じさせられます。


ビジョンとは遠くに見える富士山の頂上ようなものかなと思います。
なぜあの場所に向かうのか?(WHY?)あの場所に向かっていくためにどういった考え方(HOW)が必要で、実際に何が必要なのか(WHAT)を具体的にしていかないと富士山頂上にたどり着けません。
富士山に向かうだけでは不十分で、富士山に着いたときに登山の準備するのではなく、富士山に向かいながら富士山に登る準備をしていきたいものです。
目的を理解し、どんなことが考えられるのかを学び、何が必要なのかを事前に準備し、旅をしながら更新していく。あまり荷物が多いと重くて疲れちゃいますよね。できるだけシンプルに。

集団でシンクロして動いていく様はチームとして心の繋がりを感じさせます。
サッカーをしていく上で、心が繋がった状態でチームとして何かを成し遂げたときの素晴らしさ、幸福感、一体感。
人はそれを求めてプレーし、支えるのだと思っています。
心が繋がりプレーが形作られていく。そしてそのプレーで目標を成し遂げる。1人のコーチとしてあの素晴らしさを1人でも多くの選手に感じて貰いたい。それを生み出すものがビジョン(プレーモデル)ではないかと思います。リヴァプールにしてもマンCにしても、どのカテゴリーであっても明確なプレーモデルがあるチームってプレーしていて気持ちよさそうじゃないですか?(笑)

この人本当にサッカー楽しんでますね。

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