見出し画像

マルチリンガルが教える第二言語習得プロセス

僕は台湾で日本語教師をしているのですが、大学でも「日本語教育専攻」を卒業しています。

教育大学だったこともあり、中高国語科の教育免許も取得し、更には副免として中高英語科の教育免許も取得しました。

英語の教育免許を取得する際に「第二言語習得法」の講義で学んだ「第二言語習得プロセス」が1人の外国語学習者としても第二言語を教える立場としてもかなり有益だと感じています。

実際にこのプロセスを意識することで、僕自身英語、韓国語、中国語のマルチリンガルになれました。

しかし、第二言語習得の現場ではこのプロセスが語られることない現状が少し悲しくも思います。

ネットでもこのプロセスを調べてみたのですが少し内容が難しかったので、外国語学習者として僕が意識していることを紹介したいと思います。


第二言語習得プロセスとは?

まずは第二言語習得プロセスについて紹介します。

ネットでも調べれば出てくる情報ですが大まかに第二言語習得のプロセスは以下の通りです。

インプット(Input)
 ↓
1. 気づき(Noticed Input)
 ↓
2. 理解(Comprehended Input)
 ↓
3. 内在化(Intake)
 ↓
4. 統合(Integration)
 ↓
アウトプット(Output)

※今回はこちらのサイトを参照しました。


ただこれだけ見てもよくわからないですよね。。

ということで、普段僕が言語を学習する際に意識していることをわかりやすく紹介します。

第二言語習得プロセスにもありますが、僕が外国語を勉強する際にまず行うことはインプットを大量に浴びることです。


インプット

長い道のり(終わりがない)言語習得の全ての始まりはインプットから始まります。

インプットなしにアウトプットは生まれません。

インプット、この言葉の通りまずは言語を浴びることが必要です。とにかく学習したいと思う言語に触れること。このインプットが多ければ多いほど第二外国語学習にとっては有益と言えるでしょう。

外国語で音楽を聞く、映画を見る、本を読む、会話を聞く、などこれら全てインプットに当たります。

僕が中国語の勉強を始めた時にまず行ったのはとにかく単語を覚えること。中国語を学習する場合は単語の意味や音を覚えるだけでなく、声調を覚えることもとても大事です。

僕自身単語は覚えているはずなのに声調が間違えているために全く通じないという経験を何度もしました(今もしています...)。なので単語を覚える際は声調もしっかり丁寧に覚えることをお勧めします。

また本を読んだり単語のCDを聞くだけでは不十分なので、youtubeなどで実際の会話を聞いたりすることも非常に有効でした。

とにかくインプットをすること、これに尽きます。


気づきを意識せよ

先ほどはインプットをとにかくすることの大切さについて話しましたが、ここではインプットする際に注意してほしい大切なことについて紹介します。

これはすごく大事なのですが、インプットする際に意味を予想をしながら意識してインプットすることでインプットの質がかなり高まります。これが第二言語習得プロセスでいう「気づき」です。

わからない言葉があっても「この言葉ってこういう意味かな?」「この文法ってこういう場面でも使えるのかな?」こういうことを意識しながらインプットすることで自分の中でたくさんの発見が生まれます。

インプットというのはとにかく言葉を浴びることだと言いましたが、いくらたくさんインプットを浴びても意識せずに気づきがないインプットはそのまま自分を通過してしまいます。それでは何の学びもありません。

しかし、意識をして気づきを得ることで自分の中で「あれ?これってこういう意味かな?」という仮説を立てることができます。

僕が普段日本語教師として日本語を教えていて「この生徒はセンスがあるな〜」と思うのはやはりこの「気づき」がある生徒だと思います

わからない言葉でも自分で推測して意味を理解できる生徒はやはり学びが早いです。やはり「意識して気づく」この能力は言語を習得する上でとても大事ですし、日常的に鍛えることでだんだん強くできる能力だと思います。

気づいた言葉は自分の中でどのように使用すればいいという理解へと進んでいきます。


意味が通じる言葉を増やす

インプットに対し、気づき理解した言葉を今度は自分で使えるようにする必要があります。そのためにはとにかく自分が学んだ言葉を使うことが大切です。

間違っていてもいいのでとにかく自分が学んだ言葉を使ってみます。そしてもし相手に伝わらなければ自分が気づいて理解した言葉の意味や使い方が間違えていたということなので、またインプットから気づきのフェーズに戻ることになります。

一方、もし自分が使った言葉が相手に通じたらそれは自分の気づきや理解が正しかったという証明になり、予測が合っていたということです。第二言語習得プロセスではこれを内在化と呼びます。

自分の使った言葉が合ってた!これから使っていこうという感じです。

ここで大切なのは自分の気づいて理解したことをとにかく使う、失敗を恐れないということです。

よく外国語を学ぶ人にあるのですが、「間違ったら恥ずかしい」という意識ですが、それは言語を学ぶ上ではかなり邪魔なノイズとなります。言語を学ぶ上で間違えるのは当たり前です。

私たちが国語のテストで毎回100点を取っていなかったのに、外国語の勉強で100点を取ろうという意識は持たなくてもいいのです。

ここで大切なのは間違えてもいいからとにかくトライしチャレンジを繰り返すことです。

意味が通じなかった言葉はまた学びなおせばいいだけです。それよりも自分がトライして意味が通じた言葉を増やすことに注力するべきだと思います。

外国に住むメリットとしてはこのトライアンドエラーをできる環境にあるということです。

僕は台湾に住み始めたこととにかくいろんな人に無駄に話しかけました。「は?」や「あ?」という言葉を言われ心折れかけたこともありましたが笑、とにかく言葉を使いました。

結果そのおかげで中国語を学ぶスピードがかなり上がったと思います。


言葉を自分の物にする

先ほどトライアンドエラーを繰り返し意味が通じた言葉を増やそうという話をしましたが、意味が通じた言葉を定着させ、自分の物にするということが言語を話す上では必要となります。

一度意味が通じて喜んでいても、忘れてしまっては意味がありません。なので自分が学んだ言葉を繰り返し使用し、自分の中でいつでも自由に引き出せるようにしなければなりません。

個人的にはこれのいい方法というのはわかってないのですが、とにかく意識して会話の中で使っていくしかないかなと思います。

会話の中で2回、3回と使用する回数が増える毎に定着率も高まると思います。

ちなみにこれが、第二言語習得プロセスでいう統合です。

ここまでのプロセスを辿ることで自由にアウトプットして外国語で会話ができるようになります。

あとはひたすらこのサイクルを繰り返し、定着した言葉を増やしていくことで自分の言いたいことが外国語で伝えられるという状態になります。


外国語を学ぶ上で知ってほしいこと

みなさんご存知のとおり、外国語学習というのは簡単ではありません。特に外国語の勉強を始めたばかりの頃は全然理解できないし、言いたいことも言えないしとても悔しい思いをすると思います。僕もそうでした。

しかし、外国語の学習というものは時間がかかるということを忘れないでください。学習スピードの早い遅いはありますが、どんな人でも1日や2日で喋れるようになる人はまずいません。

外国語を学ぶ時は多少なり焦りを感じてしまいますが、それはしょうがないことです。ただ大切なのは自分ができることを毎日繰り返し行うということです。

そうすれば少しづつ自分ができることが増え喜びに繋がります。

言語を学ぶこと。それは自分の喜びを増やすことだと僕は思っています。

なので苦しいだけの言語学習は本来の意味からかけ離れています。もちろん苦しい時期もあるとは思いますが、言語は楽しいもの。この事実を忘れないでいただきたいと思います。

長々となってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。


いつもありがとうございます。僕は夢や目標に向かって努力する方をサポートしたいと考えています。皆様からの支援はレベルアップするための学習資金として使わせていただきたいと考えています。是非よろしくお願いいたします!!