見出し画像

第372号『出来るかどうかわかりませんが頑張ります』

「出来るかどうかわかりませんが頑張ります」

ゲームソフトを作る仕事に限らず、それがアニメや映画であれ漫画であれ創作や制作の現場でよくこんな言葉が飛び出す瞬間があります。

私はこの言葉が飛び出すとそれは危険信号だと認識します。

現場の若手スタッフなどが思わず口にしてしまいがちですが、これはかなり危険な信号です。

だって『出来るかどうかがわからない』のですから。

「スケジュール的な意味合いでは無くてただの根性論として述べているだけでは?」と思われるかもしれませんが、やはり危険です。

創作や制作の現場ってよく勘違いされがちですが、出来るかどうかがわからない状態で作っている人は1人もいません。

よく周りからは「やっぱりインスピレーションによってパッと閃いたりしてモノを作っているんですよね」と思われたりもしますが、決してそんなことはありません。

創作や制作の現場における鉄則は『絶対に出来ることをやる・だから任せる』というものです。

『○○が得意・好きだから◇◇さんに任せよう』という判断です。

だから採用する時にもその人の得意領域がどこにあるのか、どれだけの制作能力があるのか、ということをしっかりと見極めた上で合否を判断します。

作る力があるかどうかもわからないけれどとりあえず入社させてみよう、なんて判断には絶対にならないのです。

入社後の教育や成長も加味した上で採用することは当然ですが、一定の能力値がボーダーラインを超えていない限りやはり採用はできません。

『人柄』が『能力』を上回るような判断では決してありません。

あくまで『能力』があることを前提で、その次に『人柄』として成長性に期待するのです。

*****

だから現場で「出来るかどうかわかりませんが頑張ります」なんて言葉が飛び出すと私は「ちょっと待った」とストップをかけて具体的な確認をするようにしています。

いつまでに・どれぐらいのクオリティで・例えるのなら何に似ているイメージなのか、といった具合に細かく確認をしていきます。

そうするといつまでにどんなものが出来上がるのかがハッキリとしてきます。

もちろん何かしらの理由で遅れが発生することもありますし、なかなか目指していたクオリティに到達しないケースもありますがそれはその都度で確認を取るようにしています。

肝心なのはやはりスタート地点。その時点で見えていないということは非常に危険です。(絶対に到達できません)

これはある意味での社風や文化といった観点の話かもしれません。

「サイバーコネクトツーの印象は?」と聞かれると結構な人数の方々が「体育会系・少年漫画のような根性の会社!」とおっしゃったりします。

これはたぶん私の顔などをイメージして『少年漫画=根性!』みたいなキーワードが連想されているのかもしれませんが、実はまるでそんなことはありません。

作るモノと作り方はまるで異なるということです。

そもそも私は体育会系のノリが大嫌いです。(これもよく「意外です」って言われたりしますが)弊社内にいるスタッフや昔から私をよく知る人たちはその私の性格を理解しているので、体育会系のノリで物事を進行しようとする人間はいません。

むしろ『丁寧で几帳面な性格』であるということを理解してくれています。

血液型でいうと『A型』です。(事実私は『A型』です)

『スピード+パワー+精密な動き』が備わっているのでスタンドで言うと間違いなく『スタープラチナ』タイプということですね。(あれ、この例えは失敗してるな、どうしても「オラオラ」が聞こえてくる)

*****

さて、今回はなぜ「出来るかどうかわかりませんが頑張ります」という言葉をNGワード=危険信号としたうえで記事としているのか?

ほとんどサイバーコネクトツーの社内スタッフ向けに書いているようなものですが、『新しい企画などを立案する際の考え方や価値基準』について語っておこうと思って書いています。

たぶん凄く当たり前の事を言うことになりますが、前述の通り私のことを『根性馬鹿』だと思ってらっしゃる人たちにとっては意外な考え方なのかもしれません。

一般的には『新しい企画が採用される時の判断基準』というものが理解できるかもしれません。

それでは張り切っていきましょうか。

新しい企画が採用される時の判断基準

ここから先は

1,670字

¥ 300

良かったらサポートいただけると嬉しいです。創作の励みになります。