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ロボットが高齢ドライバーの"相棒"に。運転支援で事故率を減らす!【名古屋大学】

こんにちは。PLEN Roboticsのインターン生、鈴木です!
だんだんと暖かくなり、外にお出かけしたくなる季節がやってきましたね。

ということで本日は愛知県名古屋市に出張してきました!どうやら、名古屋大学で弊社プロダクト「PLEN Cube」を使った研究が行われているようです!

◯HMIってなに!?

さっそくやってきました。名古屋大学 未来社会創造機構 HMI・人間特性研究部門!本日は田中貴紘教授の研究室にお邪魔させていただきます。

田中教授は、こちらでHMIの研究をされています。
HMIとは、「Human Machine Interface」の略。つまり、人間と機械が情報をやり取りするためのインターフェース(接点)のことです。
今回、その接点として採用されたロボットの1つが、「PLEN Cube」というわけです。

一体どんな研究なんでしょうか!?

田中教授とチームの皆様


◯「ロボット」が高齢ドライバーの事故を減らす!?

天下の『トヨタ自動車』を擁するだけあり、愛知県は「乗用車保有台数」が全国1位。2位の埼玉県に100万台もの差をつける、日本でも随一の車社会ぶりです。
参照:https://www.pref.aichi.jp/soshiki/toukei/jyoyosha.html#:~

ですが昨今の深刻な問題として、高齢ドライバーによる交通事故があげられます。超高齢化社会にあたり、運転をする高齢者の割合は年々増加しています。アクセルブレーキの踏み間違いや、高速道路の逆走など大変な事故が増え、社会問題となっているのをあなたもよく知っているはず…。

実は、高齢化によって起こる変化は、視覚といった身体機能や認知機能の低下だけでなく、自己中心的・非妥協的、長年の経験による過度な自信といった性格的な変化も見られるそうです。

そんな背景から、田中教授は、ロボットを使った「高齢ドライバーの運転行動変容」を研究されています。



◯ロボットが運転見守りの"相棒"に!

運転行動改善を促す「ドライバーエージェント」

田中教授が研究・開発を進めるシステム「ドライバーエージェント」は、ロボットが車のダッシュボードに座り、ドライバーの運転支援を行います。
例えば、歩行者を見つけた場合には「歩行者ですね」、
揺れを感じた際には「おっと」、
一時停止の際には「一時停止ですね」と注意を促します。
交差点に入ったときには、ロボットが左右を交互に向く動きをすることで、ドライバーにも左右の安全確認を示唆するという働きもします。

また、運転中の注意喚起だけでなく、運転終了後、の振り返り支援も行います。自宅に戻ったタイミングで運転評価を伝え、ドライバーに自身の運転の改善点に気づいてもらいます。
運転中に評価を伝えると心情的に受け入れがたかったり、時間的な余裕もないことから、御店後の落ち着いているときに改めて見てもらうようにしているんだそうです。自動車学校でもそうだったのではないでしょうか?

→この2つのステップを繰り返すことで、ロボットに対する信頼感や愛着が醸成されていきます。つまり、「相棒」として認めてもらえるんですね。

そうなんです。田中教授によると、「相棒」はロボットである必要があるといいます!
「誰からの注意喚起・アドバイスであれば受けたい/受けても良いか」を「運転指導員・配偶者・子ども・孫・友人・車・ロボット・誰からも嫌だ」の選択肢から回答してもらったところ、以下のような結果になったそうです。

【1位】運転指導員 63%
【2位】ロボット 38%
【3位】車 25%

やはり、「家族や友人から運転中にああだこうだ言われるのは嫌だ」という人が多いという結果に。正しいアドバイスを受けたとしても、「分かってるから黙ってて!」と素直に受け取れない場合もありますよね。ひょっとしたら、あなたも心当たりがあるのでは…?

ですが、「ロボット」という無機質な存在が客観的に指摘してくれれば、「確かに。ありがとう」と納得できると考えられます!


正面から見た「PLEN Cube」


Q. 音声ナビではダメなの?

鋭い!そうですよね、既存のカーナビでも危険を検知し、運転をアシストしてくれるものもあります。

ですが田中教授は、ロボットだからこその良さがあると言います。
というのも、ロボットが乗っていることで、「同乗者効果」が発揮されるんだそう。
つまり、助手席に人を乗せている感覚。これによって、さらに運転に集中した状態になるんだそう。
「同乗者効果」をより発揮させるため、「PLEN Cube」の首をわざとゆらゆらと動かし、生命感を出すといった工夫も施されているのだそう!細かい仕掛けに脱帽です…。

とは言っても、 運転中のため注意を引き過ぎないことも重要です。映像だとついつい眺めてしまいがちですが、ロボットはそのものが動くため、視界に入れておくだけで動いたかどうかが確認できます。動いたら見たくなる、という人間の心理にかなっていますね。

実際、音声/映像/ロボットの3つを比較した実験を行ったところ、高齢者もそうでない方も、ロボットが1番との評価を受けたそうです。分かりやすく、邪魔にならない。最適解がロボットだったんですね。

ちなみに弊社の「PLEN Cube」以外にも、あの「ロボホン」も"相棒"として採用されています!


Q. ドライバーエージェントによって、事故率にどれほど差が表れるの?

全国50名の応募者を対象として行った3ヶ月間の実証実験を行った結果、高齢者もそうでない方も、約7割の方の運転が改善されたそうです!

田中教授は、「今後の社会実装のため、ドライバーエージェントの支援コンテンツをさらに充実させたい」とのことでした。また対応するロボットも増やしていきたいそうです!


◯まとめ

これまでの「PLEN Cube」は、学校や会社などの建物内で使われることが多いので、車に搭載された姿を見るのは新鮮でした。顔認証技術を使ったDX業務だけでなく、今回のような全く新しい社会問題解決に貢献できるのは光栄ですね。
これからも「PLEN Cube」には色んな方面で活躍してもらいます!

田中教授をはじめとしたチームの皆様、研究室にお邪魔させていただきありがとうございました!


最後まで読んでいただきありがとうございました。
YouTubeでもぜひ研究室訪問の様子をチェックしてください🔍


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