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『あの夏の日にいたガキ』

少し離れた街中を行き交う人

ウインドウ越しに着飾ったマネキン


すっかり秋の様相


自分だけが夏の様相を呈して

音楽も観るものも夏のものばかり


痩せ我慢をしているのではなく

いつもの自分、普段通りの姿


確かに

愛おしい気持ち、恋しい気持ち


あの頃に嗅いだ匂いは忘れられない


そんなに恋しいのか


あの夏は、もう二度と戻ってこない


その方がいいって思う

あの想いは苦いものだったかも知れない


夏に落としてきたもの

手でさっと払われて捨て去られたもの


凄く邪魔で、軽いものだったのかも知れない

夏の日の思い出


今も夏は終わっていない

自分の中だけは暑い夏のままだから


子供のように向きになる


そんなに悪いのか

本当の意味で、社会不適合者なのだろうか


このところ

向きになる自分が、やたらと登場する


真剣に向かおうとしている道には

タンポポが咲き、夏草が風に揺れている


あの頃の、海の潮の香りが懐かしく

Tシャツに染み付いた汗の匂いを嗅いでごまかす


いつまでもガキっぽい

夏のまんまの自分が、疎ましくも幼気で


早く卒業しろよって

言いたいけど言い切れないでいる


あの夏の日の思い出は

忘れたいけど忘れられないものだから



いつまでもガキの姿で



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