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『君の空へ』を口ずさみ

10代前半のころ、わたしはドラゴンボールZのアルバムをくり返しくり返し聴いていた。

中でも大好きだったのが、
『君の空へ』だ。

オープニング曲・エンディング曲というわけではなく、ドラゴンボールZのイメージソングとして制作された曲だ。

一般的に広くは知られてはいないが、知る人ぞ知る名曲である。

数えきれない場面が
僕の中で 君の中で 光ってる
初めて会った場所から
今ここまで 光り進む道

長い旅の途中で くじけそうなとき
いつも君の笑顔があった

この青い星の上で
僕たちが出会えたこと
君とワクワクできたこと
きっと繫がってく
明日《いつもの笑顔で》
君の《進む》
向かう空へ

ドラゴンボールZ イメージソング
『君の空へ』

今でもよく覚えているが、小学6年生の時、なにかの授業で「好きな言葉を書こう」みたいな課題が出た。

小学校卒業を控えた、まさに今くらいの時期だったと思う。

その課題に対して、わたしは真っ先にこの歌詞を書いて提出した。

「この青い地球の上で〜」の部分だ。

先生が「たとえば……」の例として、これをみんなの前で音読してくれた。

ひとりで聴いてひとりでたのしんでいた大好きなものをみんなと共有した瞬間、心の中を覗かれるようで正直すこし恥ずかしかったが、みんなにシェアできたことがとても嬉しかったのを覚えている。

「ねえみんな!これ良いっしょ?!原曲ほんと良いから聴いてほしいなーーーーー!!!!」と心の中で大声で叫んでいた記憶がある(※心の中で)。

まあでも、94年生まれって絶妙にドラゴンボール世代ではないから、まわりに分かり合える同級生はあまりいなかったのだが。


わたしの人生観のベースになっている作品・人生のバイブルのような作品のひとつに、疑いようもなく “DRAGON BALL” がある。

冒険心・探究心・好奇心・向上心、他人にやさしくあるということ、仲間を思いやるということ、強い敵にも立ち向かいつづけること、どんなときもユーモラスであること、たたかうこと、生きること、いなくなること、出会うこと、分かれること、旅をすること、願うこと、祈ること、空を見上げること。

たくさんのことを教えてもらって、その土台のうえに今のわたしがある。


今これを山形から東京に向かう新幹線の中で書いている。

山形では朝から重めの雪がドサドサと降っていてグレーの低い空が広がっていたが、福島あたりからは晴天。

新幹線の窓から、光の多く白みのある突き抜けるような青空が見える。

この青い星の上で
僕たちが出会えたこと
君とワクワクできたこと
全てが繫がってく
どんな靴を履いたって
まっすぐ歩いて行ける
僕たちの晴れた心
そこには星がある

ずっと 輝き続ける
夢を 希望を
君の空へ

ドラゴンボールZ イメージソング
『君の空へ』


今日はなんだか空が高く、深い。

すべてを包みこんでくれるような、誰かが見てくれているような、どこまでも連れていってくれそうな、そんなやさしい温度を感じる。

『君の空へ』を口ずさみながら、ぼんやりと見とれている。

ああ、久しぶりに、悟空たちに会いたくなってきた。


鳥山明先生、あの愛すべきみんなに出会わせてくれて、ありがとう。

世界のうつくしさを教えてくれてありがとう。

ご冥福をお祈りいたします。

どうか安らかに。

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