映画 “PERFECT DAYS”
劇場が明るくなっても、しばらく立ち上がれなかった。
胸はいっぱいだし、涙は止まらないし、頭の中であの場面この場面がリフレインしているしで、もうね。
なんどもため息がもれ、つられてほほ笑み、つられて泣き、胸をいっぱいに満たしたものがあふれてはハンカチをぬらし、いつか東京で見た景色をなつかしみ、あの頃と今の生活をなぞり、音楽に酔いしれ、音と光と風にめぐる時間と季節を感じ……そんな2時間。
やかましいくらいの静けさが、まぶしいくらいの影の濃さが、これでもかと畳みかけてくる映画