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今年の振り返り企画:創作自選5作

年の瀬らしい「ひとり企画」をやりたいな、と思いました。
世間では、今年の漢字、今年の流行語、今年のヒット商品……いろいろな切り口で《今年》を振り返っています。

まず、いただいたコメント中の名言特集を行いました:

コメントは「個人的なチャットであって作品ではない」との考え方もあるでしょうから、私としてはほぼ100%感謝の表明なのですが、賛否あるかもしれませんね。

その次の企画が、
・今年noteに上げた創作小説を振り返り、お気に入りのベスト5を選んでみよう!
です。

小説なんちゅうのは、ひと様に読んでいただき、好き!と言ってもらってナンボ、ですので、自分で選ぶものではないのでしょうが、自慰行為には自慰ならではの快感もあり、やってみようと思います。

『いやいや、それは面白くなかったよ』
『それよりも、これだろ!』

など、異論は大歓迎です。コメントでご教示いただければたいへんありがたく思います。

実は、このところ、やや長すぎるため「分割連載」した作品を「一括再掲」しているのは、この「振り返り」で引用するためなのです。

さて、個人的に1番に推したいのは、ユウタくんシリーズのうち、立会演説会で《世襲議員》とのやりとりを戯画化した、次の作品です。

1.すぐそこにある《世襲》

このシリーズ中では他に、《政教分離》《アウトソーシング》も悪くないのですが、前者は小学校の上級生、後者は母親、と身近な人間をやりこめているのに対して、政治家相手に他流試合を行っているところに好感を持ちます。

ユウタくんと1位を争ったのは、やはり歩美あゆみちゃんです。

2.スーパー・やおいの《渋滞レジ》

歩美あゆみちゃんもこれまで、熊やモグラ、返品女王にストーカー、と厄介な連中を相手に奮闘してきましたが、今回は難題でした。
誰でもがいずれはその立場になる老人客と、スーパー創業期の功労者ながら顧客対応が時代にそぐわなくなってきたレジ係、──《渋滞》要因の二兎を一挙に、
「なんとかしなくっちゃ!」
とマジックを考えたわけです。

3.元日の客

20代の頃、毎年年賀状にオリジナル小話を書き、プリントごっこで印刷していましたが、その中のひとつに「こたつの神」という小品がありました。
今年の元日にアップした歳神としがみ様の来訪ストーリーはそれを膨らませたものです。さらに、この話に夏木凜さんからいただいた質問コメント:

歳神様に居候されたら他の女連れ込めないですね…。
それか、いい人現れたら帰っちゃうのかな🤔

夏木凜さんコメント

に返事を書く形で続編を作り、今回、一括再掲しました。
いただいたコメントとの相互作用で続編や関連作品が生まれるのは楽しいものです。

「神様もの」としてはもうひとつ、成人の日がらみで書いた、産土神うぶすながみの訪問を受ける「肩の上に」も大好きな作品です。
こちらにしようか、かなり迷いましたね。

4.社内結婚披露宴

社内カップルの披露宴に、悪意ある上司が仲人としてスピーチを行う話で、実際にはかなり前に書いたものです。

5.泳ぐ女

フシギな味の短編です。
「あ、……俺ってこういうモノも書くんだな」
と地上30メートルぐらい上空からドローンで自分自身を含む景色を俯瞰している気分でした。
1-4位はなんとかコメディ小説家の範疇ですが、これは異質です。

「泳ぐ女」はある種の「寓話」であり、実際、寓話や(オトナ向き)童話は、私の好きな創作領域です。

以下、やや蛇足ですが、この機会に:

寓話があまりウケない(アリエルさんには応援いただきましたが)のは、このnoteという《場》の特殊性にもよるのかな、と思うのです。

小説を読む愉しみのひとつは、非日常世界に分け入っていくことです。
でも、noteでは(私のnote自体がそうなのですが)、フィクション(創作)よりノンフィクション(エッセイ)が多く、しかも両者が混在しているため、読者は創作も「日常」を(たぶん)期待しており、「日常」として読む。従って、歩美あゆみちゃんやユウタくんも「日常」光景にはめ込んで読まれる。
そんな中で「非日常」の物語には、違和感を感じる人が多いのかもしれません。

私はといえば、コメディを書く方は「日常」の方がフィットしますが、読む方は、note内であっても、「非日常」の物語が好きです ── やや矛盾していますが。

「非日常」に惹き込まれるような作品、例えばFouFouさんの(もっと好きな眺めの作品が以前は公開されていました):

たべさんのこの作品:

・みなさんは拙作の中でお好きなのは?
・note内創作読書は「日常」派? 「非日常」派?

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