うまくやってゆこうよ、花粉さん

今年も花粉さんが猛威をふるっている。

私とスギ花粉さんとの付き合いは長くて、幼稚園ごろからだったか、とにかく物心ついたころから花粉症だった私は、花粉症じゃない春を知らない。

とかく悪者にされがちな花粉さん。かくいう私も、ずいぶん長いこと、この時期はあまりのツラさに「っだーーっ、もう! 花粉のヤツ!!」と思っていた。

だが、気づけば30年近くの長きにわたる付き合い。もうここまでくると「やあ、今年も来たのね、花粉さん」となってきた。

毎年毎年忘れもせず、この季節に私の鼻と目に熱烈なアプローチをしかけてくるキミ。敬意を表して、花粉さん、と呼ぼう。

好きじゃなくても縁をきれない、腐れ縁の旧友みたいなもんである。「やー、今日はまた、ずいぶんと多いね、元気だなぁ、花粉さん」。

目を細めて(花粉さんの侵入を防ぎつつ)そんな感じの心もちになることで、なんとか自分のメンタルを保ち、目や鼻のズビズビと向き合う日々だ。

* * *

花粉症やアレルギー体質というと、特に年長者からよく、「現代病ね」「アレルギーは昔はなかった、食生活の変化によって云々カンヌン……」という「キミたちは軟弱だ」論が唱えられる。

まあ、そういうところも実際大いにあるんだろう。原始時代からみればそりゃあ、長いスパンをかけて、現代人は軟弱になるように、進化というか退化というか、とにかく変化を遂げていることは確かだろう。

私も以前はそういった情報に振り回されて、いろいろ試してきた。作られたテレビの情報を鵜呑みにして、トマトの成分がいいと聞けばトマトのサプリを飲み続けてみたり、腸内環境が大事と聞けばヨーグルトを食べ続けてみたり。もちろんバランスのよい食事は前提として。

いやー、でもね、腸内細菌をいきいきさせても、食物繊維がんばってとっても、少なくとも私は歴然とした差は出なかった。気持ち的に、「うーん、そういえば例年よりちょっと症状軽いかな??」くらいの、プラセボ効果くらいなものだと思うのだ。

最低限、バランスのとれた食生活や規則正しい生活、やってるやってる。けっこう気をつけてるんだってば。

そんな自分からすると、花粉症じゃない第三者から「食事とか結構大切らしいわよ云々カンヌン……」と言われると、苦笑するしかない。んなこたーとっくにやっとるわー的もやもやをぐっと押し込めて、らしいですねーと受け流す。

生活環境の改善や食事の改善、無意味ではないと思う。もともとそれらが乱れているという自覚があるのなら、それが原因となって悪化していることもあると思うし。

けれどそれらを整えている上でのアレルギー反応は、もはや生まれもった体質に過ぎないのだ、きっと。いろいろな試行錯誤を経て、最近はそう思うようになった。

* * *

そう思ってからは、無駄な抵抗を試みるのをやめ、自分が花粉さんに対するアレルギー反応を持っていることを受け入れ、フツーに薬を飲むことにしている。

耳鼻科に行って、処方薬の飲み薬と目薬をもらう。できれば花粉本格シーズン前、症状がひどくなる前から薬をのみはじめる。効きはじめるまでに、少し時間がかかるから。

いや、もう、正直にいってこれがベストだと思う。

もうね、我慢しないことだ。受け入れると、十分な対策ができるし、実際、症状は圧倒的に軽くできる。

「べつに風邪じゃないし、目のかゆみとくしゃみくらいだし、花粉症でかかさず薬飲んでますとかよわっちい現代人みたいでイヤだな、ズビッ……。」となりながら、耐えている人を見かけるが、もう我慢はやめたまえ(笑)。

だって我慢していても、何もいいことはない。

集中力の欠如で仕事のパフォーマンスはさがるわ、周囲も気使うわ、何より自分も苦しいわ。よわっちい現代人である自分を認めて(別にそれは自分のせいじゃなくて歴史的な長いスパンのうえでのものだから気にすることはない)、シーズン中は薬をかかさず飲めばいい。

まったく症状がなくなるわけじゃないけれど、飲むと飲まないとじゃ雲泥の差、QOLあがりまくりなのである。

ちなみに成分的には同じ薬が市販薬でも買えるけれど、処方薬だとほぼ同じ成分(厳密には添加物には差があるものある)の薬が診療費込みで考えても明らかに安く入手できるので、長期服用には処方薬がお得だと思う。

でも医者へいく時間なんてないわ!って人は市販薬でもいいから、もう今からドラッグストア行って買って飲んだらいいと思う。私も忙しいときは市販薬のお世話になっていたし、医者へいく時間やそれまで味わうつらさ、仕事のパフォーマンスを考えたら差額分の価値はあると思うので。

* * *

アレルギー体質はもう、認めて受け入れて、「うまくやってゆこうよ、アレルゲンさん」となるしかないというか、そうなる方が生きるのがラクだなぁと、今は思う。

我が家は、私も夫も、もちろんその間に生まれた娘も、みな何らかのアレルギー体質だ。娘はアトピーに加えて複数の食物アレルギーもあり、食事や生活に確かに気はつかうんだけれど、別に悲観することでもないなぁと。

もやもやした状態だからもやもやした対策しかとれないのであって、ちゃんと検査をして負荷試験も定期的に行って現状を把握すれば、必要な対策がわかる。

その上で日々の暮らしの中で必要なこまごまとしたことを、たんたんとやっていく。食事の内容や皮膚のケア、そりゃ毎日のことだから大変なんだろうが、習慣になってしまえばそれまでだ。

「絶対に完治させないと!」とか、そういう気持ちがあると疲れる。最初の頃は肌がきれいになった!と喜んだらいきなり悪化してなかなか改善しなかったりもして、その度に一喜一憂して、それを繰り返して、たいへん疲れた。

体質なんだから、いいときもありゃ悪いときもある。

うまく付き合ってゆこうぜ、それくらいがちょうどいい。

* * *

そんなわけで、花粉症のみなさん。耐えているみなさん。

製薬会社のまわしものでもなんでもないけれど、軟弱な現代人は、その代わり現代医療を存分に活用してQOLを向上させたらいいんじゃないかと、当事者として思うわけであります。

あ、もちろん、洗濯物を部屋干しにするとかマスクするとか基本的なところはもちろん続けたうえでね。とりあえず、認めて受け入れて、服薬含めてやれる対策全部やったら、もうだいぶ違うから。

花粉さん、今年もおつとめご苦労さまです。

今後も長い付き合いになりそうですね。

まあお互い、うまくやってゆきましょう。

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エッセイはとつぜんに

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