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障害は社会が作る

障害の社会モデルという定義があります。
ICF(国際生活機能分類)モデルといいます。

障害を個人の心身機能や能力の問題として、そこに直接アプローチをする医学モデル(ICIDH国際障害分類)に対して定義されたものです。

上がICD社会モデル、下がICIDH医学モデル


医学モデルは、その名の通り、リハビリなどで使われている定義です。
個人の機能や能力の不全が原因で社会的にも障害が起こるという考えで、個人の機能治療や訓練などで伸ばすことで障害を克服します。
例えば、怪我をして動かなくなった脚をリハビリをして機能回復をするなどです。
発達凸凹さんで言えば、できないことを練習してできるようになること、凹みを平らにしようとすることです。
言葉を話せるように文字を書けるように練習するとか、音に慣れさせるとか、衝動を我慢するとか。
それは凸凹さんにとっては苦しいことです。


社会モデルは、障害は、個人の心身機能の問題と、社会や環境との関係から生じるという考え方です。
個人の心身機能や能力問題として見て、その機能を上げたり治したり、その人自身が変わることだけを求めたりするのではなく、環境を生きやすいように整えて、社会や活動に参加して生きづらさをなくすことです。
例えば、段差をなくす、点字ブロックを敷く、筆談をするなど。
発達凸凹さんで言えば、まだ見えないものを見えるように整理する視覚支援、刺激を減らして場所を整える構造化、ICTの活用などが挙げられます。

私は大学の頃に学んだので、15年以上前からある定義です。
だけど、それを知っている人がどれだけいるのか。
福祉や教育に携わっている人でさえ、知っている人が少ないと思います。
障害者差別禁止法が定められて合理的配慮という考えが広がってきましたが、障害は社会や環境が作るという考え方はまだ一般には知られていないと感じます。


障害は個人の問題ではなく、社会の問題。
個人の能力を上げることだけがんばらせるのではなく、社会や環境を整えることに周りもがんばらないといけない。
社会や環境が整えば、生きやすくなります。いろいろな人が社会で過ごしやすくなります。

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