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経済産業省の学生向け起業家プログラム「ゼロイチ」の検討に向けた意見募集を実施 -PoliPoli Gov 活用事例-

🌻こんにちは!PoliPoli行政事業部です。

このnoteでは、2023年5月に始まった経済産業省(以下、経産省)の学生向け社会的起業家アクセラレーションプログラムの検討が行われる中で、PoliPoliのサービスがどう使われたかご紹介します。

プログラムの構想が行われる中で、プラットフォーム「PoliPoli Gov」での意見募集、また、PoliPoliのネットワークで開催された官民共創型の有識者会議が活用されました。

経産省の担当者の方に、今回集まった意見がどのような形で活かされていくかお伺いしたのでどうぞ一読ください💁‍♂️🎤


「ゼロイチ」とは

「ゼロイチ」は、経産省、ボーダレス・ジャパン、リディラバが官民連携で行う、若い世代を対象とした社会的起業家アクセラレーションプログラムです。

合計1.5ヶ月の合宿を含む、約7ヶ月間にわたる集中プログラムで、社会的起業家を目指す学生が社会課題を解決するサービスを形にするサポートを行います。

プログラムをブラッシュアップするため「PoliPoli Gov」で意見募集

「ゼロイチ」の構想にあたり、最も重要だったのは「社会課題分野で学生が起業する際のハードルや必要な支援を洗い出すこと」でした。

「特に若い世代や学生の声を集めること」
そこでPoliPoliでは、PoliPoli Gov上でのオンラインの意見募集と、オフラインの有識者会議の開催を担いました。

最初に行ったPoliPoli Gov上の意見募集では、2023年1月11日から2月28日の48日間で計351件のコメントが集まりました。
回答者の半数以上が20代からのコメントで、まさに「当事者」の意見を経産省に届けることができました。

さらに、オフラインでの意見交換会では、既に第一線で活躍している社会的起業家や投資家などの有識者や、当事者である学生が集まり、社会的起業に向けた支援策について意見をしっかり聞き取りました。

意見交換会では「起業の手前の段階で ”燃え尽き症候群” になってしまう例が多い。そうならないよう学生のモチベーションを高め、伴走支援をすることが重要」など多くの声が挙がりました。

プログラムにどう活かされたか

今回の意見募集の感想と、今後どう「ゼロイチ」に反映されていくか、経産省で本事業を担当されている荒川恵美さん、高岡美優さん、佐々木萌音さん、野村梨世さんの4名にお伺いしました!

Q:PoliPoli Govでの意見募集はいかがでしたか

この政策を最初に構想した際の想いは、「学生の社会的起業で重要なのは、応援・相談しあえるコミュニティ」「学生のうちに起業家と身近に出会えるネットワークがあれば、起業を人生の選択肢として考える学生が増えるのでは」というものでした。
これは私たち自身の経験から、仮説として持っていたものです。

実際に意見募集をしてみると、約67%の回答者が人材・ネットワーク構築の重要性に言及していました。中には「起業は一部の人が凄いことをしているのだと思っていた。その後たまたま起業家と話すと、やろうと思えば自分でも出来そうだと思った」と、私たちの仮説と同じような体験を持つ人もいました。

このように、私たちの「感覚」を、実際に国民の皆様のご意見として、データとして得られたのがよかったです。

Q:それは皆さまのどういったアクションにつながりましたか

「学生の社会的起業を応援するコミュニティを創ろう」と、体感としてもデータとしてもその重要性に自信が持てたことで、勇気を持って次の一歩を踏み出すことができました。

Q:オフラインで行われた意見交換会はどのような形で活用されますか

いただいたアドバイスについては、既にいくつも「ゼロイチ」に取り入れました!

「プログラム内容」「ターゲット学生」といった全体戦略だけでなく、「PR戦略」「コミュニティ活性化」といった細部に至るまでたくさんのアドバイスをいただいて、本当にありがたかったです。

Q:特に印象に残った意見は

個人的に一番印象に残ったのは、「社会課題」を対象にした起業だからこその難しさがある、という点でした。

起業はただでさえ難しい。サービスを作るのも、適切な市場を見つけるのも時間がかかる。そこに加えて社会的起業は、実現可能性や参入障壁、長期的視点でマネタイズ設計が必要といった、社会課題を対象にしているからこそのビジネス上の課題がある。これをどう支援できるか、それがプログラムのコアになるだろうと思いました。

Q:具体的にどのような形で「ゼロイチ」に活かされるのでしょうか

主に3つを意識してゼロイチを設計しました。

まず、心理的安全性の高いコミュニティを作ること。
社会的起業が難しいからこそ、失敗をカバーしてくれる環境や、何でも話せる仲間が重要です。無条件に応援してくれる人、一緒に頑張る仲間、壁打ち相手など、社会的起業に関わる様々な立場の人が集まり、わくわくした議論のできる場所作りをしたいと思っています。

次に、第一線で活躍する社会的起業家が、学生の挑戦を伴走支援すること。
難易度の高い事業作りだからこそ、学生をそばで見守り、思い立ったチャレンジを後押しするメンターの存在が重要です。メンターは、社会的起業家のロールモデルとしてだけではなく、事業づくりのアドバイスをするなど常に応援してくれます。既にたくさんの落とし穴から脱出してきた「先輩」がそばで見ているからこそ、たとえ失敗しても安全に失敗できる。学生にはそんな環境で安心して事業開発に取り組んでほしいと思っています。

最後が、行政とのネットワークの機会です。
社会課題をビジネスの対象とする社会的起業家は、行政や自治体を顧客とすることもあります。一方、スタートアップがニーズのある自治体と出会える機会はまだあまり多くなく、顧客開拓が難しい場合があります。そこで、本プログラムでは、成果報告会などを通して行政とのネットワーク機会をサポートしたいと考えています。

Q:意見を寄せてくださった皆さまにメッセージをお願いします!

PoliPoli Govや意見交換会を通してご意見をくださった皆様、本当にありがとうございました!「インパクトスタートアップ」の定義さえあやふやだった頃からずっと支えてくださった方、毎回来てくださり、飲み会でもプログラムについて真剣に考えてくださった方、私たちに本気で向き合ってくださった皆様のおかげで、無事、学生の募集に至ることができました。

プロジェクトはまだまだ動き出したばかりですので、引き続きアドバイスなどいただけますと嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

今後の「ゼロイチ」

「ゼロイチ」1期生には計97名の学生の方から応募がありました。
選ばれたメンバーは、8月から約7ヶ月間のプログラムに参加し、事業開発を進めていきます。

「ゼロイチ」は、社会的起業に関心を持ったら「まずはここに行ってみよう」「まずはこの人たちに聞いてみよう」と思えるコミュニティを目指しています。

社会的起業を目指す人が、最初の一歩を踏み出すための後押しをする。
そうすることで、誰でも社会課題解決に挑戦できる社会を実現します。

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まとめ

経産省の担当者の方々へのインタビューを通じ、意見募集プラットフォームを用いたことで得た新たな気づきと、施策への反映の過程をお伺いすることができました。

PoliPoliは今後も政策共創の取り組みを行ってまいります。

PoliPoli Govでは、省庁や自治体から皆さまに向けた意見募集を実施しています。あなたの声やアイディアを、ぜひ届けてみませんか?

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