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食の世界をひっくり返すか?「培養肉」の可能性

私はこの話を知った時、体の内側から竜巻が起こったような、興奮とワクワクに包まれ、この記事を綴らずにはいられませんでした。

同時に、なんでもっと早く知ることができなかったのかと悔しさもこみ上げてきました。

突然ですが皆さん「培養肉」ってご存知ですか?

「大豆ミートとかフェイクミートの事?」と思った方、残念ながら違います。

培養肉とは、動物の細胞を培養して製造された食肉のことです。
食肉に似せたものではなく、食肉そのものです。
ただ、培養肉の生産地は牧場ではなく研究所。シャーレの中で食肉が出来上がります。

つまり、人工的に食肉を生み出す技術なのです。

なんだかSFみたいだと思いませんか?
僕は思いました。

しかし、そんなSFじみたお話は、着実に現実のものになろうとしています。
既にいくつもの企業が開発を進め、様々な著名投資家や企業が、この分野への投資を公表しているのです。

今回は日経BPから出版された「クリーンミート〜培養肉が世界を変える〜」を元に、培養肉もといクリーンミートについて、なるべくわかりやすく解説していきます。

私は料理人として、普通に働いてる方々より、沢山の生物の命を「直接」奪ったと自負しています。
そんな自分自身の視点も踏まえてお話ししましょう。

ちなみに私自身はヴィーガンでもベジタリアンでもありません。
ですが、この本を読むと、今まで以上にヴィーガンの方の意思も理解できたように思います。

SNSなどでは、一部の過激なヴィーガンの行動だけが注目され、それに対してヴィーガンの方々への誹謗中傷、さらに反発して肉食の方々への誹謗中傷...。
どちら側に対しても、攻撃的なものが多く、見ていて本当に虚しくなってきます。
高圧的な態度では、中身があったとしても、反発したい気持ちが生まれてしまいがちです。
考えが違っても、=敵というわけではないと、私は思っています。


今回のお話は、飲食業で働く方はもちろん知っておくべきです。
また、それ以外の方も、世界の流れ、経済の流れを先読みすると言う意味で、この記事を読んでいただけることを期待しています。

そして、高い熱量を持って夢中にキーボードを叩いていたら、いつの間にか一万六千字を超える記事が出来上がってしまいました。

この分厚い本をなるべくわかりやすく解説するのと、元々自分が持っている知識とリサーチ。そして料理人としての知識と視点を織り交ぜて綴りました。

ワンコイン分の価値はあるはずです。

ぜひ購読ください。

世界が変わる、その時に対応できるように

なぜ培養肉は開発されたのか

まず、皆さんは食肉を人工的に作る必要性を感じますか?
現時点でその必要性を感じている方は少ないはずです。

そして、皆さんは培養肉と聞いてどんな印象を受けますか?食べたいですか?
「気持ち悪い」「怖い」「食べたくない」
あんまり前向きな意見は出てこなさそうですよね。
そんな中で、なぜ培養肉の開発が進められているのか?

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