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ナナシノ魔物退治屋

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魔力を持つ人間と持たない人間が争い、魔物が闊歩する世界で生きる元騎士の青年・ノアと、彼を気に入った盗賊の青年・ラスターが結成した「魔物退治屋」に関わる人々の日常を描いた短編オムニ… もっと読む
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記事一覧

【短編小説】蛇と朝

 人が寝ている。  通路のど真ん中で。  これが自分の生活圏外だったら素知らぬふりして素通…

ナナシノプロトタイプ

 こういう話をしていて楽しいのはたいてい作者だけというのは相場が決まっているのだが、書き…

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【短編小説】ただ一人、静かに。

 小雨が降り続いている。  ノアもラスターも、「雨宿りになるような場所」を探す目的を忘れ…

【短編小説】ヒョウガと肉を食わない娘

 床に皿が叩きつけられる。ヒョウガがびくっと体を震わせた。女は首を横に振った。床に皿の破…

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【短編小説】赤い空の下で

「死ぬかと思ったよぉおお!」  魔物退治に失敗した魔物退治屋の女が、アカツキに担がれた状…

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【短編小説】ワインパーティー

 酒場・髑髏の円舞――。  その席の片隅でノアとラスター、コバルトはボックス席の片側にぎ…

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【短編小説】己が信ずる夜明けに向かって 4話(最終話)

「地区の医者はもう手が塞がっています」 「中級程度の治癒の魔術なら展開できますが……」  職員とノアがほぼ同時に口を開いた。女性職員は「そんな……」と絶望の表情を浮かべて項垂れてしまった。 「中級程度の治癒の魔術じゃダメなのか?」 「応急処置程度にはなるとは思います。ただ、患者さんが魔術嫌いなんです」  ラスターが、ああ……と落胆の声を上げた。地区の住民の大半は生まれつき魔力を持たない「アンヒューム」と呼ばれる人々だ。魔術師から強く迫害されてきた歴史を持つ彼らの中には、徹底的

【短編小説】己が信ずる夜明けに向かって 3話

 ――数刻前。  地区の店はコガラシマルにとってちょうどいい。澄んだ冬の空気を思わせる肌…

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【短編小説】己が信ずる夜明けに向かって 2話

 紅茶に湯気が立つ。  ヒョウガはどこか落ち着かない様子でレモンのはちみつ漬けを浮かべる…

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【短編小説】己が信ずる夜明けへ向かって 1話

 庭先で趣味の園芸をしていたラスターは、こちらにずんずんと歩を進めてくる影に飛び上がりそ…

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【長編小説】ノアと冬が来ない町 エピローグ

 光と見まがうくらいの強烈な炎が真正面からキメラを襲う。焼け焦げた肉や骨の欠片すら落ちず…

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【長編小説】ノアと冬が来ない町  第十三話 信頼の証

 ここに、来るまでに。  これが、できあがるまでに。  いったい何人の精霊族が犠牲になった…

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【長編小説】ノアと冬が来ない町 第十二話 憎悪

 少し身じろぎをして、うんと伸びをする。  ここはどこだろう、とボケた頭が疑問を抱く。変…

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【長編小説】ノアと冬が来ない町 第十一話 暁

 熱が引き、冷気が降りる。新たな魔力を注がれた私兵の中で、術式が変化するのをノアは見た。敵意がある。ラスターの足が床を撫でる。逃げる判断を留まったのだ。 「どうする? 相手するか?」 「おそらく、この調子だと私兵の援軍がこちらに来るはずだ」  ノアはやや急いた口調でラスターの問いに答えた。 「さっきも来てたもんな」 「うん。だから正直ジリ貧になることはあっても、事態が好転するとは思えないかな」 「逃げるか?」  ノアは頷いた。逃げるしか方法がなかった。 「そっちの扉から行って