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「船を編む」を観て言葉をもっと知りたくなった

三浦しをんのエッセイを読んでいたらあまりの面白さと文章のセンスに感動してしまった。どうしたらこんなに日常のだれでも起こりうるようなことをコミカルに描くことができるのか。語彙の豊富さと表現の自由が凄すぎてプロの力を目の当たりにした。


エッセイだけでなく小説も読みたいと思った。この人の作品は面白いにちがいない。もちろん、有名作品はたくさんあるし面白いことはそうなんだけど、自分にとってハマるかハマらないでいったらハマりそうだと思った。でも残念なことに、今はなかなか小説を読む時間と体力がない。この人並み以下の体力とカメのように遅い読書スピードを呪いたい。


それでもどうしても見たくなってしまったので、本屋大賞にも選ばれている「船を編む」を映画でサクっと観ることにした。おそらく三浦しをんの良さは半分しか伝わらないだろうが。


この作品は辞書をつくることを題材にしたものだ。物語は辞書編成部のエースが辞めるところからはじまる。編成部の部長は「君がいないと辞書は作れない」といい、君の代わりになる人材を探してきてくれと頼んだ。そこで目についたのが主人公であるマジメ君だった。

冒頭で面白いと思ったのはマジメ君に「右」について説明できるか?と質問した場面である。考えたこともなかった。よく考えてみれば辞書には当たり前のことばを説明しなければならない。しかもそれは哲学的な言葉ではなくて、しっかりと論理的なことをいわないといけない。

たとえば、「生きる」ってことばを説明しろ、と言われたら、ハケンの品格なら「働くことだ」というし、松下幸之助は「いくつになってもわからないのが人生というものである」という。辞書はそういうことではない。ちなみに辞書で調べてみたら「生物が生命を維持してこの世にある」と書かれていた。そういうことだ。


そして同じようにマジメ君に右について質問を投げかけたところ「西を向いたとき、北にあたるほうが右」と答えた。なるほど。ズバリやな。ちなみに部長は「数字の10をかいたときに0のほう」といっていた。それもあるな。

気になったので手元にある辞書で調べてみると、「人体を対象線に沿って二分したとき、心臓のない方」と書かれていた。いや、ムズすぎだろ。パッとわからない。まず対象線ってことばがムズイ。そして心臓の「ない方」というちょっと遠回りした表現。マジメ君のほうが数倍わかりやすい。


これはちょっと面白いなと思ったので自分でも考えてみた。


「教室で黒板を目の前にして廊下側のほう」
え、いい感じじゃない?どうですか、みなさん?感想きかせてください。ちなみにメンタル弱いので否定は受け付けません。「すごくいいです!小鳥さん!マジメを超えて公明正大ですね!」といったコメントをお待ちしております。

面白いのでもうひとひねり

「サンドウィッチマンの富澤のほう」
どう?お笑い好きならわかりやすいんじゃない?感想聞かせてください。これも「すごくいいです!小鳥さん!マジメを超えてエキサイティング!!」といったコメントしか受け付けません。


自己肯定時間はこのへんまでにして、ぜひ皆さんも右について説明してみてください。

この映画を観てもっと言葉を知りたいと思った。言葉と向き合いたいと思った。ことばの海を泳ぎたいと思った。ん?泳ぐ?泳ぐって説明できねーなー。以上。終わり。




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