見出し画像

キャロルエコという軽自動車

私、自己紹介の記事でも書いてありますが、車が大好きなのです。

キャロルエコを何故買ったのか

メインカーとしては、BMWのM3(E92 前期 6MT)を所有していますが、それでは釧路の冬を越せないという理由で、マツダのキャロルエコという車を所有しています。

マツダのキャロルエコというのは名ばかりで、いわゆるOEMという形でスズキから供給を受けています(スズキでは、アルトエコという車種名になる)

平成26年車ということで、もう今から7年も前のクルマですが、現代でも十分通用する立派な軽自動車です。

雪道は軽自動車でも大丈夫なのか?

よく「軽自動車では不安」「軽自動車は馬力がないので、雪道に弱い」等々いろいろ言われることがあります。しかし、雪道で馬力が必要なのはいわゆるラリーなどの競技くらいで、一般の街中で走る分には全く不足はなく、逆に馬力だけあっても意味がないということが多分にあります。そんなことよりも、適切にアクセルを踏めるか、適切にブレーキを踏めるかのほうが重要だと思います。

あと、びっくりすることに「4WDなのでパワーがある」という人もたまにいますが、2WDも4WDも基本的にはエンジンが一緒なので、パワーに差はないと考えています。いかにパワーを各車輪に伝達するか、それが雪道では重要になってきます。

そういう意味で、たったの52馬力(めっちゃ少ない部類です)の4WD車両ですが、非常に頼もしい、頼りになる健気な相棒になってくれました。これでいて街乗りでもリッター10を切らず(それもそれなりにハイペースで走って)遠乗りで走ればリッター22~26程度走るお財布にも優しい相棒です。

ここから先は、クルマに詳しい人向けの話になります。

めっちゃ楽しいぞ……キャロル!

最初、この車は馴染みの車屋さんの代車として借りることになりました。もともとOEM元のスズキのアルトバン(HA25V,4AT,4WD)はバイト先で乗ったことがありますので、その時からサスセッティングがすごく煮詰められたいいクルマなんだけど、K6AのNAって言うのが残念で、回さないと馬力が出ない、ある意味MTと組み合わせたら楽しそうなパワートレインでした。

それがこのHB35Sに乗ったらどうでしょう?楽しい足回りはそのままに、R06Aに進化したエンジンが「アルトはちょっとなぁ」って思う部分を払拭してくれてるじゃあありませんか。変速比の大きい副変速機付きCVTの効果も相まってスムーズで快適なドライバビリティを提供してくれる。

これならCVTでも十分遊べるし、何より運転していても楽しい。M3とは別次元の楽しさがある。なにも気にしなくても走れるこの気軽さが、僕の行動エリアを広げてくれる。

具体的にどこが変わっているのか

エンジンはK6Aのショートストロークエンジンから一転、R06Aになることで、ロングストロークエンジンとなり、低速トルクが分厚く、上まで回してもトルクがついてくるとっても乗りやすいエンジンに変わりました。これに4ATの組み合わせでもそれなりに楽しかったでしょうけど、何より副変速機付きCVTのワイドな変速比による瞬発力の高さと高速走行時の低回転を維持して走ることもできる感じがもう素晴らしい。欲を言えば、副変速機側の変速がかったるいのか、再加速時に「よっこいしょ」という感覚でHi側からLo側に切り替わるのがダルいくらいでそれ以外はもう合格点!

そして、R06A自体の静粛性の高さと質のいいエンジンサウンドが、ロングツーリングへの欲望を掻き立てる。K6Aからスズキのエンジンはタイミングチェーンを採用しているのだが、K6AからR06Aになることで、このチェーンのノイズを55%も低減したのだからすごい。確かにK6Aと言えば、派手なジャリジャリしたチェーンサウンドが特徴だったが、R06Aはそれがグッと抑えられて、アイドリングや一般道を巡航しているときなどは、軽自動車とは思えないくらいの静粛性を発揮してくれる。

ユーティリティはどうなのか

正直、リアシートが分割可倒シートではないのは残念だが、仕方ない。しかし、ドアミラーウインカーや、ドアノブもちょっと高級感のあるシルバーハンドルを採用しているし、運転席のシートヒーターもついている。もっとすごいのは、この最終型にしかついていない機能というスペシャル感まである「冷間時、CVTクーラーに冷却水を流さない」という機能。これはすごい。純粋に寒冷地仕様車は全部これにしてほしいと思うくらいすごい。これを軽自動車でやってのけるのだからマツダ恐るべし。いや、スズキ恐るべし。

もっとドライバビリティのお話を

ここはまさしくマニア向けのお話。この車の感覚的なお話を。下から十分トルクのあるエンジン、それをトルクのある領域で保持してくれるCVTは動力性能を確保するという面では十分。エンジンサウンドも回せば勇ましく、安っぽさはあまり感じない。

ハイペースで走っていくと、柔らかい足がロールを誘う。しかし、4輪が全て接地して、グリップ力を保持しようとする粘りのあるいい足。もちろん限界は低いけど、バカみたいにとりあえず固めましたみたいななんちゃってスポーツサスペンションなんかに比べればとっても味わい深い。これはおそらくスズキがスイフトを開発したところからのフィードバックだろう。とびきりおいしいわけじゃないけど、本質的な味にしっかりと向き合った料理のようなそんな味わい深さを感じる。この本質的なおいしさは、EK9の純正足のような感覚。

何よりこの足のセッティングや、エンジン特性はロングツーリングに効いてくる。軽自動車のNAでは考えられない「トルクで走る」ような走り方をメインとし、上り坂では4000回転程度でスイスイ上っていく。緩やかなカーブを味わい深いハンドリングで駆け抜ける。車の性能をフルに使いながらも、楽に走っていく。ダウンヒルは、エネチャージの効果か強めのエンジンブレーキと少し切り込んでも安心して曲がれる足。それを活用して鼻歌を歌いながら坂を駆け下りていく。

まとめ

何より、燃費が最重要視されていた(というか、ミライースの対抗馬だった)車において、この一級品(軽自動車の中では)のハンドリングと、必要十分にしてフィーリングのいいエンジンが積んであるのはまさに奇跡と言える。実際、スポーツカーばかりを乗り継いできた私が十分満足できるだけの仕上がりになっている。代車で借りて、この車を気に入って結局は購入までこぎつけてしまった。

維持費も安いし、燃費もいいし、それでいてロングツーリングに行っても不満がなく、楽しく、疲れない。なぜなのかと言われるとわからないが、とにかく遠くまで走りたくなるようなそんな車だった(燃料タンクが20Lじゃなければ)

画像1



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?