38.【思い出】NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS part.2

 前回に引き続きNBCの好きポイントをお届け。
 しかも学びもご紹介。面白いだけにとどまらない良い映画です。

好きポイント

②深窓したたか系ヒロイン

 冒頭、風に髪をなびかせる女性、振り向くとつぎはぎの顔を覗かせます。
 ヒロインのサリーはつぎはぎの人形です。ハロウィンに飽きを感じ一人墓地で悲観しているジャックをお墓の影から声もかけずに見守ります。なんとおしとやかなんでしょうか。…ここだけ切り取ったらですが。
 実はこのシーンの前にサリーは片腕をもがれています(!?)。かわいそうです。…ここだけ切り取ったらですが。理由は生みの親の博士に毒を盛ったからです。うーん、腕で済んでよかったですね。
 (まあ、博士も頭痛になったくらいでしたし、サリーの腕もすぐにくっつきます。ハロウィン・タウンではだの、腕の一本や二本だの、どうってことないのでしょう。)
 そんなサリーは深窓感を出しつつもこの後作中で何度もしたたかさを発揮します。このしたたかさが彼女の魅力を引き立てつつも”怪異”という印象が醸し出され目を奪われるのです。

③もちもち拷問虫おばけ(かわいい)

 今作のヴィランのウギー・ブギーは袋のおばけ(?)で中には虫が詰まりに詰まっています。そのくせ怪力で巨漢のサンタクロースと軽々ダンスを踊り放り投げ、自室は拷問部屋になっています。影になる(?)事もできるようで冒頭では月に影を投影し登場しています。影響力もありそうです。でもかわいいやつなのです。
 実はブギー料理が得意で子分の歌に出てくるくらいです。十八番は「蛇と蜘蛛のシチュー」らしく、味が気になりますね。蛇もたんぱくで美味しいらしいし、タランチュラもクリーミーな味わいで現地では高級食材だとか。ヴィランらしからぬ普通に美味しい料理を出してくれそうです。中身は虫なのに。かわいいですね。
 さらに自室は拷問部屋なのですが、装飾に凝っています。ハロウィン・タウンは全体的に荒廃して鬱屈としている印象ですが、ブギーの自室はさながらダンスフロア。もちろん気味は悪いですが、せっせと自室を改修する姿を想像するとかわいいですね。作中でも楽しくサンタクロースを料理しようとしていたので、模様替えの際も案外子分達とわいわいしながらやっているのかもしれません。

NBCから学ぶ多様性

 さて、ジャックはサンタクロースに代わりクリスマスを慣行しましたが、ついには軍にソリごと撃墜されてしまいます。ジャックは全力でクリスマスに臨み、心の底から人々を驚き喜ばせようとしていました。
 ハロウィンもクリスマスも”驚き”という価値観は共通していると思います。ハロウィンでジャックは成果を(飽きるほど)上げ続けてきましたが、クリスマスで求められる”驚き”はサプライズの意が大きいです。まさに多様性の壁を感じる場面でした。
 どんな心意気で臨んでも”ベクトル”があっていないと臨む結果にはならないという事ではないのかと感じました。

 多様性を謳うのは大変心持ちが良いですが多様性には知識が必要です。相手を理解し歩み寄る、もしくは割り切って離れる選択肢もとれる、それが真の多様性ではないかと私は思います。

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