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今を生きることと茶事

今を生きると言う言葉の意味がわからなかった。

中学生の時、ある先生のクラスのベランダに「今を生きろ!」と校庭から見えるように貼ってあった。

はて?何を伝えたいのか。さっぱりだった。調べようともしなかった。

大人になって、その言葉の意味がようやくわかった。

「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きる。」この瞬間に真心を込める。全神経を集中させる。

わたしは茶道を通して、その技術や心を学んでいる。茶事は相手を思い、もてなすために行われるものである。一杯一杯真心を込めて、お茶を立てる。                   

家に帰ったらまた子どもが荒らしてそうだなー今日の夕ご飯は何しよう。あーあれもしないとなー。そうだ明日はゴミの日だ。最近仕事がうまくいかないなーとか考えながらお茶を立てると、そんな味がする。

着物ちゃんと着れているかな、お点前間違えていないかな。足ってどっちから出すんだっけ?あーいつもここお稽古で先生に叱られるところだ。とか考えていると、そんな味がする。本当に。

お茶を差し上げる相手のことを思い、少しでも心を癒してほしいと言う気持ちで立てると不思議とそんな味がする。亭主も客も心が安らかになる。あっこんなにも人の気持ちって温かいんだと感じるのである。

茶事はそんな気持ちなれる、デザインされた3時間のセレモニーなのである。(懐石あり、濃茶あり、薄茶あり、炭・花・とこなどなど総合演出)

客もこの席に全神経を集中させると、人への感謝の気持ちや温かさを自然と感じ本当に大事なものと向き合うことができる時間となる。

茶事の面白さや豊かさを教えてくれた、茶道の先生に心から感謝している。ゆっくり学び続け、そんな席をデザインし縁ある人の心を癒せる場づくりができる人になりたい。

まずは、家族を招待。母の記念日に家族茶事をしたい。夫を招待して日頃の感謝を伝える場を作りたい!特訓だ!!


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