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創業110年企業が、組織を生まれ変わらせるためにやったこと全部【2022年】

大げさではなく、人生の節目となった2022年

創業110年の小平社にCHRO(chief human resource officer)として参画したことが、人生のターニングポイントレベルで大きな出来事だったので、振り返りつつやった事を全部出してみます。

年始に、4代目社長のかんちゃんからポンっと届いたメッセンジャー。

ここから始まり、あれよあれよという間にジョインすることに。色々なピースが、カチッとはまる時は一瞬。

この日から自分にとっての2022年の流れは大きく変わったわけですが、創業110年の老舗がこれからを「第4創業期」と位置づけ、生まれ変わるために20以上の新しい取り組みを進め、駆け抜けた一年でした。

(家庭では、娘の二度にわたる入院やコロナ罹患とか色々ありましたが(ノ_<)、なんとか一緒に乗り越えてくれた家族には、心から感謝m(_ _)m)

完全トップダウンから、180度の方向転換

着任早々まず取り組んだのは、自部署となる総務部のチームビルディング

前任の部長は「完全トップダウンで、一人で全プロセスを管理していく」というスタイル。
部会も議事録もオンラインのカレンダーも無い(!)中で、一人ひとりが上司から振られたタスクをこなしていくという環境でしたが、そこを変えていくところから。(もちろんトップダウンの管理型が合っている組織もあると思います!が、自分のスタイルではないかな…)

まずはメンバーと双方向で情報を流通させ、個人の意見も出せる場として部会を設計。そして1on1で「やるべきこと」以外も含めた人生全般について扱う時間を作りました。
メンバーが「部会や1on1がとても楽しみ」と言ってくれるのは素直に嬉しかったし、「関係性の質」から始まる成功循環モデルを、地道に作っていきました。

とはいえ、メンバーからすれば、複雑なプロセスをすべて掌握していた前任者が突然退職したことで、
初めて触れる上流業務に戸惑いながら今までの倍以上の業務量をこなすことになり。そこを根性で乗り越えてくれたメンバーには、心から感謝です!

着任直後のチームビルディング研修にて。
まだちょっと固い?(笑)

入社3日で心に誓った、DX&リモートワーク化

また、ある意味カルチャーショックだったのが、出社初日から大量に回ってきた紙の稟議書…!
自分が今までベンチャー中心のキャリアだったからというのもありますが、紙の稟議書にハンコを押しながら、「こういう世界がリアルにあったのか…」という驚きからスタートしました。
「ハンコを押すために出社する」みたいなことも実際目の当たりにして、効率化とリスクヘッジの観点から、「紙文化の根絶&リモートワークの早期導入」を心に誓った入社初月でした。


「御前会議」に終止符を

会議体も一新。
全員が空気を読みながらほとんど発言しない、いわゆる「御前会議」的な雰囲気だった部長会議も、
会議前にWord A4一枚の資料を提出(PPTは禁止)し、全員でそれを読むところから始めるAmazon方式に変更。その結果、役員会議や部長会議が、意見を出し合える生産的な場に変わりました
ここは、社長がグイグイリードしてくれた部分。頼りになります!

その後、全社の会議についても
・参加人数が8人以上になる会議を禁止。7名以下の「ちゃんと話せて意味がある」会議のみに限定。
・全社公開で議事録を残すことをルール化。


これにより、それまで現場の悩みだった、
「資料が読み上げられるだけの場に、なんとなく参加して時間が無駄になっている」「隣のチームが何をしているのかよく分からない」「決まったことが実行されずに消えていく」という点が解消されつつあります。


会社の背骨となる、Mission/Vision/Value言語化

並行して取り組んだのは、全社のMission/Vision/Valueの言語化

一部は犬猿の仲だった役員を集めて、対話を専門とするダイアログファームのmusuhi社に入ってもらって役員合宿を実施

スタート時は場の緊張感もかなり高くどうなるものかと思いましたが、musuhiのファシリテーションのもと、皆でエッジを超え、結果として最高の役員合宿になりました!「対話の力」というものを肌で感じながら、魂のこもったMissionを生み出せたと感じます。

2日のプログラムを経て
チームになれた実感が伝わる写真!
LEGOで表したKOBIRAのMission
KOBIRAは、祖先を遡るとリアルに海の冒険者(海賊?(笑))でした。
個人的には「安心と希望」という部分に最も思い入れがあります。


しっくりくるMissionが生まれて、
とっても嬉しそうな勘太社長

こうして合宿で新たに生まれたMissionを元に、
10年後のVisionを編み上げ、最終的には事業部メンバーにも参画してもらってValue(価値観)を作成。

生み出されたものは、まだ今の時点では種火くらいの力かもしれないけれど、皆で命を吹き込んでいくことで、これからの100年を支えてくれるものになると確信しています。

10年後のVision!
全社員で出したvisionのタネを元にして編みあげました。

↑ ミッション・ビジョンを発表した全社集会のダイジェスト動画。感慨深かった…!!

valueの内容や、
発表した全社集会の様子(大いに盛り上がった!)も
別途どこかで書きたい!


共に荒波を乗り越えてくれた、20のサービス&パートナー

各種パートナー企業にも救われました。
これまでは徹底した「自前主義」を貫いていたKOBIRAでしたが、そこから大きく舵を切り、信頼できる仲間たちのネットワークで解決していくことを新たなVisionの一つにも掲げて20以上のサービスを導入しました


「過去慣性の強い110年企業において、組織OSを1年で大きく書き換える」という荒業の中、組織で生まれる葛藤や摩擦も含めて、共に丁寧に向き合い乗り越えてくれたダイアログファームのmusuhiさん。これだけしっくりくるMVVは、musuhi無しでは絶対に生まれませんでした。
他にも、
musuhiの企画する「戦略人事の郷中塾」では、勘太社長が
「人事領域はフワッとして苦手意識があったけど、経営と科学という観点で考えてもいいんだ」という確信を得て、爆速進化の背中を押してくれました。
現在進行中の人事制度作成においても、人事制度のプロの美紀子さんが壁打ちをしてくれていることが、どんなに心強いか。


●新たに紡がれたMission/Vision/Valueを、概念だけでなく「形」に落としてくれたTSUZUKUのクボユータさん。
単なるデザインだけではなく、現場にも踏み込んで形にしてくれました。素晴らしいデザインが伴ったビジュアルやツールの力は、本当に強力で感動します。

Mission/Visionを常に持ち歩けるように作成した、Visionマップ
Valueも、日々のお守りとして持ち歩けるサイズに

形に落とすという意味では、全社集会を映像の形で残してくれた、すべさん、あかつー、さめしーを中心とした映像チームの皆さんにも感謝。残してくれた映像は、新生KOBIRAのDNAを伝えていく大きな武器になっています。


●大量の業務でアップアップとなっていた総務にとって、救いの神となったのが、マルゴト(まるごと管理部)さん。
山ほど新しいツールを導入し、総務全員回すのが精いっぱいになってしまいがちな中、最重要となる大量のマニュアル作成を一手に引き受けてくれました。


他にも、

●30年以上社労士を入れずに組み上げられてきていた就業規則(それはそれですごいこと)を、ゼロから見直すプロセスで惜しみなく協力してくれたHR Trustさん

●全社のリモートワーク環境を大きく改善してくれたリモートHQ(池田個人も超満足!)、

●改善要望を投げまくるのにも細かに対応してくれた、バーチャルオフィスツールのRemotty(ソニックガーデン)

●ITツール慣れしていないガス事業部の現場でもコミュニケーションを促進してくれた、LINE works、

●全社の情報共有プラットフォームとしてのTeams
(正直、ここだけは唯一後悔している点かな…。Slack+Google workplaceにすればよかった…)

組織の人間ドックとして課題を浮き彫りにしてくれたラフールサーベイ

大量の紙文化を一掃する土台となったジョブカン

購買プロセスの簡素化に一役買ってくれた法人カードのUPSIDER

●組織図や社員名簿をはじめとした人事データの一元化を可能にしてくれたSmart HR

●社内リソースが足りない中でも採用&広報を一緒に動かし始めている、さきぴー&まるごと人事さん

女性社員のリスキリングの取り組みに、一緒に着手しているSHE likesさん

●indeed出稿サポートをしてくれたおかげでパート社員の即採用が決まったETK&Co.さん

ワクワクな新オフィス設計を提案してくれた「37design」のみそっぷ&「おりなす設計室」の田渕さん(オフィス詳細は今後リリース予定!)、

などなど、
各専門家の皆さんや、各ツールに心から感謝です。


そしてなんといっても、
さすがだなーと思うのは4代目となる勘太社長。

「親から株式も相続して、自分でリスクを取れるようになったからねー」

と笑顔でさらっと言うけれど、ここから3年間を「第4創業期」と位置付け、
これだけの変化を生み出す意思決定をしまくって、しかも決めるだけではなく超爆速で手も動かして改革を牽引していく。
とはいえ、だからといってトップダウン一辺倒というわけではなく、民主的・合理的に進めようとするフラットなスタンスも持ち合わせていて。

池田が人事として現場寄りの視点に引っ張られそうになる瞬間も、経営目線で
「だったらこうすればいいんじゃない?というか、やっとくね。ヒマなんで。」
と軌道修正をしてくれました。(注:絶対ヒマじゃない(笑))

新Mission/Visionを発表した全社集会での堂々としたプレゼン、そして終了後の打ち上げでの嬉しそうな顔は、今年一番印象に残っています。



全社集会のアンケートでも、社員から
「これまでは先代の影響が非常に大きかったが、この日を境に『勘太社長の会社』になったと感じた」
という声が挙がっていました。
これまでの110年を受け、そしてこれからの100年を紡いでいく中でも、あの日は語り継がれるんだろうと思います。


そして2023年へ


2022年は、人間で言えば、
背骨となるMission/Vision/Valueができあがり、
毎日を支えるツールが一通り便利なものにアップデートされた年

2023年は、
骨格となる新人事制度の導入、
筋肉となる新メンバーの採用開始、
神経となるコミュニケーション結節点のマネジャー育成、
家となる本社オフィス移転準備、
あたりが山場(もはや山脈)。

今年同様、一人では何もできないので、
引き続き皆さんの力を借りながら、鹿児島というローカルから「これからの豊かさを体現するウェルビーイングカンパニー」を作っていく所存です。

改めて、
今年一年を支えてくれた皆さん、関わってくれた皆さん、本当にありがとうございました!!
(そして、こんな会社で働いてみたい・関わってみたいなという方も、絶賛お待ちしております。もちろんリモートワークもOK!!お気軽にお声がけください♪)

それでは2023年も、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m


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